呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:114

EGFR陽性肺がん1次治療ラムシルマブ+エルロチニブの日本人サブセット(RELAY)/JTO Clin Res Rep

 未治療のEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)に対するラムシルマブ+エルロチニブの1次治療は、国際第III相RELAY試験で無増悪生存期間を有意に延長した(ハザード比率[HR] =:0.59、p<0.0001])。 同試験の日本人サブ解析の結果が発表された。グローバルと同様の良好な結果が示されている。  この日本人サブ解析では有効性、安全性および進行後のEGFRT790M変異発現率を評価している。  主な結果は以下のとおり。 ・RELAY試験449例中、日本人サブセットは211例(47.0%)で、ラムシルマブ+エルロチニブ(RAM+ERL群)106例、プラセボ+エルロチニブ(ERL群)105例に割り付けられた。

コロナワクチン、高齢ほど感染・入院リスク低下/Lancet

 米国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種プログラムの導入の初期段階に、高齢者におけるCOVID-19患者数やCOVID-19による救急診療部受診数、入院者数が減少し、ワクチン接種の寄与は不明なものの死者数も減少したことが、米国疾病予防管理センターのLucy A. McNamara氏らの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年11月3日号で報告された。  米国では、2020年12月中旬に、緊急使用許可(EUA)下に最初のCOVID-19ワクチンの使用が可能となった。2021年6月8日の時点で、全人口の52%が少なくとも1回のワクチン接種を受け、42%は2回の接種を完了しており、このうち65歳以上の接種率はそれぞれ86%および76%に達している。

非小細胞肺がん化学放射線療後のデュルバルマブ地固め療法、リアルワールドでの肺臓炎発現(HOPE-005 / CRIMSON)/Lung Cancer

 デュルバルマブによる局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)の化学放射線同時療法(CCRT)後の地固め療法は標準治療として用いられて久しい。しかし、同デュルバルマブ療法での肺臓炎の発症、再投与の実臨床での状況は明らかになっていない。  この状況を調べるため、Hanshin Oncology critical Problem Evaluate group(HOPE)では、化学放射線療法を実施した非小細胞肺の医療記録を後ろ向きに評価したHOPE-005 / CRIMSON試験を実施。その結果がLung Cancer誌に掲載された。

2020年のがん診断数は前年比9%減、とくに早期での発見が減少/日本対がん協会

 2020年のがん診断件数は8万660件で、2019年より8,154件(9.2%)少なく、治療数(外科的・鏡視下的)も減ったことがわかった。おおむね早期が減る一方、進行期は両年で差が少ない傾向となり、今後進行がんの発見が増えることが懸念される。日本対がん協会は11月4日、がん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)と共同実施したアンケート調査の結果を発表した。  アンケートは今年7~8月、全がん協会加盟施設、がん診療連携拠点病院、がん診療病院、大学病院など486施設を対象として実施。5つのがん(胃、大腸、肺、乳、子宮頸)について診断数、臨床病期(1~4期、がん種によって0期も含む)、手術数、内視鏡治療数などを聞いた。大規模調査は全国初で、北海道東北、関東、中部北陸、近畿、中国四国、九州沖縄の各地域の計105施設から回答を得ている(回答率21.6%)。

ファイザー製ワクチン有効性、3回接種vs.2回接種/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)の3回接種は、2回接種(5ヵ月以上前に接種完了)と比較して、COVID-19の重症化予防に有効であることが認められた。イスラエル・Clalit Research InstituteのNoam Barda氏らが、同国半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析を行い報告した。多くの国でSARS-CoV-2のデルタ(B.1.617.2)変異株によるCOVID-19の再流行が発生しており、これらの国では、経時的に免疫が減弱しデルタ変異株に対する有効性が低下する可能性があるため、ワクチン3回目接種を検討している。Lancet誌オンライン版2021年10月29日号掲載の報告。  研究グループは、イスラエル国民の半数以上が加入している同国最大の医療保険組織「Clalit Health Services」のデータを用い、2020年7月30日~2021年9月23日にBNT162b2ワクチンの3回目接種を受けた人(3回接種群)、ならびに人口統計学的および臨床的特徴をマッチングさせた3回目ワクチン未接種者(対照群)について解析した。  適格基準は、5ヵ月以上前に2回接種を完了しており、SARS-CoV-2感染歴がなく、直近3日以内に医療施設を受診していないこととし、医療従事者、長期療養施設の居住者および自宅療養者は除外された。

がん種別5年・10年生存率ランキング、最新版を公表/全がん協調査

 11月10日、全国がんセンター協議会加盟32施設の診断治療症例について、部位別5年生存率、10年生存率の最新データが公表され、全部位の5年生存率は68.9%、10年生存率は58.9%だった。部位別にみると、10年生存率が最も高かったのは前立腺がんで99.2%、最も低かったのは膵臓がんで6.6%だった。  本調査は国立がん研究センターの「施設をベースとしたがん登録情報の収集から活用・情報発信までの効果と効率の最大化モデル構築のための研究」研究班が、全国がんセンター協議会の協力を得て、加盟32施設の診断治療症例について部位別5年生存率、10年生存率を集計したもの。

ファイザー製ワクチン、18歳以上のブースター接種を厚労省が承認

 ファイザーは11月11日、同社の新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン「コミナティ」について、国内の18歳以上に対する追加接種(追加免疫)の承認を取得したと発表した。米国本社が先月発表したプレスリリースによると、3回目のブースター接種の効果を検証した第III相臨床試験の結果、95.6%の有効性を示したという。  コロナワクチンのブースター接種を巡っては、米国においてはコミナティが9月より、65歳以上および重症化リスクが高い18〜64歳、SARS-CoV-2への頻繁な曝露を伴う18〜64歳へのブースター接種が実施されており、11月9日には接種対象を全成人に拡大するようFDAに申請した。

新型コロナのブレークスルー感染リスク、既感染者 vs.非感染者/JAMA

 カタールにおいて、2020年12月21日~2021年9月19日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)または「mRNA-1273」(Moderna製)接種者におけるブレークスルー感染リスクは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)既感染者が非感染者と比べて統計的に有意に低かった。同国・Weill Cornell Medicine-QatarのLaith J.Abu-Raddad氏らが、接種者約153万例について行った適合コホート試験の結果を、JAMA誌オンライン版2021年11月1日号で発表した。

小児市中肺炎、退院後の経口アモキシシリン投与量と期間/JAMA

 救急部門または入院病棟から退院(48時間以内)した市中肺炎の小児患者において、外来での経口アモキシシリン投与は、低用量群は高用量群に対して、また3日間群は7日間群に対して、いずれも非劣性であることが示された。英国・ロンドン大学セントジョージ校のJulia A. Bielicki氏らが、患児824例を対象に行った多施設共同2×2要因デザイン非劣性無作為化試験の結果を報告した。なお著者は、「今回の試験結果の解釈については、重症度、治療環境、抗菌薬投与歴、非劣性マージンの受容性について考慮する必要がある」と指摘している。JAMA誌2021年11月2日号掲載の報告。

中和抗体薬の発症抑制での投与時の注意など、コロナ薬物治療の考え方10版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医学部教授])は、11月4日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10版」をまとめ、同会のホームページで公開した。  今回の改訂では、前回9版以降の新しい知見などの追加のほか、中和抗体薬カシリビマブ/イムデビマブに関しての追記が行われた。  主な改訂点は下記の通りである。 ●抗ウイルス薬 レムデシビル 入手方法につき2021年10月18日より一般流通が開始されたこと。 ●中和抗体薬 カシリビマブ/イムデビマブ 【海外での臨床報告の追加】 96時間以内に感染者と家庭内接触のあった被験者1,505例を対象としたランダム化比較試験で、カシリビマブ/イムデビマブの単回皮下投与により、発症に至った被験者の割合は、本剤群11/753例、プラセボ群59/752例であり、プラセボと比較し、発症のリスクが81.4%有意に減少。