ニボルマブの恩恵を受けるのは腫瘍変異が高い症例?:CheckMate-026探索的研究

提供元:ケアネット

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公開日:2017/05/02

 

 残念ながらポジティブな結果とはならなかった、転移・再発非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療のニボルマブ(商品名:オプジーボ)の無作為化試験CheckMate-026だが、探索的研究では、ニボルマブの恩恵は、腫瘍変異負荷(tumor mutation burden:TMB)の高い患者において引き出されるという結果を明らかにした。

 この探索的研究は、エクソーム配列決定に十分なサンプルを有する患者を対象に行われ、TMBの三分位分布に基づいて患者を低TMB(0~99)、中TMB(100~242)、高TMB(243以上)に等しく分割して解析した。

高TMB患者ではニボルマブがORR、PFSを改善
 主な結果は以下のとおり。

・無作為化された患者541例中312例(57.7%)が評価可能なTMBデータを有していた(患者のベースライン特性、PFS、OSは、全患者と同等)。
・高TMB患者の割合はニボルルマブ群で低かった(化学療法群39.0% vs.ニボルマブ群29.7%)。
・高TMB患者におけるPFSは、ニボルマブ群9.7ヵ月に対し、化学療法群5.8ヵ月と、ニボルマブ群でより改善されていた(HR:0.62、95%CI:0.38~1.00)。
・高TMB患者における奏効率(ORR)は、ニボルマブ群46.8%に対し、化学療法群28.3%と、ニボルマブ群で高かった。
・OSは両治療群で同等であった。
・化学療法群からニボルマブへのクロスオーバー率は65%であった。

(ケアネット 細田 雅之)

参考

AACR 2017 abstract
非小細胞肺がん1次治療、ニボルマブ単剤と化学療法の比較:CheckMate026