骨密度と疼痛は関連するのか?

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/10/24

 

 これまで多くの試験が、骨粗鬆症治療後の腰痛改善を報告しているが、骨粗鬆症が疼痛を伴うのかについては十分なエビデンスはない。韓国・盆唐ソウル大病院のKyoung Min Lee氏らは50歳以上の閉経後女性を対象に骨密度(BMD)と筋骨格痛が関連するかどうかを調べた。結果、変形性関節症の程度で補正後、筋骨格痛と骨密度の関連は認められなかったことを報告した。Clinical Rheumatology誌オンライン版2014年10月7日号の掲載報告。

 研究グループは、第5次韓国健康・栄養調査のデータベースから50歳以上の閉経後女性のデータを集め、股関節・膝関節痛、腰痛症および活動レベルについて、人口統計学的、Kellgren-Lawrence分類、Numerical Rating Scale(NRS)により分析。筋骨格痛とBMDが相関するかどうかを調べた。

 分析には、DEXAスキャンおよび股関節・膝関節のX線写真の記録のある被験者のみを包含。また悪性疾患、鎮痛薬服用または骨折既往歴のある人も除外した。
 単変量解析後、重回帰分析法にて、股関節・膝関節痛の程度と有意に関連する因子を調べた。またバイナリロジスティック回帰分析を行い、腰痛症と有意に関連する因子の特定を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・総計387例の女性を分析に組み込んだ。
・重回帰分析の結果、年齢が唯一、股関節痛の強度と有意に関連する因子であった(p=0.005)。
・膝関節痛の強度と有意に関連する因子は唯一、Kellgren-Lawrence分類であった(p<0.001)。
・バイナリロジスティック回帰分析の結果、腰痛症の強度と関連する因子は唯一、年齢であった(p=0.002)。

 以上のように、筋骨格痛は、BMDの影響は認められず、また関連も認められなかった。

(ケアネット)