耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:12

COVID-19、軽症患者の64%が嗅覚・味覚に異常/JAMA

 新型コロナウイルス感染時の症状としては発熱、倦怠感、筋肉痛、呼吸困難などに加え、嗅覚・味覚の異常についても報告されている。これまで、COVID-19感染者の嗅覚と味覚障害の有病率を評価した研究は1件のみで全体の有病率は34%であったが、ほかの症状との関連における発症タイミングに関するデータはなかった。イタリアTreviso Regional Hospital を2020年3月19~22日に受診し、鼻咽頭および咽頭スワブの RT-PCR 検査でSARS-CoV-2陽性と診断され、自宅待機可能な18歳以上の軽症患者202例を対象に嗅覚・味覚障害の発現状況を評価した。JAMA誌オンライン版2020年4月22日号のリサーチレターに報告された。

新型コロナの嗅覚・味覚障害、主症状前に出現か

 嗅覚障害および味覚障害がウイルス感染と関連するのは周知の事実である。2020年3月、米国で新型コロナウイルス感染症における味覚・嗅覚障害の報告がなされた。その後、この症状を訴える患者が日本でも確認され、症状出現に敏感になっている患者も多いのではないだろうか。  今回、伊・ミラノの保健所ASST-FBF-SaccoのAndrea Giacomelli氏らが伊・L.Sacco病院で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と診断された患者の一部に、嗅覚および味覚障害(OTDs:olfactory and taste disorders)が出現したことを明らかにした。また、研究者らは「OTDsはSARS-CoV-2感染患者で頻繁に見られ、本格的な臨床症状(発熱、咳嗽など)の発症に先行する可能性がある。非特異的ではあるが、パンデミックの状況では病院に入院していない感染患者の臨床的スクリーニングツールになる」としている。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版3月26日号掲載の報告。

COVID-19とインフルの重感染例/CDC

 呼吸器疾患に影響するウイルスが共検出される可能性は周知の事実である。今回、中国・中日友好医院のXiaojing Wu氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とA型インフルエンザウイルスに重感染した症例について報告。上気道の検体検査が偽陰性になる、または、ほかの呼吸器ウイルスとの重感染によって新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が過少診断される可能性を示唆した。研究者らは「明らかな病因が特定された場合、とくに臨床マネジメントの決定に影響を及ぼす場合は、より広範なウイルス検査が必要になるかもしれない」としている。CDCのEMERGING INFECTIOUS DISEASES誌オンライン版2020年3月11日号のリサーチレターに報告された。

現場に即した新型コロナ対策シンポジウムを配信/ファイザー

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症に関する情報提供の一環として、3月23日(月)、31日(火)に医療者向けインターネットシンポジウムを開催する。両日とも、現場の第一線で活躍する忽那 賢志氏らが講演を行う予定で、同社の無料会員制サイト『PfizerPRO』から視聴可能である。  詳細は以下のとおり。 (1)COVID-19セミナー 現場に届け、緊急新型コロナ対策  演題名:「新型コロナ:今分かっている事、出来る事」

新型コロナウイルス感染症、気になる他診療所の動向は?-会員医師アンケート

 連日、ニュースで大きく取り上げられている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。医師の皆さまは「診療所でどこまで対応するべきなのか」「ほかの施設では検査を希望する患者はいたのか?」など、さまざまな疑問をお持ちではないだろうか。ケアネットでは2020年3月5日(木)、病床を有していない診療所で働く会員医師103名に「新型コロナウイルス感染症、自施設での対応策や困っていること」についてアンケートを行った。アンケートでは、「COVID-19の検査を希望した患者数」「COVID-19を考慮し、患者と医療者のそれぞれを守るために日常診療で実施している対応や対策」「COVID-19の影響で日常診療において困っていることや、知りたいこと」について聞いた。

意識が飛ぶほどの痛みも。診断に数年かかった身近な疾患

 とくに日本において、病気としての社会的認知度が極めて低く、「さぼっている」「精神的なもの」というレッテルを貼られがちな疾患がある。女性の12.9%、男性の3.6%が抱える神経性の疾患でありながら、その認識の低さにより受診率が低く、患者の半数以上が市販の鎮痛薬にのみ頼っている。1月29日、「『健康経営』の新たな視座 働き世代の女性が苦しむ片頭痛への理解」と題したメディアセミナー(主催:日本イーライリリー)が開催された。本稿では、坂井 文彦氏(埼玉国際頭痛センター)、五十嵐 久佳氏(富士通クリニック)のほか、女性患者による講演の内容をレポートする。

花粉症重症度の自己チェックに有用なツール公開

 ノバルティスファーマ株式会社は2020年2月、重症花粉症の情報に特化したWEBサイトを全面リニューアルし、自分に合った花粉マネジメント法の理解や治療選択の一助となることを目的とした『重症花粉症ドットコム』を開設した。今回のサイトリニューアルに際し、自らも症状に悩み、その辛さをSNSなどで訴える川口 春奈さん(女優・モデル)が「重症花粉症」の啓発アンバサダーに就任。重い症状に悩む患者に自らの重症度を考えるきっかけを提供する。

新型コロナウイルスはどうヒト-ヒト感染するのか、親子感染の症例/NEJM

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(2019-nCoV)が、世界を巻き込んだ健康懸念になっている。ヒト-ヒト感染の事例も次々と明らかになっている中、ベトナム・ホーチミン市パスツール研究所のLan T. Phan氏らの研究グループが、ベトナムを訪れていた中国人家族1例について、親子間の感染に関する経緯と臨床転帰を報告した。NEJM誌2020年1月28日号オンライン版に掲載。  報告症例は、武漢市から旅行でホーチミン市を訪れていた中国人男性(65歳)とその家族について。男性は、高血圧や2型糖尿病、心血管疾患の持病があった。男性は妻と共に13日からベトナムに入り、飛行機や電車、タクシーなどを利用しながら4都市を旅行した後、同国で暮らす息子(27歳)と合流し、ホテルの同室で3日間共に過ごしたが、17日の時点で発熱があったという。

「抗微生物薬適正使用の手引き」第二版、乳幼児編が追加/厚労省

 2019年12月5日、厚生労働省は「抗微生物薬適正使用の手引き(第二版)」をホームページに公表した。主な改正点として、生後3ヵ月以上から学童期未満の「乳幼児編」が加わった。小児特有の副作用がある抗菌薬への注意事項として「小児における急性気道感染症の特徴と注意点」が盛り込まれ、「小児の急性気道感染症各論」「小児の急性下痢症」「小児の急性中耳炎」の項目が追加された。

咽頭・扁桃炎に対するペニシリンV減量の試み(解説:小金丸博氏)-1153

咽頭・扁桃炎は、プライマリケアの現場において抗菌薬の処方が多い感染症の1つである。今回、A群溶連菌による咽頭・扁桃炎に対して、適切な臨床効果を維持しながら抗菌薬投与量を減らすことができるかどうかを検討した臨床試験の結果が発表された。本研究は、A群溶連菌による咽頭・扁桃炎に対して、ペニシリンV 800mgを1日4回5日間投与する群(計16g)とペニシリンV 1,000mgを1日3回10日間投与する群(計30g)の有効性と安全性を比較検討したランダム化非盲検非劣性試験である。6歳以上で、Centor criteria(38.5℃以上の発熱、圧痛を伴うリンパ節腫脹、扁桃に白苔の付着、咳の欠如)を3または4項目満たし、かつA群溶連菌迅速検査陽性の患者を対象とした。プライマリアウトカムである臨床的治癒率は、5日間投与群で89.6%、10日間投与群で93.3%であり(両群差:-3.7ポイント、95%信頼区間:-9.7~2.2)、非劣性が確認された。