新規製剤セクキヌマブ、中等症~重症尋常性乾癬で75%以上改善を達成

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/22

 

 第II相無作為化二重盲検プラセボ対照用量反応試験の結果、中等度~重度の尋常性乾癬に対するセクキヌマブ(secukinumab)は、皮下注投与75mg/回×3回群と同150mg/回×3回群で、12週間の治療期間終了時点で75%以上改善(PASI 75)を達成し有効性が示されたことが、カナダ・Probity Medical ResearchのPapp KA氏らによって報告された。セクキヌマブは、乾癬の病因で重要な炎症性サイトカインと考えられるIL-17A(自然免疫と獲得免疫を調節するTh1/Th2とは異なるクラスのヘルパーT細胞であるTh17から産生されるサイトカイン)をターゲットとした抗体医薬品(完全ヒト抗IL-17A IgG1κモノクローナル抗体)である。研究グループは、尋常性乾癬に対する従来療法は患者の要望を十分に満たすものではなく、最近の生物学的製剤は概して忍容性は良好だが長期的安全性については懸念が示されているとして、セクキヌマブの有効性と安全性について用量反応試験による評価を行った。

 中等症~重度の尋常性乾癬患者125例を、無作為に5群に割り付けた。プラセボ(22例)、セクキヌマブ皮下注1×25mg群(29例)、同3×25mg群(26例)、同3×75mg群(21例)、同3×150mg群(27例)。各群とも0、4、8週時に投与を受けた。治療期間は12週間であり、被験者はその後24週間フォローアップを受けた。

 主要有効性アウトカムは、PASIスコアでベースラインから75%以上改善(PASI 75)であり、副次アウトカムにはIGA反応率、PASI 90反応率、PASI 50反応率なども含んだ。

 主な結果は以下のとおり。

・12週間の治療期間後、3×150mg群(82%、p<0.001)と3×75mg群(57%、p=0.002)は、プラセボ群(9%)と比較して、有意なPASI 75反応率を示したことが認められた。
・これらの75%以上改善効果は、治療終了後の時間経過とともに減少はしたが、フォローアップ中も維持された[36週時点でそれぞれ25.9%(7例)、19.0%(4例)vs.4.5%(1例)]。
・プラセボ群との比較による12週時点のIGA反応率は、3×150mg群で有意に高かったことが認められた(48%vs. 9%、p=0.005)。
・また、3×150mg群と3×75mg群のIGA反応率は、4週以降は常にプラセボ群より高かった。
・プラセボ群との比較による12週時点のPASI 90反応率は、3×150mg群で有意に高く(52%vs. 5%、p=0.005)、フォローアップ中も高いままであった。
・セクキヌマブの忍容性は良好であった。
・3×150mg群で、好中球減少症(グレード2以下)が2例報告された。

(ケアネット)