「家族で食事」はやはり大切だった

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/02

 

 頻繁に家族で食事を取ることは、小児および青年にとって心理社会的によい効果を示し、その効果は女性のほうが大きいことが、カナダ・オタワ大学 Megan E Harrison氏らによって明らかにされた。Canadian Family Physician誌、2015年2月号より掲載報告。

 Harrison氏らは、頻繁に家族で食事を取ることが小児および青年の心理社会的効果に影響を及ぼすかどうか、また、その影響は性別で差があるかどうかを明らかにするため、システマティックレビューを行った。

 調査は、Ovid社のデータベースを使用し、MEDLINE(1948年から2011年6月5週目まで)とPsycINFO(1806年から2011年7月1週目まで)の検索で文献を特定した。単独または組み合わせて使用した見出しとキーワードは、(1)family、 (2)meal、(3)food intake、(4)nutrition、(5)diets、(6)body weight、(7)adolescent attitudes、(8)eating behaviour、(9)feeding behaviour、(10)eating disordersであった。なお、関連する参考論文についても検討を行った。

 検索により得られた1,783編の論文について、以下の基準を満たすことが求められた結果、14編の論文が基準に合致した。なお。調査・分析は2人の独立した調査員によって行われた。
1.査読のある英語論文雑誌に掲載されている
2.小児および青年を含んでいる
3.小児および青年の心理社会的アウトカム(薬物使用、摂食障害、抑うつなど)に対する家族の食事の役割を検討している
4.データ解析の統計方法を含む試験デザインが適切である

 主な結果は以下のとおり。

・頻繁な家族での食事と、青年での摂食障害、飲酒、薬物使用、暴力的な行動、抑うつ、自殺企図は負の相関関係を示した。
・頻繁な家族での食事と、自尊心の向上や学校での成功は正の相関関係を示した。
・男女別の結果には有意差があり、女性のほうがより顕著な結果を示した。

 Harrison氏らはこれらの結果により、「定期的に家族が食事を一緒に取ることのメリットをすべての医療従事者が指導すべきだ」とまとめた。

(ケアネット 森 幸子)