躁病の早期発見・予防は可能となるか

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/18

 

 米国ジャッカー・ヒルサイド病院のChristoph U Correll氏らは、10代後半の思春期躁病の前駆症状について系統的評価を行った。その結果、思春期に双極I型障害(BD-I)を呈した人では、比較的長期にわたり閾値下の躁病や抑うつ的精神病理学的症状を含む、遅発の躁病前駆症状が一般的にみられることを報告した。著者は、「これらの所見は、双極性障害における早期診断と介入が可能であることを示唆するものである」として、躁病発症直前の臨床症状と関連する生物学的マーカーを特定することが、躁病が完全に発症する前の早期の検出および予防の機会を増すことに結びつく可能性があると報告している。Bipolar Disorders誌オンライン版2014年3月5日号の掲載報告。

 本検討は、BD-Iの研究診断基準を満たした52例の若者(16.2±2.8歳)を対象に、初発躁病に先行する中等度以上躁病の新規発症/症状悪化/徴候を系統的に評価したものであった。若者や介護者に、双極性障害前駆症状尺度を用いてレトロスペクティブに半構造化インタビューを行った。

 主な結果は以下のとおり。

・躁病前駆症状は、大半が思春期(88.5%)に段階的にみられるようになることが報告された。症状は緩徐(59.6%)もしくは急速な(28.8%)悪化を呈するが、一方で、前駆症状が急に発症し悪化することはまれであった(11.5%)。
・3つ以上の症状で定義した躁病前駆症状の持続期間は、10.3±14.4ヵ月(95%信頼区間[CI]:6.3~14.4ヵ月)であった。被験者の65.4%は4ヵ月以上症状が認められた。
・若者の50%以上が前駆症状を報告したが、そのうち3例は実質的に閾値以下の躁病であった(易刺激性:61.5%、観念奔逸:59.6%、気分/活動度の上昇:50.0%)。また2例は非特異的で(学業/仕事機能の低下:65.4%、気分変動/不安定:57.7%)、抑うつが1例(抑うつ気分:53.8%)、閾値下の躁病/鬱病が1例(不注意:51.9%)であった。
・“特異的”な閾値下の躁病症状(気分高揚、誇大妄想、睡眠欲求の減少、観念奔逸、性行動過剰など)を有している若者は、その有する数が増えるほど該当者は減少し、持続期間も短縮することが判明した。
・すなわち同症状が1以上の若者は84.6%で9.5±14.9ヵ月間(95%CI:5.0~14.0ヵ月)、2以上は48.1%で3.5±3.5ヵ月(同:2.0~4.9ヵ月)、3以上は26.9%で3.0±3.2ヵ月(同:1.0~5.0ヵ月)であった。

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(ケアネット)