活動期クローン病の寛解導入・維持にウステキヌマブは有効/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2016/12/01

 

 中等度~重度の活動期クローン病の患者に対し、インターロイキン12/23のp40サブユニットに対するモノクローナル抗体であるウステキヌマブ静脈内投与による寛解導入療法は、6週時点の評価で寛解達成患者の割合が約34%と、プラセボ群に比べ有意に高率だった。また、寛解を示した患者に対し、皮下投与による維持療法を行った結果についても、44週時点で寛解を維持していた患者の割合は49~53%であり、プラセボ群より有意に高率だった。カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のBrian G. Feagan氏らが、2つのプラセボ対照二重盲検無作為化試験を行って明らかにした。NEJM誌2016年11月17日号掲載の報告。

単回静脈内投与で導入療法、8または12週に1回皮下投与で維持療法を実施

 研究グループは、中等度~重度の活動期クローン病の患者を対象に、寛解導入療法に関する2つの無作為化比較試験(UNITI-1:23ヵ国178施設、UNITI-2:23ヵ国175施設)を行った。

 被験者を無作為に2群に分け、一方にはウステキヌマブ(130mgまたは約6mg/kg)の単回静脈内投与を、もう一方にはプラセボを投与した。UNITI-1試験の被験者は、TNF-α阻害薬に対し1次または2次無効、または忍容できない副作用が発生した741例の患者だった。UNITI-2試験の被験者は、従来治療が無効、または忍容できない副作用が発生した628例だった。

 さらに、これらの導入療法試験を完了し、寛解が認められた患者397例を対象にIM-UNITI維持療法試験(27ヵ国260施設)を行い、皮下投与による寛解維持療法としてウステキヌマブ(90mgを8週または12週ごと)、またはプラセボを投与し、アウトカムを比較した。

 主要評価項目は、寛解導入療法試験については、6週間後の臨床的寛解(CDAIスコアがベースラインから100ポイント以上低下、またはCDAIスコア150未満)だった。寛解維持療法試験の主要評価項目は、44週間後の寛解(CDAIスコア150未満)だった。

導入療法・維持療法ともに、寛解達成・維持はウステキヌマブ群で高率

 その結果、2つの寛解導入療法試験共に、6週間後の寛解達成患者の割合は、ウステキヌマブ群がプラセボ群より有意に高率だった(UNITI-1試験:130mg群34.3%、約6mg/kg群33.7%、プラセボ群21.5%、プラセボ群との比較で両群ともに、p≦0.003、UNITI-2試験:それぞれ51.7%、55.5%、28.7%、プラセボ群との比較で両群ともに、p<0.001)。

 また、寛解維持療法試験でも、44週間後の寛解維持患者の割合は、ウステキヌマブ8週ごと投与群53.1%、12週ごと投与群48.8%と、いずれもプラセボ群の35.9%に比べ高率だった(それぞれp=0.005、p=0.04)。

 なお、各試験において、有害イベント発生率は全治療群で同程度だった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)