腰椎穿刺後の合併症リスク、非外傷性針 vs.従来針/Lancet

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ケアネット

腰椎穿刺後の合併症リスク、非外傷性針 vs.従来針/Lancetのイメージ

 腰椎穿刺を非外傷性針で受けた患者は、従来針で受けた患者と比べて、穿刺後の頭痛の発生率が低く、追加治療のための入院の必要性が少なく、有効性については同等であるとの結果が、カナダ・マックマスター大学のSiddharth Nath氏らによるシステマティックレビューとメタ解析で示された。非外傷性針は、腰椎穿刺後の合併症低減のために提案されたが、依然として臨床での採用は低調なままであるとの調査結果が示されている。Lancet誌オンライン版2017年12月6日号で発表された。

穿刺後の頭痛の発生率を主要アウトカムにシステマティックレビューとメタ解析
 研究グループは、システマティックレビューとメタ解析により、非外傷性針と従来針の腰椎穿刺後の患者のアウトカムを比較する検討を行った。13のデータベースを、開設から2017年8月15日時点まで検索。言語を問わず、あらゆる腰椎穿刺について非外傷性針と従来針の使用を比較していた無作為化対照試験を対象とした。硬膜穿刺ではなく(硬膜外注射であったもの)、対照が従来針ではないものは除外した。発表レポートから、試験のスクリーニングとデータの抽出を行い解析評価した。

 主要アウトカムは、穿刺後の頭痛の発生率。さらに安全性と有効性のアウトカムを、ランダム効果および固定効果メタ解析により評価した。

主要アウトカム発生の非外傷性針群の相対リスクは0.44
 検索により、2万241件のレポートを特定し、基準で除外後、1989~2017年に行われた29ヵ国からの110試験・被験者総計3万1,412例のデータを解析に包含した。

 穿刺後の頭痛発生率は、従来針群11.0%(95%信頼区間[CI]:9.1~13.3)に対し非外傷性針群は4.2%(同:3.3~5.2)と有意に低率だった(相対リスク[RR]:0.40、95%CI:0.34~0.47、p<0.0001、I2=45.4%)。また非外傷性針群は、静脈内輸液や鎮痛コントロールを要することが有意に少なく(RR:0.44、95%CI:0.29~0.64、p<0.0001)、硬膜外血液パッチの必要性(0.50、0.33~0.75、p=0.001)や、あらゆる頭痛(0.50、0.43~0.57、p<0.0001)、軽度頭痛(0.52、0.38~0.70、p<0.0001)、重度頭痛(0.41、0.28~0.59、p<0.0001)、神経根刺激(0.71、0.54~0.92、p=0.011)、さらに聴力障害(0.25、0.11~0.60、p=0.002)がいずれも有意に少なかった。一方、腰椎穿刺の初回試技での成功率、失敗率、平均試技回数、traumatic tapや腰痛の発生率は、両群間で有意差はなかった。

 硬膜穿刺後の頭痛に関する事前規定のサブグループ解析の結果、針のタイプと患者の年齢、性別、予防的静脈内輸液の実施、針のゲージ、患者の姿勢(座位vs.側臥位)、腰椎穿刺の目的(麻酔vs.診断vs.脊髄造影)、穿刺後のベッド安静、担当医の専門性との間に相互作用は認められなかった。これらの結果は、推奨評価・開発・評価の格付けを用いて検証されており、質の高いエビデンスであるとされた。

 結果を踏まえて著者は、「今回の所見は、臨床医とその関係者に対して、腰椎穿刺が必要な患者の優れた選択肢として、非外傷性針の安全性と有効性について総合的な評価と質の高いエビデンスを提示するものである」とまとめている。

(ケアネット)

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