感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:241

新規結核ワクチンの有効性示せず:MVA85A 020 Trial Study/Lancet

 開発中の新規結核ワクチンMVA85Aは、BCG接種歴のある幼児において良好な安全性を示したものの、予想に反して結核の予防効果はほとんどないことが、南アフリカ共和国・ケープタウン大学のMichele D Tameris氏の検討で示された。2011年の世界の結核患者数は約870万人で、約140万人が結核が原因で死亡している。南アフリカのような流行地では、BCGが広く普及しているにもかかわらず、幼児、小児の結核発症率がきわめて高く、ワクチンの改良が喫緊の課題とされる。MVA85AはBCGの予防効果を増強するようデザインされ、結核の予防に重要と考えられる抗体特異的Th1細胞およびTh17細胞を誘導することが確認されているという。Lancet誌オンライン版2013年2月4日号掲載の報告。

クロストリジウム・ディフィシル感染症再発に健康なドナー便の注入が有効/NEJM

 クロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)感染症再発後の治療について、ドナー便の十二指腸注入が、バンコマイシン治療よりも有意に効果が高いことが示された。オランダ・アムステルダム大学のEls van Nood氏らが、C.ディフィシル感染症の再発患者について行った無作為化試験の結果で、初回便注入による下痢症状消失の割合は8割以上であったという。C.ディフィシル感染症再発の治療は困難で、抗菌薬治療の失敗率が高い。NEJM誌2013年1月31日号(オンライン版2013年1月16日号)掲載報告より。

毎日のクロルヘキシジン清拭で院内感染が有意に減少/NEJM

 単施設の観察研究から、毎日のクロルヘキシジン清拭により院内血流感染と多剤耐性微生物の発現を防ぐ可能性が示唆されている。今回、米国のMichael W Climo氏らは、多施設共同集団無作為化非盲検クロスオーバー試験を行い、毎日のクロルヘキシジン含浸手拭いでの清拭により多剤耐性微生物の発現および院内血流感染発症のリスクを有意に減少させたことを報告した。NEJM誌2013年2月7日号に掲載。

エンテロウイルス71ワクチン、第2相試験で免疫原性、安全性を確認/Lancet

 エンテロウイルス71(EV71)ワクチンについて、第2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、乳幼児に対する免疫原性と安全性を確認したことを中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らが報告した。EV71は1969年に米国カリフォルニアで初めて報告された腸管ウイルスで、その後14ヵ国以上(日本も含む)から報告が寄せられている。とくに中国では過去に3度重大流行が発生し2009年には255人超が死亡したという。今回検討されたワクチンは、中国Beijing Vigoo Biologicalが開発したアラムアジュバンドワクチン製剤で、第1相試験で臨床的に認容性のある安全性プロファイルと免疫原性が示唆されたことを受けて本試験が行われた。Lancet誌オンライン版2013年1月24日号掲載報告より。

妊娠中のH1N1インフルエンザワクチン接種、発症リスクを7割減/NEJM

 妊娠中の2009インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染症パンデミックの罹患は、胎児死亡リスクを約2倍増大する一方、妊娠中に同ワクチンを投与した人では、インフルエンザを発症した人の割合は約7割少なかったことが報告された。ノルウェーのNorwegian Institute of Public HealthのSiri E. Haberg氏らが、H1N1ウイルスが流行した2009~2010年に妊娠中だった女性12万人弱について行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2013年1月24日号(オンライン版2013年1月16日号)で発表した。2009パンデミックでは、ワクチン接種後に胎児死亡が散発的に報告されたことで、妊婦へのワクチン接種の安全性について懸念が持ち上がっていた。

間欠自己導尿カテーテル、タイプ別に比較した尿路感染症リスクの発生/BMJ

 在宅患者にとって、間欠自己導尿カテーテルのタイプは、親水性、ゲルリザーバー、非コートタイプのいずれでも、症候性のカテーテル関連尿路感染症のリスクはほとんど差がないことを、英国・National Clinical Guideline CentreのSarah L Bermingham氏らがシステマティックレビューによるメタ解析を行い報告した。尿道カテーテルを利用している人の罹病状態や死亡の原因の先頭に立つのがカテーテル関連尿路感染症である。感染リスクは留置カテーテル処置患者で最も高く、膀胱管理には間欠導尿が好ましいオプション処置とされているが、これまで、その材質や方法論について、有効性と費用対効果の系統的比較は行われていなかった。BMJ誌2013年1月13日号(オンライン版2013年1月8日号)の掲載報告。

HIV初感染への48週間抗レトロウイルス療法の効果は?/NEJM

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)初感染(primary HIV infection)に対し、48週間の抗レトロウイルス療法(ART)は、従前より示唆されていたように疾患進行を遅らせることが明らかにされた。英国・Imperial College LondonのSarah Fidler氏らが、約370人の患者について行った無作為化試験「Short Pulse Anti-Retroviral Therapy at Seroconversion」(SPARTAC)の結果、報告した。これまで、HIV初感染に対する短期ART療法について疾患進行を遅延しうる可能性が言われていたが、十分な評価は行われていなかった。NEJM誌2013年1月17日号掲載より。

新型インフルエンザワクチン、てんかん発作のリスクを増大しない/BMJ

 パンデミックA/H1N1インフルエンザ、いわゆる新型インフルエンザのワクチンについて、てんかん発作のリスクを増大するエビデンスはみられなかったことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のLisen Arnheim-Dahlstrom氏らによる検証の結果、報告された。同ワクチンについては先行研究で、ギラン・バレー症候群など神経学的イベントのリスク増大およびナルコレプシーのリスク増大の可能性が報告されていた。また、百日咳ワクチンの接種後のてんかん発作が報告されており、研究グループは、新型インフルエンザワクチンのてんかん発作リスクの増大について調査した。BMJ誌2013年1月5日号(オンライン版2012年12月18日号)掲載より。

インターフェロン治療SVR達成の慢性C型肝炎患者は全死因死亡が有意に低下/JAMA

 慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染症・進行性肝線維症患者の全死因死亡率について、インターフェロン治療により持続的ウイルス学的著効(SVR)がみられる人では有意な低下がみられたことが、オランダ・エラスムス大学のAdriaan J. van der Meer氏らによる評価の結果、明らかにされた。JAMA誌2012年12月26日号掲載より。

イヌの嗅覚を活かしたC difficile感染症の病棟スクリーニングの可能性/BMJ

 オランダ・VU University Medical CentreのMarije K Bomers氏らは、イヌの優れた嗅覚を、便検体および入院患者のクロストリジウム・ディフィシル(C difficile)感染症の検出に活用できることを実証するための試験(principle study)を行った。その結果、感度・特異度ともに高く(便検体では100%)、検出が可能であることが示されたという。BMJ誌2012年12月22日号(オンライン版2012年12月13日号)掲載「クリスマス特集」より。