新インフルエンザ治療薬S-033188、第III相試験結果発表/IDWeek2017

提供元:ケアネット

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公開日:2017/10/16

 

 新たな作用機序キャップエンドヌクレアーゼ(CEN)阻害のインフルエンザ治療薬であるS-033188の第III相試験CAPSTONE-1の結果が、米国感染症学会週間Infectious Disease Week 2017(IDWeek2017)で発表された。

 CAPSTONE-1試験は、多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験。対象は、年齢12〜64歳、発熱(腋窩温38.0℃以上)、一般症状と呼吸器症状(中程度〜重度)を有し、発症48時間以内の患者。20〜64歳の患者は、S-033188(経口単回投与)、プラセボ、オセルタミビル(75mg×2/日、5日間)の3群に、2:2:1で無作為に割り付けられた。12歳〜19歳の患者は、S-033188とプラセボの経口投単回与に2:1で無作為に割り付けられた。主要有効性評価項目は、インフルエンザ症状の罹病期間(TTAS)であった。鼻咽頭スワブによる投与前後のウイルス力価およびRNA含量も分析された。

 主な結果は以下のとおり。

・計1,436人の患者が無作為化された。
・TTASはS-033188群53.7時間、プラセボ群80.2時間で、S-033188群で有意に短かった(p<0.0001)。
・ウイルス排出期間中央値は、S-033188群24時間、オセルタミビル群72時間(p<0.0001)、プラセボ群96時間(p <0.0001)であった。
・S-033188群では、オセルタミビル群またはプラセボ群に比べ、ベースラインからのウイルス力価およびRNA量を有意に減少した(オセルタミビルでは3日目まで、プラセボでは5日目まで)。
・S-033188は一般的に良好な耐容性を示し、治療による有害事象の発生率はオセルタミビルに比べ低かった。

■参考
IDweek2017 abstract

(ケアネット 細田 雅之)