眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

CGRP標的片頭痛予防薬、緑内障リスクの低下と関連

 あるクラスの片頭痛予防薬が緑内障の予防にも役立つかもしれない——そんな研究結果が報告された。CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)標的治療薬を使用していた人は、他の片頭痛予防薬を使用していた人と比較して、緑内障を発症するリスクが25%低いことが示されたという。米ブラウン大学のChien-Hsiang Weng氏らによるこの研究は、「Neurology」に5月6日掲載された。  CGRPは、脳や神経系に存在するポリペプチドで、血管拡張作用を持つことから通常は血圧の調節に関与している。CGRP標的治療薬は、CGRPまたはその受容体を標的とすることで血管拡張や炎症反応を抑制するよう設計されている。

糖尿病患者の将来リスクをAI活用で予測/福島医大・日本糖尿病学会ほか

 福島県立医科大学と千葉大学、国立健康危機管理研究機構(JIHS)らの研究グループは、株式会社エフコムとの共同研究により、AIを活用して糖尿病を5つのサブタイプに分類し、将来の合併症・併存症リスク(糖尿病関連腎臓病、透析導入、心血管障害など)を推計するウェブプラットフォーム「福島医大 糖尿病未来予測ナビ」を研究・開発した。このウェブプラットフォームは。5月20日に福島県立医科大学附属病院、日本糖尿病学会、てだこ浦西駅循環器・糖尿病クリニックの各ホームページ上で公開された。

眼底写真を基にした「網膜年齢」が健康状態を知る手がかりに?

 目は心の窓であるだけでなく、その人の健康状態を映し出す窓でもある――そんな研究結果が発表された。この研究によると、網膜の早期老化は、糖尿病や心疾患といった重大な病気の兆候となる可能性があるという。東北大学大学院医学系研究科眼科学分野教授の中澤徹氏らによるこの研究結果は、「Communications Medicine」に4月8日掲載された。  網膜は、眼球の奥にある光を感知する細胞層である。研究グループによると、網膜は血管や神経の状態を非侵襲的に観察できる部位であることから、眼の画像データを解析して全身の健康状態や疾患リスクを読み解く「オキュロミクス」と呼ばれる新たな研究領域が注目を集めている。

白内障治療の将来を読む――全国と地方の眼科医供給格差

 白内障は加齢に伴って多くの人にみられ、日本では高齢化の進展とともに手術の需要増加が見込まれている。一方で、地域によって医療資源には偏りがあることも課題となっている。今回、NDBオープンデータや人口推計などを用いた研究で、都道府県ごとの白内障手術の将来需要と眼科医の供給を予測した結果、特に地方で需給バランスが悪化し、医療アクセスの地域格差が拡大する可能性が示された。研究は、国際医療福祉大学の山口浩史氏、アルアリアシーらるび氏、藤田烈氏によるもので、詳細は3月3日付の「BMJ Open Ophthalmology」に掲載された。

変わるドライアイ治療:“自覚症状”に着目した新しい治療選択肢の登場/千寿

 2026年3月、千寿製薬は世界初のTRPV1拮抗作用を持つドライアイ治療薬、モツギバトレプ(商品名:アバレプト懸濁性点眼液0.3%)に関するプレスセミナーを開催した。セミナーではモツギバトレプの開発経緯の紹介の後、堀 裕一氏(東邦大学医療センター大森病院 眼科 教授)が「ドライアイの新たな側面を捉える」というテーマで講演をした。  日本国内のドライアイ患者は2,200万人を超えるとされており、現代のライフスタイルや高齢化によって患者数は増加傾向にある。ドライアイは涙液層の安定性の低下と瞬目時の摩擦亢進が相互に悪循環を形成することで炎症が起こり、眼表面障害と眼の乾きや不快感などの症状を引き起こす。これらの症状は患者さんのQOL低下につながることが示唆されており、実際に患者さんの治療に対するニーズは自覚症状に対する早期の改善効果である。

眼圧22mmHgという値は依然として眼科医の緑内障治療意思決定に影響

 高眼圧を意味する22mmHg以上という数値が、緑内障を診る眼科臨床医にいまだ強い影響を及ぼしている可能性が報告された。米ユタ大学のAshley Polski氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Ophthalmology」に1月8日掲載された。  かつて長い間、緑内障は高眼圧によって視神経が障害される病気と考えられ、疫学研究での平均値より2標準偏差高い21mmHgが眼圧の基準範囲上限とされてきた。しかし現在では、緑内障の病態には眼圧以外の因子も関与し、眼圧が21mmHg以下でも視神経の障害が発生・進行し得ることが広く認識されている。

枕の高さが緑内障患者の夜間眼圧に影響か

 就寝時の簡単な工夫が、緑内障の進行を遅らせるのに役立つかもしれない。新たな研究で、枕を使わずに寝ることで眼圧を下げられる可能性のあることが示された。緑内障では、眼圧の上昇によって視神経が損傷し、不可逆的な視力低下につながる恐れがある。研究では、枕を二つ重ねて使った患者の3分の2で、眼圧の上昇が確認されたという。浙江大学(中国)医学院附属第二病院眼科センターのKaijun Wang氏らによるこの研究結果は、「British Journal of Ophthalmology」に1月27日掲載された。研究グループは、「緑内障患者にとって、枕を使わずに寝ることは、薬物治療やレーザー治療に移行する前に試せる手軽な対策になり得る」と述べている。

2型糖尿病の病初期にも網膜の微細な変化が生じる

 2型糖尿病の初期段階で、網膜のわずかな菲薄化などの変化が生じることを示唆する研究結果が報告された。コインブラ大学(ポルトガル)のSara Oliveira氏らが行った動物実験の結果であり、詳細は「Eye and Vision」12月号に掲載された。  糖尿病網膜症は、過去20年ほどの間にいくつかの新たな治療オプションが開発されてきたにもかかわらず、依然として成人の失明原因の主要な一角を占めている。その一因として、糖尿病の発症から網膜症の診断までに年単位のタイムラグがあり、その間に網膜の分子・細胞レベルでの不可逆的な変化が生じてしまっており、網膜症診断後の治療では十分に病勢を制御できないことの影響が想定される。しかし、現在の臨床で一般的に使用可能な蛍光眼底造影、光干渉断層撮影(OCT)などの検査では、病初期の網膜の変化を検出できない。

国内初の萎縮型AMD治療薬「アイザベイ」、地図状萎縮拡大の進行を抑制/アステラス

 アステラス製薬は萎縮型加齢黄斑変性(萎縮型AMD)に対する国内初の治療薬として2025年11月に発売された、アバシンカプタド ペゴルナトリウム(商品名:アイザベイ)の発売プレスセミナーを2026年1月29日に開催した。堀 聡志氏(アステラス製薬 メディカルアフェアーズジャパンヘッド)が眼科領域の事業戦略を紹介し、続いて門之園 一明氏(横浜市立大学 大学院医学研究科 視覚再生外科学 主任教授)が「地図状萎縮を伴う萎縮型加齢黄斑変性の病態と治療」をテーマに講演した。  患者QOLを長期に損なう地図状萎縮、早期介入・早期診断が鍵 萎縮型AMDは、網膜の中心部である黄斑の組織が加齢に伴い地図状に萎縮し、不可逆的な視力低下を来す慢性疾患である。

医師会員の57%が花粉症と回答、オススメの予防法は

 全国的にスギ花粉の飛散が始まろうとしている。厚生労働省の統計によると、花粉症の有病率は2019年に42.5%となり、年々有病者数は増加しているという。国民病となった花粉症について、医師における有病率の違い、医師ならではの予防や対策などはあるのであろうか。CareNet.comでは、2026年1月19~25日にかけて、会員医師1,000人(うち耳鼻咽喉科の医師100人を含む)に「医師の花粉症とその実態」についてアンケートを行った。  質問1で「花粉症かどうか」(単回答)を聞いたところ、「花粉症ではない」が40%と一番回答率高く、(診断を受け)「花粉症である」が33%、(診断を受けず)「花粉症である」が24%、「わからない」が3%の順で多かった。その一方で、診断の有無を考慮しない場合、全体の57%が「花粉症である」を回答していた。