抗精神病薬の適応外処方、年代別の傾向を調査 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/08/12 成人、小児および高齢者における抗精神病薬の適応外処方について、フランス・リール第1大学のLouise Carton氏らはシステマティックレビューにて調査を行った。その結果、近年、適応外処方は広く行われており、その処方内容は患者の年齢層により異なること、使用理由としては治療に行き詰まった場合や承認薬がほとんどない特異的疾患におけるケースが多いことを明らかにした。一方で、その他の適応外処方は軽度な症状に対する処方を一時的に反映しているだけで、著者らは「安全性に対する懸念が生じる可能性がある」と指摘している。Current Pharmaceutical Design誌2015年7月号の掲載報告。 レビューは、PubMed、ScienceDirect databasesを介して、「適応外」+(「抗精神病薬」または「神経遮断薬」)をキーワードに論文検索が行われた。検索対象期間は2000年1月~2015年1月とし、英語で書かれた薬剤疫学的な研究のみを適格とした。 主な結果は以下のとおり。 ・77本の適格論文が特定された。 ・成人において、適応外処方(OLP)は、すべての抗精神病薬処方の40~75%を占めていた。 ・OLP処方における主な症状は、気分障害、不安症、不眠症、興奮であった。 ・クエチアピンは、とくに不安と不眠症に対して最も頻度が高いOLPであった。 ・小児において、OLPはすべての抗精神病薬処方の36~93.2%にわたっていた。 ・主に使用されていたのはリスペリドンとアリピプラゾールで、注意欠如・多動症、不安または気分障害に処方されていた。 ・高齢者において、OLPはすべての抗精神病薬処方の22~86%を占めていた。 ・抗精神病薬OLPは、とくに興奮に対する頻度が高かった。しかしながら、このOLPは最近、減少していることが確認された。 関連医療ニュース 若年者への抗精神病薬使用、93%は適応外処方 非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状 アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Carton L, et al. Curr Pharm Des. 2015;21:3280-3297. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] SGLT2阻害薬、自己免疫性リウマチ性疾患のリスクは?/BMJ(2025/10/24) 腹部大手術時の周術期血圧管理、個別化vs.通常/JAMA(2025/10/24) ALK陽性進行NSCLCへのアレクチニブ、OS中央値81.1ヵ月(ALEX)/ESMO2025(2025/10/24) 下剤のルビプロストン、重大な副作用にアナフィラキシー追加/厚労省(2025/10/24) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がん1次治療、Dato-DXdがPFSとOSを延長(TROPION-Breast02)/ESMO2025(2025/10/24) 結腸がん術後ctDNAによるde-escalation、リスク低減も非劣性は示されず(DYNAMIC-III)/ESMO2025(2025/10/24) 寝たきり原因第1位「脳卒中」、最新治療アクセス改善と患者支援の最前線/日本脳卒中学会・日本脳卒中医療ケア従事者連合・日本脳卒中協会(2025/10/24) 父親の厳しい子育てが子供のメンタルヘルスに影響(2025/10/24) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)