産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

初の人乳由来母乳強化剤が承認、超早産児の栄養管理に新たな選択肢/クリニジェン

 2026年3月18日、「極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児及び乳児の栄養管理」を効能又は効果とする、プリミーフォート経腸用液が薬価収載され、2026年4月下旬の発売が予定されている。プリミーフォート経腸用液は、極低出生体重児等の栄養管理を目的とした人乳由来母乳強化剤の医薬品として、本邦で承認された初めての製品となる。クリニジェンは同日「超早産児の新しい栄養管理とNICUの未来~本邦初の完全人乳栄養による経腸栄養の可能性~」と題したメディアセミナーを開催。水野 克己氏(昭和医科大学小児科学講座)が登壇し、超早産児の栄養管理の考え方と同製品の役割について解説した。

「心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン」をフォーカスアップデート/日本循環器学会

 『2026年JCS/JSOGガイドラインフォーカスアップデート版 心血管疾患患者の妊娠・出産の適応と診療』1)が第90回日本循環器学会学術集会(2026年3月20~22日)会期中の3月20日に発刊された。本ガイドラインの研究班長を務めた神谷 千津子氏(国立循環器病研究センター循環器病周産期センター)と桂木 真司氏(宮崎大学産科・婦人科 主任教授)が本学術集会プログラム「ガイドラインを学ぶ2」において、妊娠を避けることを強く望まれる心疾患、妊産婦に注意が必要な循環器用薬を中心に解説した。

妊娠後期の抗てんかん薬曝露、児の神経発達障害との関連は?/BMJ

 米国・ブリガム&ウィメンズ病院のLoreen Straub氏らは、米国の2つの医療利用データベースを用いて、妊娠後半期の抗てんかん薬への曝露が出生児の神経発達障害(NDD)のリスクに及ぼす影響を解析し、妊娠中のバルプロ酸曝露による児のNDDリスク増加についてさらに強固なエビデンスが得られたことを報告した。「ゾニサミドも複数のアウトカムとの関連性が示唆されたが、さらなる評価が必要である。他の抗てんかん薬についても、複数の比較やまれなアウトカムにおいて潜在的なシグナルが観察されているが、データの蓄積と確認が必要である」と述べている。BMJ誌2026年3月11日号掲載の報告。

子宮頸がん検診、受診率は制度で変わる? 東京都51自治体解析

 日本では子宮頸がんの罹患が増加する一方、検診受診率の低さが課題となっている。今回、東京都内の51自治体を対象とした研究で、検診受診率には大きな地域差があり、医療機関数や予約制度、HPV検査導入などの制度的要因が関連していることが示された。研究は、東京科学大学公衆衛生看護学分野の原田伊織氏、月野木ルミ氏らによるもので、詳細は1月21日付で「The Asian Pacific Journal of Cancer Prevention」に掲載された。  日本では1990年代半ば以降、子宮頸がんの罹患率・死亡率が上昇しているにもかかわらず、検診受診率は欧米に比べ低い状況が続いている。

うつ病診療ガイドラインの効果的な使い方

 日本うつ病学会は、2025年12月25日に『うつ病診療ガイドライン2025』を公開した。そこで、本ガイドラインの改訂のポイントについて、作成ワーキンググループの代表・責任者を務める加藤 正樹氏(関西医科大学医学部精神神経科学講座)、統括を務める渡邊 衡一郎氏(杏林大学医学部精神神経科学教室)、馬場 元氏(順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック)の3名に話を聞いた。「改訂の背景と概要、重症度別の治療」について取り上げた前編に続き、後編では「治療過程のフェーズ別の治療、サブタイプ・ライフステージ別の治療」について、紹介する。

毎日のアスピリン服用で妊娠高血圧腎症の発症リスクが低下

 妊娠中の危険な高血圧症の発症率を、ある簡単な対応を取ることで減らせる可能性があるようだ。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのElaine Duryea氏らの研究で、初回妊婦健診時に全ての妊婦にアスピリンを処方することが、重症所見を伴う妊娠高血圧腎症(以下、重症妊娠高血圧腎症)のリスク低下と関連することが明らかになった。この研究は、母体胎児医学会議(SMFM 2026、2月8〜13日、米ラスベガス)で発表された。Duryea氏は、「高リスク妊婦に対して直接アスピリンを提供する手法は、重症妊娠高血圧腎症の発症を遅らせ、場合によっては発症を完全に防ぐこともできるようだ」と述べている。

日本における妊娠および授乳中のブレクスピプラゾール投与、その安全性を評価

 ブレクスピプラゾール(BPZ)は、本邦において2018年に承認された抗精神病薬であり、現在では統合失調症やうつ病、アルツハイマー病に伴うアジテーションに対する適応を取得し、広く臨床応用されている薬剤である。しかし、BPZを使用している母親から生まれた乳児に対する授乳中の影響は、これまでよくわかっていなかった。東北大学の福田 朱理氏らは、授乳中の母親によるBPZ使用の安全性を評価した。Breastfeeding Medicine誌オンライン版2026年2月6日号の報告。

4価HPVワクチン、浸潤性子宮頸がんリスクを長期抑制/BMJ

 4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種により浸潤性子宮頸がんリスクは有意に低下し、その予防効果は長期追跡期間を通じて持続しており減衰の兆候は認められなかった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のShiqiang Wu氏らが、同国の全国的な登録データを用いて最長18年間追跡したコホート研究の結果を報告した。本研究では、出生コホート別の評価において、最も若い学校ベースコホート(1999~2001年生まれ)が最も年長の機会的コホート(1985~88年生まれ)と比べて発生率が低かったことも示された。2006年に4価HPVワクチンが導入されているが、HPVワクチン接種後の浸潤性子宮頸がんの長期リスクに関するデータは依然として限られており、HPVワクチン効果の持続性を評価するための長期追跡研究が求められていた。BMJ誌2026年2月25日号掲載の報告。

PCOS、体外受精前のビタミンD補充で出生率は向上せず/BMJ

 体外受精を予定している多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者において、ビタミンD補充(4,000 IU/日)の最長90日間の継続は、プラセボと比較して血清中25-ヒドロキシ(OH)ビタミンD濃度(25-OHD)を上昇させるものの、初回胚移植後の出生率は改善しなかった。中国・浙江大学のKai-Lun Hu氏らVitD-PCOS trial groupが、同国の不妊治療センター24施設において実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。観察研究では、PCOSの女性におけるビタミンD欠乏と生殖アウトカム不良との関連が一貫して示されており、先行研究でビタミンD補充が体外受精に有益な効果をもたらす可能性があることが小規模な検出力不足の臨床試験において示唆されていた。今回の結果は、体外受精を受けるPCOSの女性における補助療法としてのビタミンD補充の日常的な使用に疑問を投げ掛けるものである。BMJ誌2026年2月17日号掲載の報告。

更年期のホルモン補充療法、死亡は増加せず/BMJ

 45歳以降に初めて更年期ホルモン補充療法を受けた女性は、受けなかった女性と比較して死亡リスクは増加しないことが、デンマーク・Copenhagen University Hospital HerlevのAnders Pretzmann Mikkelsen氏らの調査で示された。これまでの研究では、更年期ホルモン補充療法後の死亡率は減少または変化なしと報告されていたが、方法論的な限界が指摘されていた。BMJ誌2026年2月18日号掲載の報告。