循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:14

医師が年収アップのために行っていることは?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身のワークライフバランスの希望や、年収を増やすために行ったこと/行っていることについて尋ねた。  調査では、年収とワークライフバランスの希望について、(1)勤務時間は大きく増えてもよいので、年収を大きく増やしたい、(2)勤務時間は少し増えてもよいので、年収を少し増やしたい、(3)年収は少し減ってもよいので、勤務時間を少し減らしたい、(4)年収は大きく減ってもよいので、勤務時間を大きく減らしたい、の4つから最も近いものを選んでもらった(以下、それぞれ「勤務時間大きく増/年収大きく増」、「勤務時間やや増/年収やや増」、「勤務時間やや減/年収やや減」、「勤務時間大きく減/年収大きく減」)。年収を増やすために行ったこと/行っていることはフリーコメントで記載してもらった。

軽い健康問題なら薬剤師による治療が低コストの選択肢に

 薬剤師が軽症の疾患を治療できるようにすることで、患者の治療費を抑えられるとともに、より多くの人が医療にアクセスできるようになり、何百万ドルもの医療費を削減できる可能性のあることが、米ワシントン州立大学薬物療法学准教授のJulie Akers氏らの研究で示された。研究結果は、「ClinicoEconomics and Outcomes Research」に5月3日掲載された。  この研究で検討の対象となった米ワシントン州では、1979年以降、医師から特定の医薬品を処方および投与する許可を得た薬剤師には、患者を治療する法的権利が認められている。薬剤師はその教育の一環として、日常的によく見られる疾患の臨床評価の研修を受けており、OTC医薬品(市販薬)で治療可能な疾患についての助言を行っている。薬剤師が関与できるレベルをさらに上げて、患者を治療する権利である「処方権」を与えれば、薬剤師は、OTC医薬品では不十分な場合に医療用医薬品を処方することも可能になる。

CABG後1年間のDAPT、術後5年のMACEを有意に抑制/BMJ

 冠動脈バイパス術(CABG)後1年間のチカグレロル+アスピリンによる抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)は、アスピリン単剤療法やチカグレロル単剤療法に比べ、術後5年間の主要有害心血管イベント(MACE)発生リスクを有意に低下させたことが、中国・上海交通大学医学院のYunpeng Zhu氏らによる無作為化試験「Different Antiplatelet Therapy Strategy After Coronary Artery Bypass Grafting(DACAB)試験」の5年フォローアップの結果で示された。チカグレロル+アスピリンのDAPTは、CABG後の伏在静脈グラフト不全の予防において、アスピリン単剤よりも効果的であることが示されている。しかしCABG後のDAPTの、臨床アウトカムへの有効性については確定的ではなかった。DACAB試験ではこれまでに、DAPTがアスピリン単剤と比較して1年後の静脈グラフト開存率を有意に改善したことが示されていた。BMJ誌2024年6月11日号掲載の報告。

将来のイベント予防のためにPCIを行う余地はあるのか?(解説:山地杏平氏)

FAME研究において、部分冠血流予備量比(FFR)が0.80以上で虚血陰性と判断された病変では、経皮的冠動脈形成術(PCI)を行わないほうが、イベントが少ないことが示されました。一方で、FFRが0.80以上であり、侵襲的な治療を行わなかった病変においても、一定の頻度で進行による再血行再建や急性冠症候群の発症が見られることがあります。PREVENT試験では、PCIの適応とならないFFRが0.80以上の中等度狭窄病変において、血管内イメージングを用いて不安定プラークが存在した場合に、PCIが最適な内科治療(OMT)と比較して予後を改善するかどうかを無作為比較されました。2年間の追跡時点での心臓死、心筋梗塞、再血行再建術、不安定狭心症による入院が主要エンドポイントとして設定され、PCI群で3例(0.4%)、OMT群で27例(3.4%)と有意に差を認めました。OMT群でのイベントの内訳は、心臓死6例、心筋梗塞13例、再血行再建術29例、不安定狭心症による入院12例であり、一般的な臨床研究におけるイベントと同等のものであり、とくに偏ったものではなかったようです。

スタチンにEPA併用、日本人の心血管イベント再発予防効果は?/Circulation

 スタチン治療を受けている慢性冠動脈疾患の日本人患者で、エイコサペンタエン酸/アラキドン酸(EPA/AA)比の低い患者において、高純度EPAのイコサペント酸エチルによる心血管イベント再発予防の可能性を検討したRESPECT-EPA試験で、心血管イベントリスクは数値的には減少したが統計学的有意差は認められなかった。一方、冠動脈イベントの複合は有意に減少した。順天堂大学の宮内 克己氏らがCirculation誌オンライン版2024年6月14日号で報告。

脳梗塞患者、血管イベント再発予防に長期コルヒチンは有益か/Lancet

 非心原性脳塞栓症患者の血管イベントの再発予防のための長期コルヒチン投与の有効性と安全性を評価した無作為化試験「CONVINCE試験」において、統計学的に有意な有益性は示されなかったことを、アイルランド・ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのPeter Kelly氏らが報告した。長期コルヒチンによる抗炎症療法は、冠動脈疾患における血管イベントの再発を予防することが示されている。研究グループは今回、一般的に動脈硬化によって引き起こされる冠動脈疾患とは異なり、多様なメカニズムによって引き起こされる虚血性脳卒中後の再発予防についても長期コルヒチンは有効であるとの仮説を立て検証した。試験の結果では再発予防に関する有益性は認められなかったが、ベースラインで同程度であったCRP値が28日時点で投与群において有意に低下したことが認められた。著者は、「抗炎症療法についてさらなる無作為化試験を行うことを支持する新たなエビデンスが論拠として示された」と述べている。Lancet誌オンライン版2024年6月7日号掲載の報告。

TAVRデバイスの完成度は高く短期成績はTAVR>SAVR、しかし長期成績と2次介入リスクの評価が必要(解説:伊藤敏明氏)

論文サマリーはすでに過去の解説があるため簡潔にまとめる。今回のRCTはドイツの38施設共同で行われた。生体弁適応となる65歳以上の有症状大動脈弁狭窄症(AS)、STSスコア4%未満のlowまたはintermediateリスク患者1,414例、平均年齢74±4歳がTAVRまたはSAVRに1:1で無作為割り付けされた。二尖弁、有意な冠動脈病変、先行心臓手術歴のある患者は除外され、TAVRの97.3%がtrans femoralで行われた。SAVR群の50.8%が胸骨正中切開で行われ、15.8%にrapid deploy弁が使用され、CABG同時手術率は1.8%であった。プライマリーエンドポイントとして1年での全死亡およびstrokeの合計が設定され、カプランマイヤー法にてTAVR群5.4%、SAVR群10.0%(HR:0.53、95%信頼区間:0.35~0.79)とTAVRの非劣性が示された。

循環器領域の論文著者、男女に差/JACC

 過去10年間の循環器領域の主要4誌のすべての論文について、米国・マウントサイナイ医科大学のRidhima Goel氏らが調査したところ、女性著者の割合は低いままであることがわかった。Journal of the American College of Cardiology誌2024年6月18日号に掲載。著者らは「循環器領域における女性の活躍を促進し公平な機会を提供するために、行動喚起が必要」としている。

適正年収、実年収プラス200万円が妥当!?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、自身の業務内容や仕事量に見合った適正年収について尋ねたところ、最も回答数が多かったのは2,000~2,500万円(15.2%)、次いで3,000万円以上(12.7%)、1,800~2,000万円(12.6%)、1,400~1,600万円(10.9%)と続いた。また、実際の年収が600~1,800万円の範囲において、各年収層の半数以上が実際の年収より高い金額を希望しており、1,600~1,800円層を除く600~1,600万円の層では実年収に200万円程度上乗せした金額を希望していることが明らかになった。

古代人にも動脈硬化、ミイラの調査で判明

 心臓病といえば現代生活の副産物だと思われがちだ。しかし、4,000年以上に及ぶ7つの異なる文化圏の成人のミイラのCT画像を調査した結果、3分の1以上のミイラに動脈硬化の痕跡が見つかり、心臓病が何世紀にもわたって人類を苦しめてきた疾患であることが明らかになった。米セントルークス・ミッドアメリカ心臓研究所のRandall Thompson氏らによるこの研究結果は、「European Heart Journal」に5月28日掲載された。  この研究では、世界中の成人のミイラのCT画像データを用いて、動脈硬化の有無を調べた。動脈硬化は、動脈と予測される場所にカルシウムの沈着が見られる場合を「ほぼ確実な動脈硬化」、識別可能な動脈の壁にカルシウムの沈着が見られる場合を「確実な動脈硬化」と見なした。調査対象のミイラは、古代エジプト人(161体)、低地の古代ペルー人(54体)、ボリビア高地の古代アンデス人(3体)、19世紀のアリューシャン列島のアレウト族(4体)、16世紀のグリーンランドのイヌイット(4体)、古代プエブロ族(5体)、中世のゴビ砂漠の牧畜民(4体)の7つの文化圏に由来するものに、19世紀のアフリカ系米国人(1体)とオーストラリアの先住民(1体)も加えた計237体であった。これらのミイラの死亡時の平均年齢は40±11.6歳で、58.6%(139体)が男性だった。