パニック障害 + 境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/02/08 これまでの研究では、境界性パーソナリティ障害(BPD)、パニック発作(PA)、パニック障害(PD)といった個々の疾患と自殺企図との関係は明らかされている。しかし、併発した際の自殺企図との関係はよくわかっていない。カナダ・マニトバ大学のDanielle L Turnbull氏らはこれらの疾患の併存による影響を検討した。The Journal of nervous and mental disease誌2013年2月号の報告。 対象患者は、アルコールおよび関連疾患に関する全国疫学調査(NESARC)のWEVE2のデータより抽出した34,653例を用いた。BPD(562例)、PA(253例)、PD(255例)、BPD+PD(146例)、BPD+PA(119例)と自殺企図との関係についてロジスティック回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・BPD、PD、PAは自殺企図と関連していた。 ・BPD+PD またはBPD+PAでは、BPD単独と比較し、自殺企図との関連がわずかではあるが増加した。 ・自殺企図との関連は、感情調整不全をコントロールしたのち大幅に減少した。 ・境界性パーソナリティ障害では、自殺予防を見据え、感情調節不全のコントロールが重要であると考えられる。 関連医療ニュース ・日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は? ・空中浮遊微粒子濃度は自殺企図・統合失調症増悪に影響を及ぼす ・境界性パーソナリティ障害患者の症状把握に期待!「BPDSI-IV」は有用か? (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Turnbull DL, et al. J Nerv Ment Dis. 2013 Feb; 201(2): 130-135. doi: 10.1097/ NMD.0b013e31827f6449. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25)