呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:88

医師の会食・飲み会参加について、医師1,000人の意見

  医師の飲み会・会食参加について、ニュースで取り上げられる時もあるが、医師自身はどのように捉えているのだろうか。今回、会員医師1,000人に、最近の飲み会・会食への参加状況と感染対策について意見を聞いた。  「直近1ヵ月で、3人以上の会食(同居家族を除く)に参加した回数をお教えください」という問いに対し「0回」と回答したのは、飲酒を伴わない会食で806人(81%)、飲酒を伴う飲み会で757人(76%)であり、どちらも「0回」と答えた医師は全体の68%だった。会食への参加が1回以上と回答した医師のうち、1~2回参加した人は飲酒を伴う飲み会かどうかにかかわらず75%を超え、3回以上参加した医師は少数だった。

中学生以下はクラスで、高校生は部活感染が多い/厚労省アドバイザリーボード

 本格的な学校生活が始まり、児童生徒などへの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が懸念されている。  厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月11日に第83回の会議を開催し、その中で文部科学省から「学校における新型コロナウイルス感染症対策について」が示された。  感染状況では、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校いずれも同一クラス内での感染が1番多く、高等学校では同一部活内での感染が1番多いことなどが報告された。また、学校での感染対策として、臨時休業の考え方を示すとともに、オミクロン株への対応として休業期間の短縮や授業、部活動でのリスクの高い行動の抑制のほか、児童生徒などへのワクチン接種の考え方が示された。

米モデルナワクチン、乳幼児に対する緊急使用承認をFDAに申請

 米国・モデルナ社は4月28日、COVID-19ワクチン(mRNA-1273、商品名:スパイクバックス筋注)の生後6ヵ月から2歳未満および2歳から6歳未満の乳幼児に対する緊急使用承認(EUA)を米国食品医薬品局(FDA)に申請したことを発表した。申請データは、mRNA-1273の25μgの2回接種による初回シリーズの結果に基づく。申請データは、健康な小児を対象にmRNA-1273を28日間隔で接種した際の安全性、忍容性、反応原性、有効性を、プラセボを対照として3つの年齢層(6歳から12歳未満、2歳から6歳未満、生後6ヵ月から2歳未満)に分けて評価する第II/III相臨床試験KidCOVE試験の結果に基づく。

妊婦の新型コロナ感染は早産リスク増、入院リスク2.65倍/JAMA

 カナダで行われた探索的サーベイランススタディで、妊娠中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染は、母体の有害アウトカムおよび早産のリスク増大と有意に関連していることが示された。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のElisabeth McClymont氏らが、妊娠中にSARS-CoV-2感染が認められた妊婦6,012人について、2つのコントロール群を対照に行った検討の結果を報告した。これまで妊婦へのSARS-CoV-2感染の影響について、対照比較コホートを用いた質の高い住民ベースの検証データは限定的であった。JAMA誌オンライン版2022年5月2日号掲載の報告。

RBDダイマーベースの新規コロナワクチン、有効性を確認:第III相試験/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「ZF2001」について、大規模な成人集団において、完全接種後6ヵ月以上にわたり症候性COVID-19の発症および重症化に対する安全性と有効性が確認されたことを、中国科学院のLianpan Dai氏らが発表した。ZF2001は、武漢-Hu-1株からの重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の二量体タンデム-リピートスパイクタンパク質RBDを用いて開発されたワクチン。第I相および第II相の臨床試験で成人における安全性、忍容性および免疫原性があることが示されていた。NEJM誌オンライン版2022年5月4日号掲載の報告。

オミクロン株とデルタ株の流行時期における、COVID-19に伴う症状の違いや入院リスク、症状持続時間について(解説:寺田教彦氏)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、流行株の種類により感染力や重症化率、ワクチンの効果が変化していることはニュースでも取り上げられている。これらのほかに、流行株により臨床症状が変わってきたことも医療現場では感じることがあるのではないだろうか?例えば、2020年にイタリアから報告されたCOVID-19に伴う症状では、味覚・嗅覚障害が新型コロナウイルス感染症の50%以上に認められ、特徴的な症状の1つと考えられていたが、それに比して咽頭痛や鼻汁などの上気道症状は少なかった(Carfi A, et.al. JAMA 2020;324:603-605.)。ところが、2022年4月現在の臨床現場の感覚としては、COVID-19に伴う症状は咽頭痛や声の変化を訴える患者が増えてきており、味覚・嗅覚障害を理由に検査を新型コロナウイルスのPCR検査を受ける人はほとんどいなくなったように思われる。

コロナ既感染の高齢者、ワクチン接種後に強力な抗体反応を獲得/日本感染症学会

 高齢者介護施設の入所者と職員に対して、ファイザー製新型コロナワクチン(BNT162b2)接種後の抗体反応を検討した結果、高齢者であっても、新型コロナ既感染者であれば、ワクチン接種後に強力な抗体反応を獲得できることが示された。4月22~23日にオンラインで開催された第96回日本感染症学会総会・学術講演会で、九州大学の鄭 湧氏が発表した。本結果はJournal of Infection誌2022年3月1日号にも掲載されている。  本研究では、高齢入所者60例(平均年齢84.0歳、未感染者43例、既感染者17例)、施設職員66例(平均年齢46.7歳、未感染者34例、既感染者32例)の計126例を対象とし、2021年5~7月にファイザー製ワクチンを2回接種し、接種前後の検体を用いて、SARS-CoV-2スパイク蛋白特異的IgG抗体価を測定した。感染防御水準は、ワクチン製造元の指示に基づき、抗体価4,160 AU/mLとした。

新しい植物由来COVID-19ワクチン、各種変異株に有効:第III相試験/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンCoVLP+AS03(カナダ・Medicago製)は、各種変異株によるCOVID-19の予防に有効で、症候性COVID-19に対する有効率は69.5%、中等症~重症COVID-19に対する有効率は78.8%であったことを、カナダ・MedicagoのKaren J. Hager氏らが第III相無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。CoVLP+AS03ワクチンは、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)という植物で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質を発現させ形成されたコロナウイルス様粒子(CoVLP)と、アジュバントシステム03(AS03)を組み合わせた、新しい植物由来COVID-19ワクチンである。NEJM誌オンライン版2022年5月4日号掲載の報告。

イルミナ、包括的がんゲノムプロファイリングテストを申請

 イルミナは、2022年5月10日、厚生労働省にTruSight Oncology Comprehensiveパネルシステムの製造販売承認申請を行った。  同パネルシステムは、固形悪性腫瘍患者のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍サンプルから抽出した核酸を検体として、NextSeq 550Dxシステムを用いたターゲットシーケンスにより517遺伝子の変異を検出する包括的がんゲノムプロファイリング検査キット。  DNAからは塩基変異、多塩基変異、挿入、欠失および遺伝子増幅を、RNAからは遺伝子融合およびスプライスバリアントを検出する。コンパニオン診断薬(CDx)についても、順次追加される予定。

コロナ入院患者にレムデシビルは有益か:WHO最終報告/Lancet

 レムデシビルは、人工換気へと症状が進んだ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対して有意な効果をもたらさないことが、またその他の入院患者について、死亡または人工換気(あるいはその両方)への進行に対する効果はわずかであることを、世界保健機関(WHO)の連帯試験コンソーシアム(Solidarity Trial Consortium)が最終結果として報告した。COVID-19患者を対象としたSolidarity試験では、これまでに4つの既存薬に関する中間解析結果が報告されている。このうちロピナビル、ヒドロキシクロロキン、インターフェロン(IFN)-β1aは無益として試験が中止となったが、レムデシビルの無作為化試験は継続されていた。本稿で同コンソーシアムは、これまでに行われたすべての関連試験の死亡率およびメタ解析の最終結果を報告している。Lancet誌オンライン版2022年5月2日号の報告。