低用量のアスピリンを中止することによる心血管リスクの上昇

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ケアネット

低用量のアスピリンを中止することによる心血管リスクの上昇のイメージ

 大手術や出血がないにもかかわらず、アスピリンを中止することに伴うリスクへの懸念が高まっている。そこでスウェーデンの研究グループが、長期の低用量アスピリンを中止および治療の中断に伴う心臓血管リスクの増加に関して検証を行った。Circulation誌2017年9月26日号に掲載。

スウェーデンの処方データを用いて60万人以上を解析
 研究はスウェーデンの処方データを用いて行われ、2005~09年、低用量アスピリンを1次もしくは2次予防として内服する40歳以上で、悪性腫瘍の既往がなく、観察期間の最初の1年で80%以上内服を順守していた60万1,527例が対象。心血管イベントはスウェーデンの入院および死亡原因のデータベースを使って同定された。大出血もしくは外科的処置から3ヵ月間は、イベント発生のリスク期間から除外された。

アスピリンの中断で心血管イベントが30%以上も上昇
 3年間(中央値)のフォローアップ期間で、6万2,690件の心血管イベントが発生した。アスピリンを中止した患者では、継続した患者に比べて高い確率で心血管イベントが発生した(多変量解析調整後のハザード比:1.37、95%信頼区間:1.34~1.41)。これは、アスピリンを中止すると毎年74例に1例の割合で、さらなる心血管イベントが起こるという計算となる。また、心血管イベントのリスクは、内服中止後すぐに上昇し、その後も改善しなかった。

 低用量のアスピリンを長期間使用している患者にとって、大手術や出血などがないにもかかわらず内服を中止することは、心血管イベントが30%以上増加することがわかった。検証の結果、大手術や出血がない患者において、低用量アスピリン内服の順守は重要な目標であるといえる。

(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)

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