血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

日本の骨髄線維症患者における貧血および輸血依存の関係

日本の骨髄線維症(MF)患者において、貧血および輸血が罹患率、死亡率、医療費の増加と関連していることが後方視的コホート研究で示された。同研究結果はPLOS One誌(2026年5月8日付オンライン版)で発表された。 同研究は、日本の大規模診療データベース(Medical Data Vision)を使用し、MF患者全体およびJAK阻害薬治療を受けたサブグループにおける、治療パターン、輸血負担などを調査することを目的に実施された。対象は2015年4月1日~2022年6月30日に特定されたMF患者で、全体コホートは836例、そのうちJAK阻害薬投与サブグループは281例であった。

既治療CLL/SLL、ピルトブルチニブ+VRでPFS改善(BRUIN CLL-322)/Lancet

 前治療歴のある慢性リンパ性白血病(CLL)患者において、非共有結合型BTK阻害薬ピルトブルチニブは、ベネトクラクス+リツキシマブ療法(VR)との併用により、VRと比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、この効果は共有結合型BTK阻害薬の前治療歴のある患者においても一貫しており、新たな安全性シグナルは認められないことが示された。米国・ダナファーバーがん研究所のMatthew S. Davids氏らが、22ヵ国152施設で実施された無作為化非盲検実薬対照第III相試験「BRUIN CLL-322試験」の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2026年7月9日号掲載の報告。

未治療若年マントル細胞リンパ腫へのイブルチニブ療法、リツキシマブ維持療法でPFS延長(TRIANGLE)/JCO

 未治療の若年マントル細胞リンパ腫(MCL)患者において、BTK阻害薬イブルチニブを含む治療にリツキシマブ維持療法(RM)を追加することにより無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが、TRIANGLE試験の2次解析で示された。イタリア・Universita del Piemonte OrientaleのMarco Ladetto氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月14日号に報告した。

移植不適応の再発・難治性DLBCL、R-GemOxにポラツズマブ ベドチン追加でOS改善(POLARGO)/JCO

 移植不適応の再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する、ポラツズマブ ベドチン+リツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン(Pola-R-GemOx)療法の有効性と安全性を評価した第III相POLARGO試験の結果、Pola-R-GemOxがR-GemOxと比較して全生存期間(OS)を有意に改善したことを米国・Rutgers Cancer InstituteのMatthew Matasar氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月6日号に掲載。  本試験は16ヵ国64施設で実施された無作為化非盲検の国際共同第III相試験である。Pola-R-GemOxの安全性導入期間(15例)の後、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発・難治性DLBCL患者を、Pola-R-GemOx群もしくはR-GemOx群に無作為に1:1に割り付け、21日ごとに最大8サイクル投与した。主要評価項目はOSであった。

BCMA標的治療後の再発・難治性多発性骨髄腫、CAR-T vs.遺伝子改変抗体

 B細胞成熟抗原(BCMA)標的治療後の再発・難治性多発性骨髄腫に対するサルベージ治療として、CAR-T細胞療法と遺伝子改変抗体療法の有効性および安全性を比較したメタ解析の結果を、中国・Huazhong University of Science and TechnologyのYun Kang氏らが報告した。解析の結果、CAR-T細胞療法は抗体ベースのアプローチと比較して有意に高い全奏効率(ORR)を示し、とくにGPRC5D標的CAR-Tが有望であることが示唆された。Blood Cancer Journal誌オンライン版2026年7月14日号に掲載。

患者説明に使う資料や情報源は?~がん専門医500人に聞く

 情報過多の現代、医療情報も多種多様なレベルのものが世の中にあふれている。数十年前と比べ医師と患者の立場がフラットになりつつある昨今、患者自身の学習意欲もあいまって、診療時間中のコミュニケーションに費やす時間は増加傾向にある。診療の効率化が求められる中でも、医師にとっては患者に対し、患者自身の疾患に関する正しい知識を端的に提供したいというニーズは根強いのではないだろうか。  患者の視点に立った情報発信については、若尾 文彦氏(国立がん研究センター がん対策情報センター副センター長)率いる研究班や「がん情報の均てん化を目指す会」をはじめとする多くの団体が検証を重ねている。

高齢でフレイルの再発・難治性多発性骨髄腫患者、ダラツムマブ+イキサゾミブが許容可能

 高齢の再発・難治性多発性骨髄腫患者では、身体機能のばらつきや高い有害事象発現率および治療中止率により予後が悪化する。フランス・Poitiers University HospitalのArthur Bobin氏らは、高齢でフレイルの再発・難治性多発性骨髄腫患者に対してデキサメタゾンを含まないダラツムマブとイキサゾミブの併用療法(I-Dara)を評価したIntergroupe Francophone du Myelome(IFM)2018-02試験において、I-Daraが許容可能な安全性プロファイルを示したことを報告した。また、対象集団を考慮すると奏効率および生存率は許容範囲内であったという。British Journal of Haematology誌2026年7月号に掲載。

exa-cel細胞療法、小児の輸血依存性βサラセミア・鎌状赤血球症に有効/NEJM

 エクサガムグロゲン オートテムセル(exagamglogene autotemcel:exa-cel)は、体外でのCRISPR-Cas9法を用いた遺伝子編集により、BCL11A遺伝子の赤血球特異的エンハンサー領域で、胎児型ヘモグロビン合成を再活性化するように改変した自家CD34+造血幹細胞と前駆細胞を用いた細胞療法である。米国・Children’s Hospital at TriStar CentennialのHaydar Frangoul氏らは「CLIMB THAL-141試験」および「CLIMB SCD-151試験」において、exa-celの静脈内投与により、輸血依存性βサラセミアのすべての小児で輸血からの離脱が、鎌状赤血球症のすべての小児で重度の血管閉塞性発作の解消が達成され、その一方で全例にGrade3または4の有害事象が発現することを示した。研究の成果はNEJM誌オンライン版2026年6月11日号で報告された。

再発・難治性B細胞NHL、CAR-T細胞療法の10年追跡結果/NEJM

 再発または難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)患者において、チサゲンレクルユーセルの単回投与により、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者では約3分の1、濾胞性リンパ腫(FL)患者では約半数が、10年に及ぶ寛解(リンパ腫無再発生存)を得たという。米国・ペンシルベニア大学のMarco Ruella氏らが、同大学で実施した第II相試験の10年追跡調査の結果を報告した。抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、再発・難治性B細胞NHLに対する標準治療であるが、長期アウトカムや治癒の可能性は依然として不明であった。NEJM誌2026年6月25日号掲載の報告。

再発・難治性B-NHLへのglofitamab、日本人第I相試験の結果

 glofitamabは、T細胞誘導型CD20/CD3二重特異性抗体であり、欧米において再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に承認されている。今回、日本人の再発・難治性B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)患者における安全性・薬物動態・有効性を評価した第I相試験で、glofitamabが管理可能な安全性プロファイルを示し、有望な奏効率が認められたことを、がん研究会有明病院の城内 優子氏らが報告した。International Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月2日号に掲載。