薬剤溶出ステント 生分解性vs.耐久性/Lancet

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ケアネット

薬剤溶出ステント 生分解性vs.耐久性/Lancetのイメージ

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けるあらゆる成人集団を対象とした大規模無作為化試験において、シロリムス溶出生分解性ポリマーステント(MiStent)は、エベロリムス溶出耐久性ポリマーステント(Xience)に対し、12ヵ月時点のデバイス指向の複合臨床エンドポイントに関して非劣性であることが示された。オランダ・アムステルダム・大学医療センターのRobbert J de Winter氏らが行った第III相多施設無作為化単盲検試験「DESSOLVE III」の結果で、Lancet誌オンライン版2017年12月1日号で発表された。MiStentは、現行使用されている非晶質シロリムス溶出耐久性ポリマーステントの限界を克服するために開発されたが、その臨床的効果を耐久性ポリマーステントと比較した、あらゆる成人集団を対象とした大規模な無作為化試験は行われていなかった。

デバイス指向複合エンドポイントを比較
 研究グループは、ドイツ、フランス、オランダ、ポーランドの20病院で、病変部へのPCIを受ける、参照血管径2.50~3.75mmの18歳以上のあらゆる患者を適格とし、被験者をMiStent留置群またはXience留置群に、1対1の割合で無作為に割り付けて追跡評価した。無作為化は、ウェブベースの中央ランダムブロック法ソフトウェアを介して、試験地の研究者によって実行された。

 主要エンドポイントは、心臓死・標的血管の心筋梗塞・臨床的に確認された標的病変の血行再建術から成るデバイス指向複合エンドポイント(DOCE)の、術後12ヵ月時点の群間比較における非劣性とした。評価はintention to treat法にて行い、MiStent群のXience群に対する非劣性マージンを4.0%と定義した。安全性解析は全被験者を対象に行った。

ステント塞栓症の発生率は両群で等しく低率
 2015年3月20日~12月3日に1,398例(2,030病変)が無作為化を受けた。MiStent群には703例(1,037病変)が割り付けられ、そのうち697例が留置を受けた。Xience群には695例(993病変)が割り付けられ、そのうち690例が留置を受けた。

 12ヵ月時点で、主要エンドポイントは、MiStent群40例(5.8%)、Xience群45例(6.5%)で発生した(絶対差:-0.8%[95%信頼区間[CI]:-3.3~1.8]、非劣性のp=0.0001)。

 ステント留置に関連した合併症の報告は、MiStent群12例(1.7%)、Xience群10例(1.4%)であった。最短12ヵ月のフォローアップ中に、試験中断となった臨床的な有害事象はみられなかった。安全性の指標であるステント塞栓症の発生率は、群間で差は認められず両群とも低率であった。

 これらの結果を踏まえて著者は、「臨床において、MiStentを他のステントの代わりに用いるのは理にかなったことのようだ」とまとめている。

(ケアネット)

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新しいDESはXienceを超えられるか?(解説:上田恭敬氏)-787

コメンテーター : 上田 恭敬( うえだ やすのり ) 氏

国立病院機構大阪医療センター 循環器内科 科長

J-CLEAR評議員

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