内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:241

AZ製ワクチン接種後のVITT、免疫グロブリン療法による治療転帰/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアデノウイルスベクターワクチンの、まれな副作用であるワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)の治療として、高用量免疫グロブリン静注(IVIG)療法と抗凝固薬の併用療法が推奨されている。カナダ・マックマスター大学のAlex Bourguignon氏らは、ChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)の接種後にカナダで確認されたVITTの、最初の3例におけるIVIG療法について報告した。NEJM誌オンライン版2021年6月9日号掲載の報告。

子供への新型コロナワクチン、学会が声明発表/日本小児科学会

 2021年6月16日、日本小児科学会は新型コロナワクチンの子供への接種について、学会としての見解を発表した。「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」と題したこの声明では、子供を感染から守るためには、周囲の成人が免疫を獲得することが重要とし、まずは成人の接種が優先されるべきで、とくに医療的ケア児等や重篤な基礎疾患のある子供に関わる業務従事者、そして健康な子供に関わる業務従事者は、職種・勤務形態を問わずワクチンを接種することが重要とした。  そのうえで子供自身への接種に関しては、以下のように提言している。

新型コロナ変異株、デルタ株の増加傾向顕著

 厚生労働省は6月16日、都道府県別の懸念される変異株(VOCs:Variant of Concern)について、最新の事例数を公表した(6月14日までにHER-SYSで把握した国内事例の累計)。このうち、インドで最初に報告されたB.1.617系統の変異株(デルタ株等1))への感染は新たに30例が確認され、累計は11都府県で117例となった。いわゆる南アフリカ型のベータ株やブラジル型のガンマ株がいずれも1例程度の増減だったのに比べ、デルタ株の新規感染例が大幅に増加しており、拡大が懸念される。

ワクチン2回接種で、デルタ株に90%超の入院回避効果

 ファイザー社とアストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチンが、2回の接種でB.1.617.2系統の変異株「デルタ株(インド型)」による入院回避に非常に高い効果を示すことが明らかになった。英・イングランド公衆衛生庁(PHE)が、14日付のプレスリリースで発表した。  PHEでは、2021年4月12日~6月4日の間に、「デルタ株」感染が確認された1万4,019例を対象に分析を実施。

片頭痛治療に対するメマンチンの有効性~RCTのメタ解析

 片頭痛患者に対するメマンチンの有効性を評価するため、中国・Wenzhou People's HospitalのZhili Xu氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Clinical Neuropharmacology誌2021年5月・6月号の報告。  2020年2月までに公表された、片頭痛治療におけるメマンチンとプラセボの効果を比較したランダム化比較試験を、PubMed、EMbase、Web of Science、EBSCO、コクランライブラリーデータベースより検索した。本メタ解析では、ランダム効果モデルを用いた。

1日1,600人にコロナワクチン接種、その秘訣とは?/高砂市医師会インタビュー

 全国的に集団接種が実施されているが、多くは患者が各ブースを周る形式である。だが、兵庫県高砂市では、接種~経過観察までの被接種者の移動をなくし、接種者が巡回する接種者移動型を採用した。なぜ、同市はこの『接種者移動型』システムを思いつき、ワクチンの供給開始(同市へのワクチン供給は4月中旬)とともに集団接種を始めることが出来たのかー。それには、早期より行政からの相談があり、同市医師会主導のもとでシステム構築したことに秘訣があったようだ。今回、医師会長の増田 章吾氏(増田内科医院)に、実際の動線や関係者の内訳、そしてどのようにアイデアをまとめたのかインタビューした。

皮膚病変からコロナ重症度もわかる?その具体的な症状とは

 新型コロナ患者での皮膚病変が報告されているが、具体的にはどのような症状なのだろうか。福田 知雄氏(埼玉医科大学総合医療センター皮膚科 教授)がメディアセミナーにおいて、「皮膚は健康のバロメーター ~意外と多いコロナの皮膚症状、爪からわかる健康状態~」と題し、皮膚病変が新型コロナ重症度判定にも有用な可能性を示唆した(主催:佐藤製薬)。  福田氏はまず、昨年3月にイタリアの皮膚科医が報告した論文1)を挙げ、「彼らは“新型コロナ(以下、COVID-19)病棟の多くの患者に皮膚症状が出ていた”ことに注目し調査を実施した。その結果、20.4%(18/88例)に皮膚症状(紅斑性発疹、広範囲の蕁麻疹、水痘様水疱など)が認められたことを報告した」と説明。しかし、この段階ではCOVID-19と重症度の相関関係は認められておらず、その後9月に発表されたドイツの研究者の論文2)で、COVID-19のリスク層別化などに役立つ可能性が示唆された。これを踏まえ同氏は、「ある症状はより軽度のCOVID-19の経過を示す臨床的徴候であり、別の症状はより重度の経過を示す赤旗であることが示された。つまり、どんな皮膚症状から何がわかるのか、皮膚症状の理解を深めておくことがCOVID-19の指標確認にもなる」とコメントした。

子供への新型コロナワクチン、接種を進めるべき9つの理由

 2021年6月1日、日本におけるCOVID-19ワクチンの接種対象が、16歳から12歳に引き下げられた。海外での子供を対象とした治験のデータ等を踏まえたものだ。Pediatrics誌2021年6月号には、子供へのワクチン接種を進めるべきとする提言が掲載されている。  この中で、成人へのワクチン接種が進むことでCOVID-19の感染流行は抑えられるものの、ワクチン忌避者や抗体価の低下によって、COVID-19を根絶することは難しいとし、今後も散発的な発生や時折の大流行という形で存続する可能性がある、とした。それを踏まえ、子供の臨床試験でワクチンの有用性が明らかになれば、子供たちへのワクチン接種を義務付けることが重要だとし、その根拠として下記を挙げている。

アルツハイマー病に対する抗Aβ抗体の有効性と有害事象リスク~第III相RCTのメタ解析

 米国国立衛生研究所(NIH)のKonstantinos I. Avgerinos氏らは、アルツハイマー病におけるAβに対するモノクローナル抗体の認知、機能、アミロイドPET、その他のバイオマーカーへの影響およびアミロイド関連画像異常やその他の有害事象のリスクについて、調査を行った。Ageing Research Reviews誌オンライン版2021年4月5日号の報告。  PubMed、Web of Science、ClinicalTrials.govおよび灰色文献より第III相のRCTを検索し、ランダム効果メタ解析を実施した。  主な結果は以下のとおり。

アトピー検査キットをコロナ重症化判定に適応追加/塩野義

 塩野義製薬は6月7日、アトピー性皮膚炎の重症度を診断する検査キット「HISCL TARC 試薬」について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性患者の重症化予測の補助を使用目的とする適応追加の承認を同日付で取得したと発表した。COVID-19の発症初期から重症化リスクを判別することで、リスクに応じた最適な措置につなげ、医療体制の逼迫や医療崩壊を回避する一助となることが期待される。現在、保険適用を申請中。  「HISCL TARC試薬」は、2014年にシスメックスと共同開発したTARCを測定する検査キットで、すでにアトピー性皮膚炎の重症度評価の補助を目的とした体外診断用医薬品として使用されている。国立国際医療研究センターによる臨床研究では、COVID-19重症化患者においては、発症初期から血清中のTARC値が低いことが確認されており、1回の測定で患者の重症化を早期に予測できる分子マーカーとしてTARCの有用性が示されているという。