難治性慢性腰痛患者への高頻度SCS、6ヵ月時点で74%が改善を報告

提供元:ケアネット

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公開日:2012/12/24

 

 難治性の慢性腰痛患者に対して、高頻度の脊髄電気刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)は、70%以上で腰痛および下肢痛の軽減を有意かつ持続的にもたらすことが報告された。とくに感覚異常がなく達成され、患者は身体障害や睡眠に関する有意な改善も認められた。Van Buyten JP氏らによるProspective Multicenter European Clinical Studyの報告で、「全体的として、高頻度SCSシステムの良好な安全性と有効性が確認された」と結論している。Neuromodulation誌オンライン版2012年11月30日の掲載報告。

 前向きオープンラベル多施設共同欧州臨床試験は、SCSシステムの有効性と安全性を定量化することを目的とした。SCSは、慢性で難治性の腰痛、下肢痛の治療として、高頻度(最高10kHz)波形で、感覚異常をもたらさないように行われた。

 評価は、最長6ヵ月間の患者の疼痛評価、身体障害、睡眠障害、満足度、合併症の割合について行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者は83例であった。試験期間終了後、88%(72/82例)がVASスコアについて有意な改善を報告し、高頻度SCSシステムの永続的な埋め込み術を受けた。
・腰痛VASスコアは、平均8.4から、6ヵ月時点で2.7まで低下した(p<0.001)。
・下肢痛VASスコアは、平均5.4から、6ヵ月時点で1.4まで低下した(p<0.001)。
・被験者の74%は、6ヵ月時点で腰痛の50%以上軽減を報告した。
・Oswestry障害スコアと睡眠スコアも有意に改善し、疼痛緩和のための薬物使用も減少した。
・有害事象は、従来SCS療法を受けた患者でみられ、リードの遊走、創傷部感染、埋め込み部位周辺の痛みなどであった。

(ケアネット)