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COVID-19の臨時診療報酬は、外来300点/入院1,200点

 4月8日、厚生労働省からの事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その9)」により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者(疑い例を含む)の外来診療および入院管理について、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を踏まえた診療報酬上の特例的な対応(案)が示された。  COVID-19患者の外来診療を行う保険医療機関において、「B001-2-5 院内トリアージ実施料(300点/回)」が算定できる。算定に当たっては、受診の時間帯によらず、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」に従い、院内感染防止等に留意した対応を行った場合に算定可。

「遺伝性乳がん卵巣がん症候群の保険診療に関する手引き」公開/日本乳癌学会

 4月から遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の既発症者に対する、リスク低減乳房切除術(RRM)、乳房再建術ならびにリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が保険収載となった。これを受けて日本乳癌学会では、4月1日にホームページ上で「遺伝性乳がん卵巣がん症候群の保険診療に関する手引き」を公開している。なお、手引きの冒頭では、本手引きがガイドラインあるいはガイダンスではなく、エビデンスが蓄積していない内容も含まれると説明。そのため、HBOC診療に当たっては施設内で医療者のコンセンサスと患者・家族への十分な説明を求めるとともに、手引きについては今後もバージョンアップを図っていくと記されている。

こころとからだの質問票(PHQ-9)によるうつ病評価の信頼度

 うつ症状のアンケートは、診断を分類するためのものではない。しかし、うつ病の有病率を推定するために、こころとからだの質問票(PHQ-9)のスコア10以上の患者をうつ病患者と定義することがある。カナダ・マギル大学のBrooke Levis氏らは、PHQ-9スコア10以上と構造化面接(Structured Clinical Interview for DSM:SCID)によるうつ病の有病率を比較し、PHQ-9のカットオフ値が有病率を正確に推定できるかについて評価を行った。Journal of Clinical Epidemiology誌オンライン版2020年2月24日号の報告。

ペムブロリズマブによるMSI-H大腸がん1次治療、無増悪生存期間を改善/Merck

 Merck社は、2020年4月2日、切除不能または転移を有するMSI-H/dMMRの結腸直腸がんに対するキートルーダの1次治療を評価する第III相 KEYNOTE-177試験において、2つの主要評価項目の1つ無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表。  独立データ監視委員会(DMC)による中間解析では、化学療法(mFOLFOX6またはFOLFIRI ±ベバシズマブまたはセツキシマブ)と比較し、ペムブロリズマブ単剤療法は統計的に有意で臨床的に意味のあるPFSの改善を示した。

今年の学術集会はいつ開催されるのか?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、3月以降多くの学術集会が延期または開催方式の変更を余儀なくされている。  一例をあげると日本整形外科学会学術総会、日本産科婦人科学会学術講演会、日本眼科学会総会、日本医学放射線学会総会、日本麻酔科学会年次学術集会、日本プライマリ・ケア連合学会学術大会などはすでにオンライン(WEB)開催を表明するなど動きをみせている。そのほか、今後のCOVID-19の拡大状況によっては、さらなる延期や従来の会合方式の見直しなどが検討されている。

デュルバルマブの小細胞肺がん、FDA承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、3月30日、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(一般名:イミフィンジ)が、成人の進展型小細胞肺がんに対する1次治療として標準治療である化学療法(エトポシド+カルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、米国において承認されたことを発表した。  今回の米国食品医薬品局による承認は、第III相CASPIAN試験の結果に基づくもの。 CASPIAN試験では2つの主要評価項目を設定し、デュルバルマブと化学療法の併用療法群と化学療法群を比較した。

COVID-19重症患者へ、ルキソリチニブによる臨床試験開始/ノバルティス

 2020年4月2日、ノバルティスファーマ株式会社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者のサイトカインストーム治療におけるルキソリチニブ(商品名:ジャカビ)投与の評価を目的とし、インサイト社と共同で行う第III相臨床試験計画について発表した。この試験では、 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によって重篤なCOVID-19肺炎を発症した患者において、 標準治療(SoC:Standard of Care)とジャカビ+SoC併用療法を比較、評価する予定。

新型コロナの嗅覚・味覚障害、主症状前に出現か

 嗅覚障害および味覚障害がウイルス感染と関連するのは周知の事実である。2020年3月、米国で新型コロナウイルス感染症における味覚・嗅覚障害の報告がなされた。その後、この症状を訴える患者が日本でも確認され、症状出現に敏感になっている患者も多いのではないだろうか。  今回、伊・ミラノの保健所ASST-FBF-SaccoのAndrea Giacomelli氏らが伊・L.Sacco病院で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と診断された患者の一部に、嗅覚および味覚障害(OTDs:olfactory and taste disorders)が出現したことを明らかにした。また、研究者らは「OTDsはSARS-CoV-2感染患者で頻繁に見られ、本格的な臨床症状(発熱、咳嗽など)の発症に先行する可能性がある。非特異的ではあるが、パンデミックの状況では病院に入院していない感染患者の臨床的スクリーニングツールになる」としている。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版3月26日号掲載の報告。

妊娠・出産に対するベンゾジアゼピンの影響~メタ解析

 妊婦に対するベンゾジアゼピン(BZD)の使用は頻繁に行われているにもかかわらず、母体や胎児への影響はよくわかっていない。カナダ・トロント大学のSophie Grigoriadis氏らは、出産前のBZD曝露が出産アウトカムに及ぼす影響について定量化を行った。Canadian Journal of Psychiatry誌オンライン版2020年3月9日号の報告。  2018年6月までの研究を、Medline、PsycINFO、CINAHL、Embase、Cochrane Libraryより検索した。研究の選択基準は、出産アウトカムについてBZD曝露群と非曝露群を比較した英語のコホート研究とした。2万3,909研究をスクリーニングし、56研究を評価、14研究をメタ解析に含めた。2人の独立したレビュアーがエビデンスの質を評価し、データを抽出した。ランダム効果メタ解析を用いて、推定値をプールした。サブ解析では、曝露のタイミングを含むいくつかの潜在的なモデレーターを調査した。

血漿TMBはペムブロリズマブの肺がん治療の効果予測因子となるか/Clin Cancer Res

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブの標準1次治療としての効果の予測に、血漿中の腫瘍遺伝子変異量(pTMB)が有用である可能性が示された。米国・ペンシルベニア大学のCharu Aggarwal氏らによる、転移のあるNSCLC患者を対象としたパイロット試験の結果、pTMB値≧16mut/Mbと無増悪生存(PFS)期間改善の関連が示されたという。また、そのような高pTMB患者のうち、持続的臨床効果(DCB)が期待できない患者の特定に、STK11、KEAP1、PTENおよびERBB2変異の情報が役立つ可能性も示された。著者は「今回の結果は、大規模な前向き研究で検証する必要がある」とまとめている。Clinical Cancer Research誌オンライン版2020年2月26日号掲載の報告。

診療情報とポケットカルテ(R)連携でオンライン診療推進へ

 2020年4月8日、医療情報のネットワーク化を推進するメディカル・データ・ビジョン株式会社(東京都千代田区、代表 取締役社長 岩崎博之氏、以下「MDV」)と「ポケットカルテ」を運営する特定非営利法人日本サスティナブル・コミュニティ・センター(京都市、代表理事 新川達郎氏、以下「SCCJ」)は、一生涯の健康・医療情報を自ら管理するPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)を活用して、新型コロナウイルス感染拡大に伴い時限的に規制緩和されるオンライン診療を推進するため、ポケットカルテとカルテコが連携するサービスを開発・提供し、連携強化を図ることを発表した。

3次医療機関でのがん患者の新型コロナ感染率/JAMA Oncol

 がん患者は治療やモニタリングのために通院機会が多いことから、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染するリスクが高い。さらに化学療法や放射線療法は免疫を抑制する。今回、中国・武漢大学中南病院のJing Yu氏らが、武漢の3次医療機関のがん患者においてSARS-CoV-2感染率と転帰を調査した結果、がん患者の入院および通院がSARS-CoV-2感染の潜在的なリスク因子であることが示唆された。とくに高齢患者(60歳以上)と非小細胞肺がん(NSCLC)患者に感染者が多かったという。JAMA Oncology誌オンライン版2020年3月25日号に掲載。

新型コロナウイルス、高温多湿でも集団感染が発生か

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が高温多湿の環境でも広がり、感染を引き起こす可能性を示唆する報告が発表された。これまでの研究では、高温多湿の環境ではウイルスの感染率が大幅に低下することが示されている。今回、中国・江蘇省の公衆浴場におけるSARS-CoV-2のクラスター事例において、SARS-CoV-2感染者が健康人8人に感染させた可能性があることを中国・南京医科大学のChao Luo氏らが報告した。JAMA Network Open誌2020年3月30日号に掲載。

第2世代抗精神病薬LAIの実行機能に対する影響

 第2世代抗精神病薬(SGA)の経口剤から長時間作用型注射剤(LAI)への変更は、認知機能を改善する可能性がある。イタリア・Magna Graecia University of CatanzaroのFabio Magliocco氏らは、SGA-LAIで治療された統合失調症患者における認知機能への影響について評価を行った。さらに、独立したリアルワールドにおける2つの異なるSGA-LAI(月1回のパリペリドンパルミチン酸[PP1M]、月1回のアリピプラゾール[AOM])治療について直接比較を行った。International Journal of Psychiatry in Clinical Practice誌オンライン版2020年3月5日号の報告。

COVID-19重症患者に対する人工呼吸管理に関する注意点/日本集中治療医学会

 4月6日、日本集中治療医学会が『COVID-19重症患者に対する人工呼吸管理に関する注意点』を発出。集中治療医学会ならびに日本呼吸療法医学会では、COVID-19重症患者に対する人工呼吸管理が増加している現状を踏まえ、日常的に重症呼吸不全の呼吸管理を行っていない施設やグラフィクモニターが搭載されない人工呼吸器を使用せざるを得ない場合に呼吸管理が行われる場合を想定し、海外の情報と本邦における経験に基づき、COVID-19患者の特徴に合わせた人工呼吸療法の対策を総括した。

COVID-19の診療情報特設サイトを開設/日本プライマリ・ケア連合学会

 日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、4月1日に同連合学会のホームページ上で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療所・病院におけるプライマリ・ケアのための情報サイト」を開設した。  特設サイトでは、COVID-19に関する臨床診療で必要な最新情報が網羅されている。  主な内容は下記の通りであり、診療の合間などに参照していただきたい。

スタチンと降圧薬の併用と認知症リスク

 脂質異常症や高血圧症は、アルツハイマー病やこれに関連する認知症(ADRD:Alzheimer's disease and related dementia)の修正可能なリスク因子である。65歳以上の約25%は、降圧薬とスタチンを併用している。スタチンや降圧薬が、ADRDリスクの低下と関連するとのエビデンスが増加する一方で、異なる薬剤クラスの併用とADRDリスクに関するエビデンスは存在しない。米国・ワシントン大学のDouglas Barthold氏らは、異なる薬剤クラスの組み合わせによるスタチンと降圧薬の併用とADRDリスクとの関連について、検討を行った。PLOS ONE誌2020年3月4日号の報告。

COVID-19、軽症者の増悪時にみられた所見―自衛隊中央病院

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から搬送された、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者104例について、2020年3月24日、自衛隊中央病院がその経過と得られた知見をホームページ上で公開した。CT検査所見の特徴、重症化や他疾患との鑑別におけるマーカーとしての各検査値の有用性など、これまでに報告されている事項をふまえ、自院での症例について考察している。

COVID-19、抗体検出は発症2週間後からか/感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への感染が拡大する中、検査時の二次感染リスクが低い抗体検査への期待が高まっている。しかし、その感度・特異度に関する報告は限られており、臨床現場での利用の仕方や結果の解釈について見解は定まっていない。国立感染症研究所では、市販のイムノクロマト法による抗体検出試薬による、発症後日数ごとの抗体陽性率を調査。その結果をホームページ上で公開した。 <調査概要> 検体:SARS-CoV-2遺伝子増幅法により確定された、COVID-19患者血清の残余検体(37症例・87検体) 使用試薬:市販のイムノクロマト法による抗体検出試薬(A社製)  発症後日数※1ごとのの抗SARS-CoV-2 IgM,、IgG抗体陽性率は以下のとおり。

月1回アリピプラゾールへの切り替えの有効性と忍容性

 韓国・カトリック大学校のChi-Un Pae氏らは、統合失調症における月1回アリピプラゾール(AOM)のリアルワールドデータを収集し、評価を行った。Clinical Psychopharmacology and Neuroscience誌2020年2月29日号の報告。  統合失調症治療のために抗精神病薬の多剤併用(APpoly)またはアリピプラゾール以外の他の長時間作用型注射剤(LAI)で治療された患者において、AOMの初回使用後最大12ヵ月間の観察研究を行った。人口統計、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、臨床全般印象度(CGI-S)、有害事象などの利用可能な臨床情報を電子医療記録(EMR)より収集した。