循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:153

低リスク大動脈弁狭窄症にバルーン拡張型弁のTAVRは有効か/NEJM

 手術死のリスクが低い重度の大動脈弁狭窄症患者の治療において、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は外科的大動脈弁置換術と比較して、1年時の死亡を含む複合エンドポイントが良好であることが、米国・Baylor Scott and White HealthのMichael J. Mack氏らが実施したPARTNER 3試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月16日号に掲載された。手術死のリスクが中等度~高度な患者では、これら2つの手技の主要アウトカムは同等とされるが、低リスク例におけるエビデンスは十分でないという。

重症心不全への左心補助人工心臓、完全磁気浮上型遠心流ポンプが有効/NEJM

 重症心不全患者への完全磁気浮上型遠心流の左心補助人工心臓(LVAD)植込み術は、軸流LVADに比べポンプ交換の頻度が低く、後遺障害を伴う脳卒中やデバイス交換・除去の再手術なしで生存する可能性が高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMandeep R. Mehra氏らが行ったMOMENTUM 3試験の最終報告で示された。本試験の中間解析では、遠心流ポンプLVADは軸流ポンプLVADよりもポンプ血栓症や後遺障害のない脳卒中の頻度が低いことが報告されていた。NEJM誌オンライン版2019年3月17日号掲載の報告。

心房細動の男性、脳卒中なしでも認知症に注意

 心房細動は脳卒中リスクを増大させ、認知障害や認知症のリスクを増大させる。しかし最近、脳卒中でない場合でもこの関連を示唆するエビデンスが出てきている。そこで、スウェーデン・ヨーテボリ大学のLina Ryden氏らは、コホートから脳卒中患者を除外しなかった場合とした場合の心房細動と認知症発症との関連を調査し、さらに性別や遺伝的因子についても検討した。Journal of Internal Medicine誌オンライン版2019年3月2日号に掲載。

統合失調症入院患者における心血管イベント

 レバノン大学のGhina Al-Seddik氏らは、統合失調症患者における心血管(CV)および脳血管イベントと死亡率を評価するため、フラミンガムリスクスコア(FRS)および動脈硬化性疾患(ASCVD)のスコアによる予測能について比較を行った。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2019年2月10日号の報告。  対象は、2013年1月から入院中の統合失調症患者329例。CVイベントを検出するため患者のカルテをレビューした。

CIED留置後感染予防、生体吸収性抗菌薬溶出メッシュが有益/NEJM

 心臓植込み型電気デバイス(CIED)留置後の感染症を予防するための、CIEDを包む生体吸収性抗菌薬溶出メッシュの安全性と有効性を評価した、米国・クリーブランド・クリニックのKhaldoun G. Tarakji氏らによる無作為化比較臨床試験「Worldwide Randomized Antibiotic Envelope Infection Prevention Trial:WRAP-IT」の結果が示された。抗菌薬溶出メッシュの使用により、標準ケアによる感染予防戦略のみの実施と比較し、合併症の発生が増加することなく、重大なCIED感染症の発生が有意に低下したという。

卵の摂取量増加で、心血管疾患発症や死亡が増加?/JAMA

 米国成人において、食事性コレステロールまたは卵の摂取量増加は、用量反応的に心血管疾患(CVD)発症および全死因死亡リスクの上昇と有意に関連していることが確認された。米国・ノースウェスタン大学のVictor W. Zhong氏らが、Lifetime Risk Pooling Projectの6つのコホートデータを用いた解析結果を報告した。コレステロールは、ヒトの食事における一般的な栄養素で、卵は食事性コレステロールの重要な源であるが、食事性コレステロール/卵の摂取量がCVDおよび死亡と関連しているかどうかについては、なお議論が続いている。著者は今回の結果について、「食事ガイドラインの作成・改訂の際に考慮されるべきである」とまとめている。JAMA誌2019年3月19日号掲載の報告。

JCS2019で日循公式ツイッターが全力発信 #19JCSでタグ付けを

 2019年3月29~31日にパシフィコ横浜にて開催される、第83回日本循環器学会学術集会(JCS2019)において、日本循環器学会 情報広報部会は、公式ツイッターアカウントを活用した情報発信を行うと発表した。  欧州心臓病学会(ESC)や米国心臓協会(AHA)などの海外の主要な学会では、SNS上でタイムリーな情報発信が行われ、多くの人が最新の医学知識に触れて、勉強・議論できる体制が整えられている。日本の学会における情報発信の先駆けとして、JCS2019にて行われる発表内容をツイッター上でオープンに発信していくのが今回の試みだ。

低リスク大動脈弁狭窄症に自己拡張型弁のTAVRは有効か/NEJM

 手術リスクが低い重症大動脈弁狭窄症患者に対して、自己拡張型supraannularバイオ人工弁による経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の施行は通常手術施行に対して、24ヵ月時点の死亡または後遺障害を伴う脳卒中発生の複合エンドポイントについて非劣性であることが示された。米国・ベスイスラエル・ディーコネス医療センターのJeffrey J. Popma氏らによる無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年3月16日号で発表された。TAVRは、手術を受けた場合の死亡リスクが高い重症大動脈弁狭窄症患者の、手術に変わる治療法とされている。これまで、手術リスクの低い患者のTAVR施行については明らかにされていなかった。

ACS発症またはPCI施行のAF患者、アピキサバンは有益か/NEJM

 直近に急性冠症候群(ACS)を発症または経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けP2Y12阻害薬を投与される心房細動患者において、アピキサバン(商品名:エリキュース)を含む抗血栓療法(アスピリンは非併用)は、ビタミンK拮抗薬+アスピリン療法またはアスピリン単剤療法と比べて、出血および入院が減少し、虚血イベントの発生において有意差はみられないことが示された。米国・デューク大学のRenato D. Lopes氏らによる2×2要因デザイン法の国際多施設共同無作為化試験「AUGUSTUS試験」の結果で、NEJM誌オンライン版2019年3月17日号で発表された。ACS発症またはPCIを受けた心房細動患者に対し、適切とされる抗血栓療法は明確にはなっていない。

日本の再生医療を世界で勝たせるために/再生医療学会

 本年(2019年)3月に行われた第18回日本再生医療学会総会の中で、外科医でもある衆議院議員 厚生労働委員長の冨岡 勉氏は「再生医療を推進するために政治はどう取り組むべきか」と題して基調講演を行った。  世界時価総額ランキング上位20社中、1989年における日本企業は14社を占めた。しかし、2018年その数はゼロ。ほぼ米・中の争いである。研究の活性化指標である論文数の国別順位と国別論文シェアをみると、ゲノム編集、免疫療法、核酸医薬などがんゲノムに関連のテーマでわが国は上位にあるものの、その分野でも1位は米・中である。