感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:243

ロタウイルスワクチン、市販後の有効性モニタリングで大切なこと

スペインでは2006年に、2種の経口弱毒生ロタウイルスワクチンが、6ヵ月未満児のために認可された。そのワクチン有効性について最近のデータで、ばらつきがある可能性が示されたという。スペイン・カステロン公衆衛生センターのJuan B Bellido-Blasco JB氏らは、このことはロタウイルスワクチンの有効性に関する市販後モニタリングに重大な局面をもたらすものだとして、症例対照研究を行った。Vaccine誌オンライン版2012年10月25日号の掲載報告。

HAARTを受けているHIV患者、マルチビタミン高用量服用にメリットみられず

 多剤併用抗レトロウイルス療法(HAART)を受けているHIV患者で、マルチビタミンサプリメントを併用する場合の高用量と標準量とを比較した結果、高用量服用により疾患進行および死亡が抑制されることはなく、むしろアラニントランスアミナーゼ(ALT)が増加してしまう可能性が示された。米国・ハーバード公衆衛生大学院のSheila Isanaka氏らが、タンザニアで行った約3,400例を対象とする無作為化二重盲検対照試験の結果、報告した。先行研究ではHAARTを受けていないHIV患者で、微量栄養素がCD4細胞数を増加し、疾患進行と死亡を抑制したことが報告されていたが、HAARTを受けている場合のサプリメント服用の安全性および有効性については検証されていなかった。JAMA誌2012年10月17日号掲載より。

高齢者施設のノロウイルス感染症発生、入居者の全入院・死亡率増大の要因に

 ノロウイルス感染症の発生は、高齢者施設入居者の全入院および死亡の増大と有意に関連していることが報告された。米国CDCのTarak K. Trivedi氏らが、2009~2010年の米国ナーシングホームからの発生報告を後ろ向きに検証し明らかにした。脆弱な高齢者が入居する米国の高齢者施設でもノロウイルス感染症は日常的な感染症となっているという。JAMA誌2012年10月24・30日号掲載より。

新規ワクチン導入は既存ワクチン接種に影響を及ぼさない

国の予防接種プログラムへの新規ワクチン導入に際しては、その効果や保健医療制度への影響について異議を唱える声が聞かれる。とくに既存ワクチン接種への影響について疑念を持つ向きがある。カナダ・マックマスター大学のShearer JC氏らは、新規ワクチン導入の既存ワクチン接種への影響について187ヵ国の状況を調べた。Vaccine誌オンライン版2012年10月22日号の掲載報告。

ロタウイルス遺伝子型の頻出、G3P[8]型が約6割

ロタウイルスは、世界的にみても乳幼児における重度の下痢の最も主要な原因であるが、2009~2011年にタイ国で最も猛威をふるったロタウイルスの遺伝子型はG3P[8]型であり、約6割を占めていたことが明らかになった。タイ・Chulalongkorn UniversityのMaiklang O氏らの報告による(Southeast Asian J Trop Med Public Health誌2012年7月号)。なお、関連報告(2007~2009年動向調査)によると、前2年間のG3P[8]型の出現頻度は0.6%であり、最も頻出していたロタウイルス遺伝子型はG1P[8]型で約5割だったことが報告されている。

抗結核薬耐性の最大リスク因子は「2次抗結核薬の投与歴」

 超多剤耐性結核(XDR-TB)を含む抗結核薬耐性の最大のリスク因子は、「2次抗結核薬の投与歴」であることが、米国疾病対策予防センター(CDC)のTracy Dalton氏らの調査(Global PETTS)で示された。多剤耐性結核(MDR-TB)は、Mycobacterium tuberculosisを原因菌とし、少なくともイソニアジドとリファンピシンに対する耐性を獲得した結核で、XDR-TBはこれら2つの1次抗結核薬に加え、2次抗結核薬であるフルオロキノロン系抗菌薬および注射薬の各1剤以上に耐性となった結核と定義される。XDR-TBの世界的発生は実質的に治療不能な結核の到来を告げるものとされ、MDR-TBに対する2次抗結核薬の使用拡大によりXDR-TBの有病率が増大しつつあるという。Lancet誌2012年10月20日号(オンライン版2012年8月30日号)掲載の報告。

XDR結核患者へのリネゾリド追加投与、約9割が半年以内に喀痰培養陰性化

 超多剤耐性(XDR)の結核患者に対してリネゾリド(商品名:ザイボックス)を追加投与することで、6ヵ月時点までに87%で喀痰培養陰性化が認められたことが報告された。一方で、リネゾリドを投与した人の8割で、臨床的に明らかな有害事象が認められた。韓国・International Tuberculosis Research CenterのMyungsun Lee氏らが、40人弱について行った無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年10月18日号で発表した。

HPVワクチン接種を受けた少女、その後の性交渉に変化はみられるのか?

HPVワクチン接種を受けた少女と受けなかった少女について、その後3年間の性交渉に関連した受診動向について後ろ向きに比較した結果、接種群の複合アウトカムリスク(妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)の増大は、認められなかったことが報告された。米国のHMOカイザーパーマネント南東部ヘルスリサーチセンターのBednarczyk RA氏らによる報告で、これまでHPVワクチン接種後の性交渉の変化について自己申告に基づくサーベイ調査はあったが、臨床的指標を用いた調査はこれが初めてだという。Pediatrics誌オンライン版2012年10月15日号の掲載報告。

5価ロタウイルスワクチンの有効性、1回接種88%、2回接種で94%に

5価ロタウイルスワクチン(RV5、商品名:ロタテック)について、3回接種を完了していなくても、ロタウイルス胃腸炎に対し有効性を示すことが報告された。米国・OptumInsight EpidemiologyのWang FT氏らが、3回接種を完了しなかった乳児を追跡した結果で、著者は「規定接種を完了しなかった場合のベネフィットを考えるうえで意義ある結果が得られた」と述べている。Pediatr Infect Dis J誌オンライン版2012年9月25日号の掲載報告。