循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:150

LVAD使用の重症心不全に同種異系MPCは有益か/JAMA

 重症心不全で補助人工心臓(LVAD)植え込み術を受けた患者に対し、同種異系間葉系前駆細胞(MPC)の心筋内注入は、シャム注入と比較して6ヵ月時点でLVADからの一時的離脱成功率を改善しないことが、カナダ・トロント総合病院のTerrence M. Yau氏らが約160例を対象に行った第II相無作為化試験の結果、示された。LVADは心機能を改善するが、外植片が十分に回復する患者はほとんどいない。

特売卵のコレステロール量は?/日本動脈硬化学会

 卵1個のカロリーについては取り沙汰されることが多く、ご存じの方も多いだろう。先日、JAMAでも卵の摂取量と心血管疾患の発症や死亡率との相関を示す論文が発表され、話題を集めている。では、われわれが日頃食べている卵には、一体どのくらいのコレステロールが含まれるのだろうか? 2019年3月27日、日本動脈硬化学会が主催するプレスセミナーが開催され、「LDLコレステロールと動脈硬化」をテーマに上田 之彦氏(枚方公済病院診療部長、日本動脈硬化学会広報・啓発委員)が登壇した。

ACC/AHAガイドライン、ESCガイドラインのエビデンスレベルは?/JAMA

 主要な心臓血管関連学会のガイドラインでは、複数の無作為化臨床試験(RCT)または単一の大規模RCTのエビデンスによって支持される推奨の割合はきわめて低く、このパターンは、2008~18年の改訂でも意義のある改善はなされていないことが、米国・デューク大学のAlexander C. Fanaroff氏らの調査で明らかとなった。研究の詳細は、JAMA誌2019年3月19日号に掲載された。臨床決定は、臨床転帰を評価した複数のRCTによるエビデンスに基づくのが理想だが、歴史的には、この種のエビデンスに完全に基づく臨床ガイドラインの推奨はほとんどないという。

「心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)」発表/日本循環器学会

 「心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)」が、2019年3月29日に発表された。本ガイドラインは「肥大型心筋症の診療に関するガイドライン(2012年改訂版)」および2011年発表の「拡張型心筋症ならびに関連する二次性心筋症の診療に関するガイドライン」の統合・改訂版。第83回日本循環器学会学術集会(3月29~31日、横浜)において、心筋症診療ガイドライン作成の合同研究班班長を務めた北岡 裕章氏(高知大学医学部 老年病・循環器内科学)が、その内容について講演した。

チカグレロルの中和薬、第I相試験で有効性確認/NEJM

 チカグレロルの特異的中和薬であるPB2452について、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らは、健常ボランティアにおいて、チカグレロルの抗血小板作用を迅速かつ持続的に中和し、毒性は軽度であることを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月17日号に掲載された。チカグレロルは経口P2Y12阻害薬で、急性冠症候群の患者や心筋梗塞の既往のある患者において、虚血性イベントのリスクを抑制するために、アスピリンとの併用で使用される。

院外心停止後蘇生のNSTEMIに、即時冠動脈造影は有効か/NEJM

 院外心停止後に蘇生に成功した非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)患者では、即時的に冠動脈造影を行い、必要に応じて経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行するアプローチは、神経学的回復後に遅延的にこれを施行する戦略と比較して、90日生存率の改善は得られないことが、オランダ・アムステルダム大学医療センターのJorrit S. Lemkes氏らが実施したCOACT試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年3月18日号に掲載された。

学会でツイッター活用、日循の取り組みはどこまでバズったか?

 2019年3月29日から31日まで開催された第83回 日本循環器学会学術集会において、同学会は、日本国内の医学系学会では初めて、学術集会中の発表内容をツイッター上で公開した。  #19JCSのハッシュタグを付けて投稿されたツイート総数は、リツイートも含み、約8,000。公式アカウント@JCIRC_IPR(リンクhttps://twitter.com/JCIRC_IPR)のインプレッション数は期間中だけで77万を超え、フォロワーが2,000人ほどから4,000人強へ倍増した。

アフリカの黒人高血圧に有益な降圧薬2剤併用は/NEJM

 サハラ以南のアフリカに住む黒人高血圧患者において、アムロジピン+ヒドロクロロチアジドまたはペリンドプリルの併用療法は、ペリンドプリル+ヒドロクロロチアジド併用療法より6ヵ月時の降圧効果が大きく、有効であることが示されたという。ナイジェリア・アブジャ大学のDike B. Ojji氏らが、サハラ以南のアフリカ6ヵ国で実施した無作為化単盲検3群比較試験「Comparison of Three Combination Therapies in Lowering Blood Pressure in Black Africans:CREOLE試験」の結果を報告した。

新たな経皮・経中隔的僧帽弁置換術による初の試験結果【Dr.河田pick up】

 重症僧帽弁逆流症は、心不全などを引き起こし、死亡とも関連する。しかしながら、開心術による弁の置換や修復の候補とならない患者も存在する。経カテーテルによる僧帽弁修復は、解剖学的に適した患者であれば安全で有効な手段であるが、多くの患者は解剖学的に適さず、修復が難しかったり、不成功や一時的なものであったりする。本研究は経皮・経中隔的僧帽弁置換術の実用性について評価したもので、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJohn G. Webb氏らがJournal of American College of Cardiology誌2019年3月号に発表した。なお、複数の著者は、今回の研究で用いられた人工弁を提供したEdwards Life Science社からコンサルフィーや研究サポートフィーを受けている。

薬剤抵抗性AF、薬剤変更とアブレーションでQOL比較/JAMA

 1種以上の抗不整脈薬またはβ遮断薬に対し治療抵抗性を示す症候性心房細動(AF)患者に対して、カテーテルアブレーションの施行は、異なる抗不整脈薬を投与し薬物療法を続けた場合と比べ、12ヵ月後の生活の質(QOL)が大幅に改善したことが示された。スウェーデン・ウプサラ大学のCarina Blomstrom-Lundqvist氏らが、155例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、JAMA誌2019年3月19日号で発表した。結果について著者は、「本試験は盲検化がなされていない点で限定的だが、カテーテルアブレーションはQOLに関しては優位な可能性がある」とまとめている。