「働き方改革」のカギは体内リズム

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ケアネット

「働き方改革」のカギは体内リズムのイメージ

 3月15日の「世界睡眠デー」を前に、「目覚め方改革プロジェクト」※1主催のメディアセミナーが2月19日に都内にて開催された。

 この春、わが国では「働き方改革」がスタートし、オンとオフのメリハリのついた生活がますます重要視されるようになる。今回のセミナーではそうした背景を受け、日中のパフォーマンス向上を切り口に、体内リズムの重要性が語られた。

働き方改革の第一歩
 はじめに、内村 直尚氏(久留米大学 医学部 神経精神医学講座 教授)が、「パフォーマンスを左右する目覚めと体内リズム」をテーマに、日中のパフォーマンスと体内リズムの関係や、体内リズムの整え方について説明した。

 日本人の5人に1人は、「日中、眠気を感じた」や「睡眠全体の質に満足できなかった」など、睡眠に関する問題を抱えている。こうした問題の背景には、単純な睡眠時間の不足だけでなく、「体内リズムの乱れ」が関わっている。実際に、体内リズムが乱れている人は、整っている人と比べて日中の眠気度が高いことなどが研究データにより示された。こうした体内リズムの乱れによる睡眠の問題は、心身の不調や疲労度の増加などを引き起こし、日中のパフォーマンスを低下させることも紹介された。

 この乱れた体内リズムを整えるためには、休日でも起きる時間を一定に保つこと、朝目覚めたら日光をよく浴びること、などが有効だという。内村氏は、「体内リズムを整え、良い眠り・目覚めをもたらすことが、働き方改革の第一歩だ」と強調した。

目覚めの良い朝を迎えるために
 続いて、岡田 邦夫氏(特定非営利活動法人健康経営研究会 理事長)が、「健康経営の第一人者に聞く~いまビジネスパーソンが取り組むべき睡眠課題~」をテーマに、働き方改革における睡眠の課題とその対処法を解説した。

 日本人は世界で2番目に長時間労働者が多いが、労働生産性は世界22位、熱意ある労働者の比率は世界132位、そして自社を信用していない労働者の出現率は世界第1位である。つまり、日本人は長く働いているわりに生産性や熱意が低く、まして会社への信頼も薄い。

 こうした労働のパフォーマンスの低さには、長時間労働による睡眠不足が影響していると考えられ、実際に日本人は世界で2番目に睡眠時間が短い。この睡眠不足によるわが国の経済的損失は、1,380ドルにも及ぶという。

 また最近の調査結果から、ストレスにより心身の状態が不調な人は、日中の眠気などの睡眠リスクが高いことが示された。こうした人は、産業医の診療により健康状態の改善を図ることが重要だ。岡田氏は、わが国の労働生産性を高めるためには、企業と産業医がそれぞれの役割を果たし、目覚めの良い朝を迎える環境を整えることが重要だ、と締めくくった。

 こうした考えのもと、東海旅客鉄道株式会社は職場に「睡眠自己管理プログラム」を導入した。このプログラムでは、就寝・起床時刻や勤務時間などの簡単なデータを記入すると、睡眠に関する医学的根拠に基づいたアドバイスが出力される。そして、そのアドバイスを参考に、個々人が自らの睡眠を管理していく。清水 紀宏氏(東海旅客鉄道株式会社 総合技術本部 技術開発部 技術計画チーム 担当部長)はこのような取り組みを通して、実際に職場での仕事のパフォーマンス向上を実感しているという。

体内リズムを整えるアスパラプロリン
 最後に、協力企業から只野 健太郎氏(大塚製薬株式会社)より、体内リズムを整えるはたらきを持つ食品素材「アスパラプロリン」が紹介された。只野氏は、アスパラプロリンで体内リズムを整えることにより、日中のパフォーマンス向上に貢献できるのでは、と期待を語った。

※1:睡眠や体内リズム研究の専門家により2018年に設立され、「目覚め方および体内リズムを整えることの重要性」の認知向上のための情報を発信している。

(ケアネット 野辺 加織)

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