日本人対象のテリパラチド週1回皮下注射の有用性(TOWER試験)

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/05

 



テリパラチドは骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者に対し使用することで、骨形成と骨量増加を促す薬剤である。

産業医科大学などの研究グループにより、テリパラチド56.5μg、週1回皮下注射によって骨折リスクが低下することが報告された。The Journal of clinical endocrinology and metabolism誌オンライン版2012年6月20日報告。

この国内第III相試験は骨粗鬆症患者における椎体骨折の発生率の減少を目的として、多施設二重盲検プラセボ対照試験として行われた。対象は既存の椎体骨折を有する65歳から95歳までの日本人骨粗鬆症患者578例。被験者は無作為にテリパラチド56.5μg週1回皮下注射群(テリパラチド週1回群)とプラセボ群に割り付けられ、72週間投与された。プライマリエンドポイントは新規椎体骨折の発生率で、X線写真よって評価された

主な結果は以下のとおり。

・テリパラチド週1回群は新規椎体骨折の累積発生率を減少させた(テリパラチド週1回群3.1%、プラセボ群14.5%、P<0.01、相対リスク0.20、95%信頼区間:0.09~0.45)。
・72週時点でテリパラチド週1回群はプラセボ群と比較して、腰椎、股関節、大腿骨頚部の骨密度をそれぞれ6.4%、3.0%、2.3%増加させた(P<0.01)。
・有害事象および有害事象による脱落率はテリパラチド週1回群で高かったが、おおむね軽度であった。

(ケアネット 森 幸子)