なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/11 フィンランドの認知症死亡率は、世界の中でも最も高く、認知症の隠れた原因を探るうえでも、その環境的特徴を理解することは有益である。米国・ドレクセル大学のArnold R. Eiser氏は、フィンランドにおける環境要因を報告した。Brain research誌2017年9月15日号の報告。 主な環境要因は以下のとおり。 ・非常に寒く、湿気が多い気候のため、神経毒性のマイコトキシンを産生するカビを住宅に宿しやすい。 ・フィンランド湾およびフィンランド湖には、認知症および認知症関連障害を引き起こすことが知られている神経毒性のβ-N-メチルアミノ-L-アラニンを産生するシアノバクテリアが存在する。 ・上記の毒素は、フィンランド水域にみられる水銀やメチル水銀により増強される可能性がある。 ・フィンランドの土壌は、自然界ではセレンが少ない。セレン欠乏により、神経毒性に対して保護的に働くグルタチオンの量や有効性を低下させる可能性がある。 著者らは「認知症死亡率の高さは、これら環境要因が影響している可能性が考えられる。今後、この仮説を支持または否定するための研究が必要である。このような環境毒素が組み合わさる世界中の他の地域においても、アルツハイマー病を促進する可能性がある」としている。 ■関連記事 認知症による生涯コストはどのくらい? ドネペジルの治療反応、投与前に予測可能か 認知症になりやすい職業は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Eiser AR. Brain Res. 2017;1671:14-17. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 手術低~中等度リスク重症大動脈弁狭窄症、TAVI vs.SAVRの1年成績/NEJM(2024/04/26) 狭小弁輪を伴う大動脈弁狭窄症へのTAVR、自己拡張型弁vs.バルーン拡張型弁/NEJM(2024/04/26) 若年乳がんサバイバーにおける2次原発性乳がんのリスク因子/JAMA Oncol(2024/04/26) アレクチニブによるALK陽性肺がん術後補助療法をFDAが承認/中外(2024/04/26) うつ病の第2選択治療、機械学習で最適化できるか(2024/04/26) テレビや動画の視聴時間の長さは夜間頻尿リスクに関連(2024/04/26) ChatGPTは医師の10倍の速さで事務作業をこなす(2024/04/26) 1型糖尿病患者の血糖変動の認知機能への影響(2024/04/26) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07) 救急エコー最速RUSH! (2017/07/07)