脳梗塞、血管内治療可能な施設で血栓溶解療法は必要か/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2023/09/19

 

 大血管前方循環脳卒中に対する血管内治療での静脈内血栓溶解療法の意義を検討したオランダ・アムステルダム大学のCharles B. Majoie氏らは、血管内治療センターに直接入院した患者において、血管内治療単独が血管内治療+静脈内血栓溶解療法に対し非劣性であることを立証できなかったと報告した。血管内治療前の静脈内血栓溶解療法が推奨されているが、その意義は血管内治療が可能な施設に直接入院した患者では疑問視されていた。既存の6つの無作為化試験では、2試験で血管内治療単独の非劣性が示されているが、4試験では統計学的確証は得られておらず、研究グループは今回、この6試験の参加者データを用いてメタ解析を行った。Lancet誌オンライン版2023年8月25日号掲載の報告。

6つの無作為化試験の患者データをメタ解析

 研究グループは、血管内治療単独(単独群)の血管内治療+静脈内血栓溶解療法(併用群)に対する非劣性を評価するImproving Reperfusion Strategies in Acute Ischaemic Stroke(IRIS)コラボレーションを立ち上げ、システマティック・レビューとメタ解析を行った。

 「stroke」「endovascular treatment」「intravenous thrombolysis」および同義語の単語を用いて、データベース開始~2023年3月9日に公表された論文について、PubMed、MEDLINEを検索。言語を問わず、関連トピックの無作為化試験を包含した。特定した試験の著者らに、IRISコラボレーションのメタ解析に参加することの同意を得たうえで、個別参加者のデータを各試験の主任研究者から提供してもらい、研究グループによって一元的に解析・評価した。

 主要アウトカムは、90日時点の修正Rankin Scale(mRS)スコア。単独群の非劣性マージンは、補正後共通オッズ比(acOR)の95%信頼区間(CI)下限値0.82とし、順序回帰法にてアウトカム改善(機能的独立性の絶対差5%に相当)への移行について評価した。すべての解析は、混合効果モデルを用いて行った。

90日時点のmRSスコア中央値は同等

 検索により1,081試験を特定し、解析に適格であった6試験(被験者計2,313例、単独群1,153例、併用群1,160例)を包含した。6試験のリスクバイアスは低~中程度であった。また、試験間のばらつきは小さく、主に血栓溶解薬の選択と用量および死刑執行国に関連したものであった。

 90日時点のmRSスコア中央値は、単独群3(四分位範囲[IQR]:1~5)、併用群2(1~4)であった(acOR:0.89、95%CI:0.76~1.04)。あらゆる頭蓋内出血の発現頻度は、併用群よりも単独群で低かった(0.82、0.68~0.99)。症候性の頭蓋内出血の発生率および死亡率については、大きな違いはみられなかった。

 これらの結果を踏まえて著者は、「さらなる研究では、費用対効果の解析のほか、患者の特性や薬剤の不足あるいは供給の遅れといった、血管内治療前の静脈内血栓溶解療法の潜在的な利点を相殺すると予想される個別の要因に焦点が当てられるだろう」と述べている。

(ケアネット)