腎臓内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:29

米国人の1日Na摂取量は何グラム?/JAMA

 先行研究でナトリウム摂取の90%が尿として排出されると示されたことから、米国医学研究所(現・米国医学アカデミー)は2010年に、24時間蓄尿でナトリウム摂取量を推定するよう推奨を始めた。米国疾病予防管理センターのMary E. Cogswell氏らは、2014年のサンプルを調査し、少なくとも1回の24時間蓄尿検査を受けたことがある70歳未満の成人のデータを分析。その結果、推定平均ナトリウム摂取量は3,608mg/日であることが示されたという。JAMA誌オンライン版2018年3月7日号掲載の報告。

パンジェノタイプのDAA療法の登場と今後に残された課題(解説:中村郁夫氏)-825

本論文は、遺伝子型1型および3型のHCVを有するC型慢性肝炎症例に対する、グレカプレビル・ピブレンタスビル併用療法の治療効果および安全性に関するランダム化・オープンラベル・多施設で行われた第III相試験の結果の報告である。合計1,208症例に対し、8週間および12週間投与が行われ、SVR12(治療終了後12週におけるHCV陰性化)の割合は、遺伝子型1型(ENDURANCE-1試験):8週投与群99.1%、12週投与群99.7%。遺伝子型3型:8週投与群/12週投与群とも95%と高率であった。

脳灌流画像による選択により、発症後6~16時間の脳梗塞にも血栓除去術が有用(中川原譲二氏)-818

血栓除去術は、現在、発症から6時間以内に治療される適格な脳梗塞患者に推奨されている。米国・スタンフォード大学脳卒中センターのGregory W. Albers氏らが行った「DEFUSE3試験」は、発症までは元気で、梗塞に陥っていない虚血脳組織が残存する患者を対象として、発症後6~16時間の血栓除去術の有効性について検討した多施設共同無作為化非盲検試験(アウトカムは盲検評価)である。対象患者は、中大脳動脈近位部または内頸動脈の閉塞を有し、CTやMRI灌流画像で、初期の梗塞容積70mL未満、虚血/梗塞容積比1.8以上を適格とし、血管内治療(血栓除去術)+標準的薬物療法併用(血管内治療群)、または標準的薬物療法単独(薬物療法群)に無作為に割り付けられた。主要アウトカムは、90日後の修正Rankinスケール(mRS)の通常スコア(範囲:0~6、高スコアほど障害の程度が大きい)とされた。

CKDの高齢心房細動患者への抗凝固薬投与は?/BMJ

 慢性腎臓病(CKD)があり心房細動を呈した高齢者への抗凝固薬の投与で、虚血性脳卒中や脳・消化管出血リスクはおよそ2.5倍増大し、一方で全死因死亡リスクは約2割低減することが示された。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのShankar Kumar氏らが、約273万人分の患者データベースを基に、傾向スコア適合住民ベースの後ろ向きコホート試験を行い明らかにした。現状では、透析不要のCKDで心房細動を呈した高齢患者について、信頼性の高い臨床ガイドラインや無作為化比較試験はないという。同研究グループは今回の逆説的な結果を受けて、「こうした患者を対象にした、適切な規模の無作為化試験の実施が急務である」と提言している。BMJ誌2018年2月14日号掲載の報告。

慢性疾患でがん罹患・死亡リスクが大幅増/BMJ

 糖尿病などの慢性疾患への既往や、血圧・コレステロールといった心血管疾患などのマーカーの異常は、がん罹患リスク、がん死亡リスクの増大と関連することが明らかにされた。慢性疾患は、がん罹患の5分の1以上を、がん死亡の3分の1以上を占めることも示された。一方でこうした慢性疾患に関連したがんリスクは、適度な運動により、40%近く低下することも示されたという。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのHuakang Tu氏らが、40万例超を対象に行った前向きコホート試験の結果で、BMJ誌2018年1月31日号で発表された。

重炭酸Naとアセチルシステインに造影剤腎症の予防効果なし(中川原譲二氏)-814

血管造影関連の造影剤腎症を予防する目的で、欧米では、重炭酸Naの静脈投与やアセチルシステインの経口投与が行われているが、「PRESERVE」試験では、血管造影を受ける腎合併症発症リスクが高い患者において、これらの薬剤投与はいずれも、死亡や透析、血管造影に関連した急性腎障害の予防に寄与しないことが示された(NEJM. 2017 Nov 12.)。

小児腎臓病既往で、末期腎不全リスクが約4倍/NEJM

 小児期の腎臓病既往歴は、たとえ青年期においては腎機能が正常であっても、その後の末期腎不全(ESRD)発症リスクを有意に増大することが明らかになった。イスラエル・ヘブライ大学のRonit Calderon-Margalit氏らが、約152万人の同国青少年についてコホート研究を行い明らかにしたもので、NEJM誌2018年2月1日号で発表した。これまで、小児期に慢性腎臓病(CKD)に進展しなかった小児腎臓病の長期的リスクは明らかにされていないという。

ヒドロクロロチアジドの使用、非黒色腫皮膚がんと関連

 ヒドロクロロチアジドは、米国および西欧で最も使用頻度の高い利尿・降圧薬の1つであるが、光感作性があり、これまでに口唇がんとの関連が報告されている。デンマーク・南デンマーク大学のSidsel Arnspang氏らの症例対照研究の結果、ヒドロクロロチアジドの累積使用量は、非黒色腫皮膚がん(NMSC)、とくに扁平上皮がん(SCC)リスクの著しい増加と関連していることが明らかとなった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年11月30日掲載の報告。