糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:127

薬物有害事象による救急受診、原因薬剤は?/JAMA

 米国において2013~14年の薬物有害事象による救急外来受診率は、年間1,000例当たり4件で、原因薬剤として多かったのは抗凝固薬、抗菌薬、糖尿病治療薬、オピオイド鎮痛薬であった。米国疾病予防管理センターのNadine Shehab氏らの分析の結果、明らかになった。米国では、2010年の「患者保護および医療費負担適正化法(Patient Protection and Affordable Care Act :PPACA)」、いわゆるオバマケアの導入により、国家的な患者安全への取り組みとして薬物有害事象への注意喚起が行われている。結果を受けて著者は、「今回の詳細な最新データは今後の取り組みに役立つ」とまとめている。JAMA誌2016年11月22・29日号掲載の報告。

毎食後の歯磨きで糖尿病と脂質異常症リスクが減少

 歯磨き頻度と生活習慣病の関連について調査したところ、毎食後の歯磨きが男性での糖尿病と女性での脂質異常症の発症を有意に抑制することがわかった。聖路加国際病院における5年間の後ろ向きコホート研究の結果を、虎の門病院の桑原 政成氏らが報告した。歯磨きは心血管疾患発症の危険因子を減少させるために有益と考えられる。Journal of cardiology誌オンライン版2016年11月15日号に掲載。

ステント留置後のDAPT期間、糖尿病の有無で検討/BMJ

 薬剤溶出ステント留置後の2剤併用抗血小板療法(DAPT)の投与期間は、短期か長期か。スイス・ベルン大学のGiuseppe Gargiulo氏らが、メタ解析により糖尿病患者と非糖尿病患者を層別化して検討した。その結果、糖尿病はステント留置後の重大有害心血管イベント(MACE)の独立予測因子であることが明らかになったが、MACE発生のリスクは、糖尿病患者また非糖尿病患者についてもDAPT投与期間の短期(6ヵ月以下)と長期(12ヵ月)で有意な差はなく、一方で長期DAPTは出血リスクを増大することが示された。BMJ誌2016年11月3日号掲載の報告より。

侮ってはいけない糖尿病網膜症とそのリスク

 糖尿病を発症した患者は、血糖コントロールや食事制限には意識的に取り組むが、網膜症のリスクがあることにはどれだけ自覚的だろうか。今月2日、都内で「糖尿病網膜症をとりまく日本の患者・医療の実態」と題したプレスセミナーが開かれた(主催:バイエル薬品株式会社)。14日は世界糖尿病デーであり、制定から10周年となる今年のテーマは“Eyes on Diabetes(糖尿病を見る眼)”。網膜症をはじめとする眼合併症のスクリーニング検査の重要性について、世界的に啓発が行われている中、セミナーに登壇した川崎 良氏(山形大学大学院医学系研究科 公衆衛生学講座准教授)は、「糖尿病治療に当たる医師と眼科医の速やかかつ継続的な連携が、糖尿病網膜症の早期発見と治療には重要だ」と強調した。

GLP-1アナログ製剤で乳がんリスクは増大するか/BMJ

 英国のプライマリケアデータベースを用いたコホート研究の結果、GLP-1アナログ製剤の使用と乳がんリスク上昇との関連性は確認されなかった。カナダ・Jewish General HospitalのBlanaid M Hicks氏らが、2型糖尿病患者の乳がん発症リスクとDPP-4阻害薬あるいはGLP-1アナログ製剤の使用との関連を解析し、報告したもの。GLP-1アナログ製剤のリラグルチドでは、無作為化試験においてプラセボと比較し乳がん発症が多くみられたことが報告されていたが、この安全性について分析する観察研究は、これまでなかった。著者は、「検討では、使用期間2~3年ではリスク上昇が観察されたが、GLP-1アナログ製剤使用患者の乳がん検出率が一時的に増加したためと考えられる。ただし、発がんプロモーターの影響を排除することはできない」と述べている。BMJ誌2016年10月20日号掲載の報告。

網膜中心動脈閉塞の発症に大気汚染が関連

 網膜中心動脈閉塞(CRAO)の発症に、環境大気汚染が関連していることが示唆された。台湾・国立陽明大学のHui-Chen Cheng氏らが行った地域住民ベースの後ろ向きコホート研究の結果、とくに糖尿病、高血圧患者および65歳以上の高齢者では、大気汚染とCRAO発症リスク増加との間に有意な関連が認められたという。Ophthalmology誌オンライン版2016年10月13日号掲載の報告。

LDL-C低下に関与する遺伝子変異は2型糖尿病のリスク増加と関連(解説:小川 大輔 氏)-606

脂質異常症の治療としてスタチン薬が動脈硬化性疾患の予防のために用いられることが多いが、これまでにスタチン薬の使用は体重増加や2型糖尿病の新規発症と関連することが報告されている。一方、LDLコレステロールトランスポーターNiemann-Pick C1-Like 1(NPC1L1)の阻害薬であるエゼチミブの糖代謝に対する影響については不明である。今回、LDLコレステロールの低下に関与するNPC1L1遺伝子の変異と2型糖尿病の発症リスク増加との関連が報告された。