腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:171

DS-8201をHER2陽性胃がんに国内申請/第一三共

 第一三共株式会社は、2020年5月7日、トラスツズマブ デルクステカン(開発コード:DS-8201、商品名:エンハーツ)について、HER2陽性の胃がんに係る効能又は効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請を国内において行った。  この申請は、トラスツズマブを含む2つ以上の前治療を受けたHER2陽性の進行・再発胃がん患者または胃食道接合部腺がん患者を対象とした第2相臨床試験(DESTINY-Gastric01)および日米共同第I相臨床試験の結果に基づくもの。

去勢抵抗性前立腺がん、オラパリブが有効/NEJM

 新規のホルモン療法薬投与中に病勢が進行し、BRCA1、BRCA2遺伝子などに変異が認められた、転移がある去勢抵抗性前立腺がんの患者に対して、PARP阻害薬オラパリブの投与はホルモン療法薬投与と比べて、無増悪生存(PFS)期間を延長し、奏効率や、患者評価のエンドポイント(疼痛増悪までの期間など)も有意に良好であることが示された。英国・Institute of Cancer ResearchのJohann de Bono氏らが第III相無作為化非盲検試験の結果を報告した。相同組み換え修復などDNA修復に関与する遺伝子における複数の機能喪失の変化は、前立腺がんやその他のがん患者においてPARP阻害に対する反応との関連が示唆されている。これを踏まえて研究グループは、遺伝子変異が認められ転移がある去勢抵抗性前立腺がん患者に対する、PARP阻害薬を評価する試験を行った。NEJM誌オンライン版2020年4月28日号掲載の報告。

早期乳がんの術後AIの服薬アドヒアランス/JCO

 早期乳がんの術後補助療法におけるアロマターゼ阻害薬(AI)の服薬アドヒアランスは一般に低く、再発リスクにつながる。今回、大規模な長期無作為化試験(SWOG S1105)の結果、AIのアドヒアランス失敗率が高いこと、週2回のテキストメッセージ受信ではアドヒアランスが改善しなかったことを米国・コロンビア大学のDawn L. Hershman氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年5月5日号に掲載。  本試験は、米国の40施設においてテキストメッセージ(TM)群とテキストメッセージなし(No-TM)群を比較した無作為化試験。対象は、AI投与が36ヵ月以上計画され、30日以上服薬している早期乳がんの閉経後女性で、メッセージは週2回、36ヵ月送信した。

CLL1次治療、acalabrutinibの第III相試験成績/Lancet

 未治療の症候性慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療において、acalabrutinib±オビヌツズマブは、標準治療であるオビヌツズマブ+chlorambucilによる化学免疫療法と比較して、無増悪生存(PFS)を有意に改善し、安全性プロファイルも良好であることが、米国・Willamette Valley Cancer Institute/US OncologyのJeff P. Sharman氏らの検討「ELEVATE TN試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年4月18日号に掲載された。acalabrutinibは、選択的な共有結合性ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬。未治療CLL患者を対象とした第I/II相試験では、単剤またはオビヌツズマブとの併用で、高い有効性(全奏効割合95~97%)とともに、持続性の寛解、良好な長期忍容性、低い治療中止率が報告されている。オビヌツズマブは抗CD20モノクローナル抗体、chlorambucilは化学療法薬(アルキル化薬)である。

進行NSCLC、PS不良患者へのICI投与/Cancer

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の投与について、全身状態(PS)が重要な指標となるようだ。米国・マサチューセッツ総合病院のLaura A. Petrillo氏らによる検討で、PSが低下した患者は良好な患者と比べて、投与後の生存期間が有意に短いこと、終末期での投与が多いことが判明したという。また、終末期の投与は、ホスピス利用の低さおよび院内死亡リスクの増大とも関連していた。Cancer誌2020年3月15日号掲載の報告。

ペムブロリズマブによる肺がん2次治療、KEYNOTE-010の長期結果/JCO

 ドセタキセルとペムブロリズマブを既治療のPD-L1陽性進行生存非小細胞肺がん(NSCLC)と比較したKEYNOTE-010試験において、ペムブロリズマブはTPS≧50%と≧1%で全生存率(OS)を改善した。ペムブロリズマブ35サイクル/2年後あるいはペムブロリズマブ再治療を含めた、KEYNOTE-010長期結果が報告された。  KEYNOTE-010試験では、1,033例の対象患者が、ペンブロリズマブ群690例とドセタキセル群343例に無作為に割り付けられた。また、35サイクル/2年後にPDとなった場合も、適格患者において、最大17サイクルのペムブロリズマブによる再治療が許容された。

胆管がん、FGFR阻害薬pemigatinibに期待(FIGHT-202)/Lancet Oncol

 胆管がんの発生に線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)の関与が示唆されているが、FGFR1、2、および3に対する選択的阻害薬pemigatinibが有望であることが示された。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのGhassan K. Abou-Alfa氏らが、既治療の局所進行または転移のある胆管がん患者におけるpemigatinibの安全性と抗腫瘍活性を評価する、非盲検単群複数コホートの多施設共同第II相試験「FIGHT-202試験」を実施。pemigatinibは、FGFR2遺伝子融合/再構成陽性胆管がん患者に対する効果的な治療薬となる可能性が示されたという。Lancet Oncology誌オンライン版2020年3月20日号掲載の報告。

COVID-19流行下で不安募らせるがん患者、医師は受け身から能動へ?

 がん患者の自分が感染したら致命的なのではないか、治療を延期しても大丈夫なのか、この発熱は副作用かそれとも感染か―。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への感染が拡大する中、がん患者の不安は大きくなってしまっている。エビデンスが十分とはいえない中、また医師自身にも感染リスクがある中で、治療においてどのような判断をし、コミュニケーションを図っていけばよいのか。4月21日、「新型コロナ感染症の拡大を受け、がん患者・家族が知りたいこと」(主催:一般社団法人CancerX)と題したオンラインセッションが開催され、腫瘍科や感染症科など各科の専門医らが、患者および患者家族からの質問に答える形で議論を行った。

FGFR阻害薬 pemigatinib、 胆管がんに迅速承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年4月17日、線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)融合/再構成遺伝子陽性の切除不能局所進行または転移のある既治療の成人胆管がんの治療にpemigatinibを迅速承認した。同時に、コンパニオン診断薬として FoundationOne CDX(Foundation Medicine)を承認している。  pemigatinibの有効性は、107例を対象にした多施設非盲検単群試験 FIGHT-202試験で評価された。FIGHT-202試験の主要有効性評価項目は、独立評価委員会による全奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)であった。107例の患者のORRは36%で、完全奏効(CR)は3例であった。DoR中央値は9.1ヵ月で、38例中24例(63%)で6ヵ月以上、7例(18%)で12ヵ月以上効果が持続した。pemigatinibの一般的な副作用(20%以上)は、高リン血症、脱毛症、下痢、爪の毒性、疲労、味覚異常、吐き気、便秘、口内炎、ドライアイ、口渇、食欲不振、嘔吐、関節痛、腹痛、低リン血症、背中の痛み、乾燥肌であった。

二ボルマブとイピリムマブの併用が悪性胸膜中皮腫の生存期間を延長(CheckMate-743)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2020年4月21日、未治療の悪性胸膜中皮腫(MPM)を対象とした第III相 CheckMate-743試験において、ニボルマブ(一般名:オプジーボ)とイピリムマブ(一般名:ヤーボイ)の併用療法が、主要評価項目である全生存期間(OS)を延長したことを発表した。  独立データモニタリング委員会であらかじめ計画されていた中間解析で、二ボルマブとイピリムマブの併用療法が、化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較して、統計学的に有意に、臨床的に意義のあるOSの改善を示した。