ショック非適応の院外心停止、高度気道管理で生存率改善/BMJ

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ケアネット

ショック非適応の院外心停止、高度気道管理で生存率改善/BMJのイメージ

 All-Japan Utstein Registryの登録患者から約31万人を対象に行われた日本発のコホート試験の結果、院外心停止患者に対する高度気道管理(advanced airway management:AAM)は、初回心電図波形でショック適応と判断した患者では生存との関連が認められなかったが、ショック非適応患者では良好な生存との関連が示されたことを、東京慈恵会医科大学麻酔科学講座の井澤 純一氏らが、BMJ誌2019年2月28日号で報告した。多くの観察研究で、院外心停止患者へのAAMとアウトカムとの関連は不良であることが報告されている。一方、最近行われた無作為化試験で、バッグバルブマスク法が気管挿管に対して非劣性であることを立証できなかった。日本で行われた本試験では、救急医療サービス(EMS)の隊員による院外心停止患者へのAAMが生存を増大するかについて、時間依存的介入や共変量を補正して検討が行われた。

時間依存的傾向スコアで適合し、1ヵ月時点の生存率、退院生存率を比較
 試験は、全国的な住民ベースのレジストリ「All-Japan Utstein Registry」の参加者を対象に、2014年1月~2016年12月にかけて行われた。院外心停止を呈した成人連続患者を、初回に記録された心電図波形で、ショック適応群(心室細動または無脈性心室頻拍)、ショック非適応群(無脈性電気活動または収縮不全)の2つのサブグループに分類して検討した。

 時間依存的傾向スコアに基づき、心肺蘇生中にAAMを受けた患者と、同一時間(分)内のAAMリスク患者を経時的に適合して、1ヵ月時点の生存率、または1ヵ月間の退院生存率を評価した。

介入有無の生存率の補正後リスク比は、ショック適応群1.00、ショック非適応群1.27
 同期間中にレジストリには約36万8,000例が登録。そのうち、本試験コホートには31万620例が含まれた。ショック適応群は2万516例、ショック非適応群は29万104例であり、心配蘇生中にAAMを受けたのは、ショック適応群8,459例(41.2%)、ショック非適応群12万1,890例(42.0%)であった。また、時間依存的傾向スコアで適合後、ショック適応群1万6,114例、ショック非適応群23万6,042例が同一時間で適合した。

 ショック適応群では、生存率について、AAMを受けた患者と受けなかった患者に差は認められなかった(1,546/8,057例[19.2%]vs. 1,500/8,057例[18.6%]、補正後リスク比[RR]:1.00、95%信頼区間[CI]:0.93~1.07)。一方、ショック非適応群では、AAMを受けた患者のほうが受けなかった患者よりも良好な生存率が示された(2,696/11万8,021例[2.3%]vs. 2,127/11万8,021例[1.8%]、補正後RR:1.27、1.20~1.35)。

(ケアネット)

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