被雇用者ではなく自営業の女性は、心血管疾患のリスクが低いことを示唆する研究結果が、「BMC Women's Health」に7月23日掲載された。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)女性健康センターのKimberly Narain氏とSedina Dzodzomenyo氏が、4,600人以上の米国の女性有職者を対象に行った研究から、自営業者は運動量が多く、肥満、高血圧、糖尿病の有病率が低いことが分かった。
論文の上席著者であるNarain氏は、「われわれの研究結果は、女性が自営業に就くことで健康になるという因果関係の証明ではない。しかし、自営業という働き方が、女性の心臓に良い影響を与える可能性を示している。自営業者は被雇用者よりも働く日時を自由に設定しやすいが、そのようなポジティブな側面を被雇用者の労働条件にも反映することを検討すべきかもしれない」と述べている。
Narain氏らの研究には、米ミシガン大学が行っている、就労や定年退職と健康に関する研究(Health and Retirement Study;HRS)のデータが用いられた。2016年にHRSに登録された4,624人の女性有職者(16.2%が自営業者)の就労形態と、心血管疾患リスク因子の有病率やメンタルヘルス、および健診受診率などとの関連を解析。その結果、自営業の女性は被雇用の女性に比べて活動的で(週に2回以上運動している割合が80.4%対72.0%)、肥満(31.7%対41.3%)や高血圧(19.1%対27.6%)、糖尿病(11.5%対14.3%)の有病率が低かった。