潰瘍性大腸炎の寛解導入および維持療法にウステキヌマブが有効/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2019/10/04

 

 中等症~重症の潰瘍性大腸炎に対する寛解導入療法および維持療法として、分子標的薬ウステキヌマブ(インターロイキン12/23のp40サブユニットに対するモノクローナル抗体)がプラセボとの比較において有効であることが明らかにされた。米国・マウントサイナイ医科大学のBruce E. Sands氏らが、国際共同第III相臨床試験「UNIFI試験」の結果を報告した。潰瘍性大腸炎は慢性の炎症性腸疾患(IBD)で、日本では指定難病とされている。現行の推奨療法は臨床効果に乏しく、感染症やがん罹患のリスクが高いことが知られている。ウステキヌマブは、同じくIBDに分類されるクローン病において、既存治療で効果不十分な活動期症例における有効性が確認されていたが、潰瘍性大腸炎における寛解導入療法および維持療法としての有効性は不明であった。NEJM誌2019年9月26日号掲載の報告。

中等症~重症の潰瘍性大腸炎961例で、8週間の寛解導入療法と44週間の維持療法を評価

 UNIFI試験では、既存治療で効果不十分または忍容性のない中等症~重症の潰瘍性大腸炎患者を対象に、8週間の寛解導入療法および44週間の維持療法としてのウステキヌマブの有効性および安全性を評価した。2015年8月~2018年8月に、世界各地の244施設において1プロトコルの下で行われた。

 潰瘍性大腸炎患者計961例を寛解導入試験として、ウステキヌマブ6mg/kg静脈内投与群(322例)、ウステキヌマブ130mg静脈内投与群(320例)またはプラセボ群(319例)に1対1対1の割合で無作為に割り付けた。また、寛解導入試験で臨床的寛解を達成した523例を維持試験として、ウステキヌマブ90mgを12週ごとに皮下投与する群(172例)、90mgを8週ごとに皮下投与する群(176例)またはプラセボ群(175例)に1対1対1の割合で無作為に割り付け評価した。

 潰瘍性大腸炎患者の寛解導入試験の主要評価項目は8週時の臨床的寛解とし、寛解維持試験の主要評価項目は44週時の臨床的寛解とした。臨床的寛解は、Mayoスコア(0~12、スコアが高いほど重症)が2以下、かつ4項目のいずれのサブスコア(0~3)も1を超えない、と定義した。

潰瘍性大腸炎の臨床的寛解達成、寛解導入療法で約15% vs.5%、維持療法で約38~44% vs.24%

 寛解導入試験において8週時点で臨床的寛解を達成した潰瘍性大腸炎患者の割合は、ウステキヌマブ130mg群15.6%、6mg/kg群15.5%で、プラセボ群の5.3%と比較しいずれも有意に高かった(いずれもp<0.001)。

 臨床的寛解を達成し寛解維持試験で無作為化された潰瘍性大腸炎患者における44週時点の臨床的寛解達成率は、ウステキヌマブ90mg 12週ごと皮下投与群が38.4%、同8週ごと皮下投与群が43.8%であり、プラセボ群の24.0%と比較して有意に高かった(それぞれp=0.002、p<0.001)。

 重篤な有害事象の発現率は、ウステキヌマブ群とプラセボ群とで類似していた。52週間の投薬期間中、ウステキヌマブの投与を受けた825例において、死亡2例(急性呼吸促迫症候群1例、食道静脈瘤による出血1例)、がん7例(前立腺がん、結腸がん、乳頭状腎細胞がん、直腸がんが各1例、非黒色腫皮膚がん3例)が認められた。プラセボ群319例では死亡例はなく、がん(精巣がん)が1例に発生した。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 上村 直実( うえむら なおみ ) 氏

国立国際医療研究センター国府台病院 名誉院長

東京医科大学 消化器内視鏡学講座 兼任教授

J-CLEAR評議員