SGLT2阻害薬「イプラグリフロジン」の、BG薬併用下での安全性は?

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/20

 

 2型糖尿病患者に対する、SGLT2選択的阻害薬「イプラグリフロジン」のメトホルミン(商品名:メトグルコなど)併用下での安全性データが発表された。Veltkamp SA氏らによるClin Ther誌オンライン版2012年7月13日付での報告。

 この結果、イプラグリフロジンとメトホルミンの14日間併用投与は、低血糖の発現なく、良好な忍容性を示し、イプラグリフロジンの併用は、メトホルミンの薬物動態(PK)特性には、臨床的変化はもたらさないことが明らかになった。

 イプラグリフロジン(ASP1941)は、2012年7月現在、国内において臨床開発段階にある。

 本試験の主要評価項目は、メトホルミン併用下におけるイプラグリフロジンの安全性プロファイルおよび忍容性。副次評価項目は、メトホルミンのPK特性に対するイプラグリフロジンの影響であった。

 対象は、メトホルミン投与中(850mg、1,000mg、または1,500 mgを1日2回服用)の2型糖尿病患者36例。対象者は、イプラグリフロジン投与群(n=18、300mg/日)、またはプラセボ投与群[メトホルミン単独群](n=18)に二重盲検法で無作為化割り付けされ、それぞれ14日間投与された。

 試験期間を通じて、低血糖イベント、試験治療下における有害事象(TEAEs)、実験室測定、バイタルサインを含めた安全性プロファイルが評価された。

 また、最大血中濃度およびAUC(0-10)の幾何平均比と90%CIは、メトホルミン+ イプラグリフロジン群(14日目) vs メトホルミン単独群(1日目)で算出された。

 薬力学的特性は、24時間尿糖排泄(UGE(0-24))測定によって評価された。

 主な結果は以下のとおり。

・すべてのTEAEsは、1例を除き軽度であった。

・TEAEsは、イプラグリフロジン併用群で15回(7例/18例 [38.9%])、プラセボ群で19回(8例/18例 [44.4%])観察された。
・治療関連のTEAEsは、イプラグリフロジン併用群で18例中3例(16.7%)、プラセボ群では18例中5例(27.8%)で報告された。
・低血糖イベント(血糖値<54 mg/L)の発現はなかった。
・イプラグリフロジン併用群(vsメトホルミン単独群)のC(max)とAUC(0-10)の幾何平均比は、それぞれ1.11(90%CI:1.03~1.19)と1.18(90%CI:1.08~1.28)であった。
・イプラグリフロジン投与後14日目のUGE(0-24)は74.9gと、プラセボ群(3.6g)やベースライン時(3.3 g)の値と比べ、有意に高かった。

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(ケアネット 佐藤 寿美)