「真の逆流によるPPI抵抗性胸焼け」には薬物より手術が有効(解説:上村直実氏)-1138
最近の日本では、ピロリ菌感染率の著明な低下や食事の欧米化による酸分泌の増加や高齢化に伴う下部食道括約筋圧の低下などによる胃食道逆流症(GERD)が増加して、国民の罹患率が10%以上に達している。GERDの主たる症状は胸焼けであり、治療の主役はプロトンポンプ阻害薬(PPI)など薬物による酸分泌抑制である。PPI抵抗性胸焼けとは、強力な胃酸分泌抑制薬であるPPIを投与しても改善しない胸焼け症状の総称である。PPI抵抗性の原因としては、不十分な胃酸分泌抑制、酸以外の逆流、逆流と症状の関連を認めない機能性胸焼け、食道運動障害、好酸球性食道炎、食道過敏、心理的要因、心疾患など食道以外の臓器に原因がある場合など非常に多彩である。