産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

卵巣機能抑制、閉経前早期乳がんの再発と生存に及ぼす影響は?/Lancet

 閉経前のエストロゲン受容体(ER)陽性早期乳がんの治療において、卵巣機能抑制(OFS)は、化学療法やタモキシフェンが投与された場合でも、15年再発リスクおよび死亡リスクを有意に低下させることが明らかとなった。英国・Bradford Royal InfirmaryのMuneera B. Masood氏らEarly Breast Cancer Trialists’ Collaborative Group(EBCTCG)が、無作為化比較試験に参加した個々の患者データを用いたメタ解析の結果を報告した。閉経前のER陽性早期乳がん女性において、卵巣摘出または薬剤によるOFSの追加的な保護効果は、化学療法後の閉経状態やタモキシフェンの使用状況によって異なる可能性があった。Lancet誌2026年5月2日号掲載の報告。

不妊治療、保険適用でアクセス改善も公平性に課題

 不妊治療の保険適用で受療機会は広がったのか。日本の大規模レセプトデータ解析によりアクセス改善が示された一方、男性の診断・治療は依然少なく、生殖医療の公平性に課題が残ることが明らかになった。研究は、産業医科大学医学部公衆衛生学教室の大河原眞氏らによるもので、詳細は3月6日付の「Reproductive Medicine and Biology」に掲載された。  日本では少子化と高齢化が進み、出生数や合計特殊出生率は過去最低水準にある。不妊治療は進歩し、体外受精などの生殖補助医療(ART)による出生も増加してきたが、従来は高額な費用が障壁となり、社会経済的背景によるアクセス格差が指摘されていた。

プラチナ抵抗性卵巣がん、relacorilant+nab-PTXでOS改善(ROSELLA最終解析)/Lancet

 イタリア・Humanitas UniversityのDomenica Lorusso氏らは「ROSELLA試験」の最終的な解析結果において、プラチナ製剤抵抗性卵巣がん患者に対するrelacorilant+nab-パクリタキセルの併用はnab-パクリタキセル単独と比較して、全生存期間(OS)の有意な改善をもたらすことを報告した。コルチゾールはグルココルチコイド受容体を介して作用し、がん細胞に生存シグナルを供給することで抗アポトーシスタンパク質の発現を増加させる。relacorilantは、コルチゾールの生存シグナルを阻害し、いくつかのクラスの細胞毒性化学療法に対する腫瘍の感受性を高めるfirst-in-classの選択的グルココルチコイド受容体拮抗薬。研究の成果は、Lancet誌2026年4月18日号に掲載された。

プラスチック添加物が年間約197万件の早産に関連

 プラスチックに柔軟性を与える一般的な化学物質であるフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)が、年間約200万件の早産に関与している可能性が新たな研究で示された。DEHPは、これまで長年にわたって人体に対する有害性が指摘されてきたフタル酸エステル類に分類される化学物質の一種で、化粧品から洗剤、防虫剤に至るまで、さまざまな製品に広く使用されている。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部のSara Hyman氏らによるこの研究結果は、「eClinicalMedicine」に3月30日掲載された。  DEHPは環境中に広く存在するため、空気中から吸い込んだり、水や食物を介して摂取したりする可能性がある。

尿路感染症疑いの適切な外来トリアージとは?推奨を発表

 尿路感染症(UTI)疑いの成人患者に対する外来トリアージについて、経験的抗菌薬投与、尿検査および診察方法の妥当性を検討し、推奨事項をまとめたコンセンサス声明が、「JAMA Network Open」に2月2日掲載された。  米退役軍人省(VA)アナーバー医療システムのJennifer Meddings氏らは、UTIが疑われる成人患者に対するトリアージおよび管理方針の妥当性を評価するため、研究論文のスコーピングレビューを実施した。136の臨床シナリオごとに最大9つの管理戦略の妥当性が評価された。

尿路感染症治療の新しい迅速抗菌薬検査が登場

 新しい迅速尿検査により、尿路感染症(UTI)の治療がより的確で効果的になる可能性が新たな研究で示された。現状の検査では、個々のUTIに効果的な抗菌薬を特定するまでに2~3日かかるが、新しい検査では約6時間で結果が得られるため、検査当日に適切な抗菌薬を処方できる可能性がある。英レディング大学発のスピンアウト企業であるAstratus Limited社のCEOで、同大学薬学部のOliver Hancox氏らによるこの研究は、「JAC-Antimicrobial Resistance」4月号に掲載された。  Hancox氏は、「現行の検査方法では、結果が届く頃には患者がすでに抗菌薬の服用を終えていたり、効果のない薬を処方されていたりすることがあった。

プラチナ抵抗性再発卵巣がん、ペムブロリズマブ+週1回パクリタキセルでOS延長/Lancet

 1~2ラインの治療歴を有するプラチナ製剤抵抗性再発卵巣がん患者において、ペムブロリズマブ+週1回パクリタキセル併用療法(ベバシズマブ併用または非併用)が週1回パクリタキセル単独(ベバシズマブ併用または非併用)と比較して、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善することが、国際共同無作為化二重盲検第III相試験「ENGOT-ov65/KEYNOTE-B96試験」において認められた。イタリア・IRCCSのNicoletta Colombo氏らが、2回の中間解析結果および最終解析結果を報告した。上皮性卵巣がんは再発しやすく、プラチナ製剤併用化学療法に抵抗性となることが多い。

不妊治療経験者のがん罹患率は一般女性とほぼ同程度

 不妊治療を受けても女性のがんリスクは高まらないとする新たな研究結果が報告された。研究によると、medically assisted reproduction(MAR、医療的に補助された生殖)を受けた女性での浸潤がんの罹患率は、一般女性と比べて高くないことが明らかになった。ただし、がんの種類によっては若干の違いが見られ、罹患率がやや高いものと低いものがあったという。ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)のビッグデータ健康研究センターのAdrian Walker氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に3月10日掲載された。

日本の乳がん・子宮頸がん・卵巣がんの5年純生存率の推移:2000~14年(CONCORD-3)

 日本の乳がん、子宮頸がん、卵巣がんの女性の5年純生存率は2000~14年に改善し、この期間を通じて世界的に高い水準を維持したことが世界的ながん生存率調査プログラムであるCONCORD-3の日本人データを用いた分析により示された。神奈川県立がんセンターの渡邉 要氏らがJapanese Journal of Clinical Oncology誌2026年3月号で報告した。  本研究は、国内16の地域がん登録データから、2000~14年に乳房、子宮頸部、卵巣に原発する腫瘍と診断された15~99歳の女性のデータを分析した。追跡期間は診断後5年間、もしくは2014年12月31日までとした。上皮内がんや死亡診断書のみの登録は除外した。5年純生存率は、診断の暦年、形態、および病期別にPohar-Perme法を用いて推定し、International Cancer Survival Standard(ICSS)の重み付けを用いて年齢を調整した。

初の人乳由来母乳強化剤が承認、超早産児の栄養管理に新たな選択肢/クリニジェン

 2026年3月18日、「極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児及び乳児の栄養管理」を効能又は効果とする、プリミーフォート経腸用液が薬価収載され、2026年4月下旬の発売が予定されている。プリミーフォート経腸用液は、極低出生体重児等の栄養管理を目的とした人乳由来母乳強化剤の医薬品として、本邦で承認された初めての製品となる。クリニジェンは同日「超早産児の新しい栄養管理とNICUの未来~本邦初の完全人乳栄養による経腸栄養の可能性~」と題したメディアセミナーを開催。水野 克己氏(昭和医科大学小児科学講座)が登壇し、超早産児の栄養管理の考え方と同製品の役割について解説した。