統合失調症患者の脳ゲノムを解析:新潟大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/08/03 細胞ゲノム変異と染色体異常は脳疾患の神経病理と関係している。新潟大学の坂井 美和子氏らは、統合失調症患者の脳ゲノムDNAを用いて遺伝子量変化を分析し、細胞ゲノム不安定性と統合失調症との関連について検討した。その結果、疾患に関連する遺伝子コピー数多型(CNV)の候補領域を同定したことを報告した。Molecular Cytogenetics誌オンライン版2015年7月1日号の掲載報告。 統合失調症患者死後脳48例および非精神疾患罹患者死後脳48例の線条体からDNAを抽出し、2色法マイクロアレイ分析を用いて相対的DNA量の変化を認めるCNV候補領域を検索した。さらに、シグナル強度や変化の大きなCNV候補領域を選択しPCRで検証した。 主な結果は以下のとおり。 ・100万個のプローブで、CNV候補領域を85領域検出した。 ・このうち26領域は、アジア人集団でみられる一般的なCNVと一致しておらず、統合失調症もしくは他の精神疾患と関連がある遺伝子(ANTXRL、CHST9、DNM3、NDST3、SDK1、STRC、SKYなど)が含まれていた。 ・このCNV候補領域の大部分は、統計学的にリスク因子である可能性が高いことが示されたが、遺伝子量のシグナル強度の差は1.5倍未満であった。 ・CNV候補領域10領域を選択し定量的PCR法にて解析した結果、2つの遺伝子座(1p36.21、1p13.3)で遺伝子量の消失、他の2つの遺伝子座(11p15.4、13p21.1)でコピー数配列の全体的な変化が確認された。 ・しかし、これらの遺伝子座は、他の脳領域においても同じ体細胞CNVパターンを示した。 関連医療ニュース 統合失調症の病因に関連する新たな候補遺伝子を示唆:名古屋大学 統合失調症の慢性化に関連する遺伝子か 統合失調症の発症に、大きく関与する遺伝子変異を特定 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Sakai M, et al. Mol Cytogenet. 2015 Jul 1;8:46. eCollection 2015. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 手術低~中等度リスク重症大動脈弁狭窄症、TAVI vs.SAVRの1年成績/NEJM(2024/04/26) 狭小弁輪を伴う大動脈弁狭窄症へのTAVR、自己拡張型弁vs.バルーン拡張型弁/NEJM(2024/04/26) 若年乳がんサバイバーにおける2次原発性乳がんのリスク因子/JAMA Oncol(2024/04/26) アレクチニブによるALK陽性肺がん術後補助療法をFDAが承認/中外(2024/04/26) うつ病の第2選択治療、機械学習で最適化できるか(2024/04/26) テレビや動画の視聴時間の長さは夜間頻尿リスクに関連(2024/04/26) ChatGPTは医師の10倍の速さで事務作業をこなす(2024/04/26) 1型糖尿病患者の血糖変動の認知機能への影響(2024/04/26) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)