循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:209

高力価スタチンで糖尿病発症リスク2.6倍

 脂質降下薬が糖尿病発症に関連するかどうか調べるために、日本大学薬学部の大場 延浩氏らが、脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした後ろ向きコホート研究を実施した。その結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。BMJ open誌2017年6月30日号に掲載。

屈曲病変の通過性を向上させた新型DES発売/日本メドトロニック

 日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:トニー セメド)は2017年7月3日、薬剤溶出性ステントResolute Onyx(リゾリュートオニキス)コロナリーステントシステム(医療機器承認番号:22900BZX00186000)が7月1日付で本邦の保険適用となった旨を発表。製品販売開始は、7月10日を予定。Resolute Onyxは既存製品のResolute Integrityと比較して優れた通過性向上が期待できるという。

カナグリフロジンによる心血管・腎イベントの抑制と下肢切断、骨折の増加(解説:吉岡 成人 氏)-694

SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが、心血管イベントの既往がある2型糖尿病患者において心血管死、総死亡、さらに腎イベント(顕性腎症の発症、血清クレアチニン値の倍増、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)を抑制するとEMPA-REG OUTCOME試験およびそのサブ解析で示されて以降、カナダ糖尿病学会、米国糖尿病学会の提唱するガイドラインでは、心血管リスクの高い患者におけるSGLT2阻害薬の使用を推奨している。

高血圧家族歴を心血管病予防にどう生かすか?(解説:有馬 久富 氏)-695

高血圧は遺伝することがよく知られている。しかし、過去に行われた研究では、問診による家族歴(両親の高血圧の有無)を用いて高血圧の遺伝性が検討されてきた。問診による家族歴は、記憶に基づいているために不正確であることが少なくない。とくに、健診や降圧療法が今ほど普及していなかった時代には、高血圧の診断自体が不正確であったと推測される。したがって、高血圧の遺伝性に関する信頼性の高いエビデンスは非常に限られていた。

ステント血栓症リスク、BVS vs.EES

 最近の研究から、生体吸収性スキャフォールド(BVS)による経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、エベロリムス溶出性金属製ステント(EES)と比べ、血栓症の合併症が多いことが示唆されている。米国マウントサイナイ・アイカーン医科大学のSorrentino氏らは、FDAが承認したBVSと金属製EESの効果を、長期フォローアップで比較した。Journal of the American College of Cardiology誌2017年4月12日号に掲載。

インスリン デグルデク vs.グラルギン、心血管転帰は?/NEJM

 2つの基礎インスリン製剤デグルデク(商品名:トレシーバ)とグラルギン(同:ランタスほか)について、心血管イベントリスクが高い2型糖尿病患者を対象に有効性および安全性を比較検討した結果、デグルデクはグラルギンに対して、主要な心血管イベントの発生に関して非劣性であることが示された。米国・リサーチメディカルセンターのSteven P. Marso氏らが行った「DEVOTE」試験の結果で、NEJM誌オンライン版2017年6月12日号で発表された。デグルデクは1日1回投与の持効型インスリンで、小児~成人への使用が承認されている。先行研究では非盲検試験において、デグルデクはグラルギンよりも血糖降下の日内・日差変動が小さく低血糖の発生頻度も低いことが示されていたが、心血管安全性についてはデータが示されていなかった。

出血か、血栓か:それが問題だ!(解説:後藤 信哉 氏)-690

アスピリンは抗血小板薬として、心血管イベント後の2次予防に広く用いられている。安全性の高いアスピリンといえども、抗血小板薬なので重篤な出血イベントを惹起する。2次予防の症例であればアスピリンが惹起する出血よりも、アスピリンにより予防される血栓イベントの数が多いとの過去のランダム化比較試験が、2次予防の症例にアスピリンを使用する根拠であった。ランダム化比較試験に参加する症例は若い。世界は高齢化している。ランダム化比較試験ではメリットのほうが多いとされた2次予防の症例であってもアスピリンを長期服用すれば、ランダム化比較試験ではイベントの確認されていない「高齢者」になる。

DASHダイエットは、痛風・高尿酸血症にも有効な「長生きダイエット」!(解説:石上 友章 氏)-688

高血圧は、生活習慣病の代表的な疾患であり、重要な心血管リスクである。本邦では4,000万人が罹患している、国民病といっていい疾患である。生活習慣病というくらいなので、実のところ適切な生活習慣を守れば、血圧を上げることもなく、医師や降圧薬の厄介になる必要もなくなる可能性がある。医療費が増え続けるといっても、その源が、日々の乱れた食生活にあるのであれば、国をあげて節制すれば、医療費も節約できるはずだ。

2次予防の抗血小板療法、重大出血リスクは高齢ほど上昇/Lancet

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)非併用でアスピリンベースの抗血小板治療を受ける虚血性イベント後の患者について、重大出血のリスクは長期的に高いことが、前向き住民ベースのコホート試験で示された。また、そのような患者は、先行研究で示された患者と比べて実際には高齢の患者で多く、機能障害が残るまたは死亡に至る上部消化管出血のリスクがかなり高かった。これら、英国・オックスフォード大学のLinxin Li氏らによる「Oxford Vascular Study」試験の結果は、Lancet誌オンライン版2017年6月13日号で発表された。虚血性イベント後の患者には生涯にわたる抗血小板治療が、先行研究である75歳未満の患者を対象とした試験をベースに推奨されている。著者らは年齢を問わず、2次予防としての抗血小板治療における出血のリスク、経過、アウトカムを評価するため、本検討を行った。

カナグリフロジン、CVリスク低下の一方で切断リスクは上昇/NEJM

 心血管疾患リスクが高い2型糖尿病に対し、SGLT2阻害薬カナグリフロジンの投与は、心血管リスクを約14%低減するものの、一方で足指や中足骨などの切断術リスクはおよそ2倍に増大することが明らかになった。オーストラリア・George Institute for Global HealthのBruce Neal氏らが、30ヵ国、1万例超を対象に行った2つのプラセボ対照無作為化比較試験「CANVAS」「CANVAS-R」の結果を分析し明らかにしたもので、NEJM誌オンライン版2017年6月12日号で発表した。