ジェネリック希少の医薬品、米国で価格高騰/BMJ

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ケアネット

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 米国において特許期限切れだがジェネリック承認薬がない処方薬のうち、半数超は米国外で少なくとも1社が承認を受けており、半数弱は4社以上が承認製造していた。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRavi Gupta氏らが、1939~2017年に米国食品医薬品局(FDA)で承認を受け、その後特許期限が切れた薬剤などを対象に行った観察試験で明らかにしたもので、BMJ誌2018年3月19日号で発表した。米国では、特許期限の切れた処方薬の一部が、競合会社が少ないために急激に価格が高騰し、入手が困難になるといった問題が生じている。今回の結果を受けて著者は、「それらの処方薬について、米国外からの輸入販売規制などを緩和化することで、適正な市場競争が促され、価格低下や患者への安定的な供給につながるだろう」とまとめている。

ジェネリックが3種以下の薬剤を対象に調査
 研究グループは、1939年以降に米国FDAの承認を受けた新規処方薬(錠剤またはカプセル)で、特許期限が切れるなど市場独占権を失っており、そのジェネリック製品が3種以下と市場での競争力が低い薬剤を対象に、2017年4月まで観察試験を行った。

 対象の処方薬について、米国と同等な承認基準を設けている欧州、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、南アフリカ、イスラエルの7つの規制機関から承認を受けた製造業者の数について調査を行った。また、それら処方薬の特性と、米国における希少疾病用医薬品の指定、世界保健機関(WHO)必須医薬品、治療分野、製造工程の複雑さ(生物学的同等性の保持や製造が困難)、2015年のメディケイド総支出などとの関連についても調べた。

米国でジェネリックのない薬剤、半数超が米国外で承認
 特許期限が切れるなど市場独占権がなく、米国内でジェネリックを販売する企業が3社以下だった処方薬は、170種だった。そのうち109種(64%)は、米国外で少なくとも1社の製造業者が承認を受けていた。また32種(19%)は、4社以上が承認を受けていた。

 米国FDAがジェネリック製品を承認していなかった44種(26%)において、21種(48%)は米国外で少なくとも1社が製造承認を受けていた。2種(5%)は4社以上が製造承認を受けていた。

 また、調査対象となった170種のうち66種(39%)が、米国も合わせ4社以上の製造業者が製造していた。

 少なくとも米国外の1ヵ国以上で承認を受けた109種のうち、希少疾病用医薬品は12種(11%)、WHO必須医薬品は29種(27%)だった。製造工程が複雑で米国への輸入に困難を伴う可能性があった医薬品は12種(11%)のみであった。

 処方薬の数が最も多かったのは心血管系疾患・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)の治療薬(19種、17%)、精神病治療薬(16種、15%)、感染症治療薬(15種、14%)だった。米国で適正な競争が行われていないジェネリック薬に対するメディケイドからの支出は、2015年で約7億ドルに上っていた。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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