糖尿病黄斑浮腫へのアフリベルセプト、高用量も安全・有効/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2024/04/04

 

 糖尿病黄斑浮腫(DMO)患者へのアフリベルセプト8mgを12週ごとおよび16週ごとの硝子体内投与について、標準対照の2mgを8週ごとに投与との比較において、有効性および安全性は非劣性であることが示された。米国・Retina Consultants of AmericaのDavid M. Brown氏らが、第II/III相無作為化二重盲検非劣性試験「PHOTON試験」の48週時点の結果を報告した。アフリベルセプト8mgは同2mgと比べて、投与頻度を減少し治療アウトカムを改善できる可能性が示されていた。Lancet誌2024年3月23日号掲載の報告。

7ヵ国、138医療機関でDMO成人患者を対象に試験

 PHOTON試験は、7ヵ国、138の病院・網膜専門クリニックを通じ、1・2型糖尿病で中心窩を含むDMOが認められる18歳以上の患者を対象に行われた。

 被験者は1対2対1の割合で、アフリベルセプト2mgを8週ごと(2q8群)、同8mgを12週ごと(8q12群)、同8mgを16週ごと(8q16群)に硝子体内投与を受ける群に無作為に割り付けられた。いずれの群も導入期投与(4週に1回)後にそれぞれアフリベルセプトの硝子体内投与を受け、16週目以降、同8q12群および8q16群は、事前に規定した疾患活動性に基づく用量レジメン修正基準を満たした場合には投与間隔が短縮された。

 主要エンドポイントは、48週時点での最高矯正視力(BCVA)のベースラインからの変化で、非劣性マージンは4文字とした。有効性・安全性の分析は、無作為化後、試験薬を1回以上投与した全患者を対象に行った。

8mgを12/16週ごと投与、2mgを8週ごと投与とBCVA改善は同等

 2020年6月29日~2021年6月28日に970例がスクリーニングを受け、660例が登録・無作為化された。無作為化に誤りがあった2例を除く658例(99.7%)が対象の治療を受けた(アフリベルセプト2q8群167例、8q12群328例、8q16群163例)。患者の平均年齢は62.3歳(SD 10.4)で、61%(401例)が男性、72%(471例)が白人だった。

 アフリベルセプト8q12群・8q16群はいずれも、2q8群に対しBCVA改善について非劣性を示した。BCVAのベースラインからの平均変化は8q12群8.8文字(SD 9.0)、8q16群7.9文字(8.4)、2q8群9.2文字(9.0)だった。最小二乗平均差は、8q12群と2q8群で-0.57文字(95%信頼区間:-2.26~1.13、非劣性のp<0.0001)、8q16群と2q8群で-1.44文字(-3.27~0.39、非劣性のp=0.0031)だった。

 眼に関する有害事象の割合は、群間で類似していた(2q8群28%、8q12群32%、8q16群29%)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)