新規抗スクレロスチン抗体、閉経後の骨密度を増大/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2014/01/17

 

 閉経後に骨密度(BMD)が低下した女性に対する抗スクレロスチン抗体romosozumab投与は、腰椎BMDを12ヵ月で5~11%改善することが示された。米国・オレゴン骨粗鬆症センターのMichael R. McClung氏らが、romosozumabの有効性について検討した第2相臨床試験の結果、報告した。NEJM誌オンライン版2014年1月1日号で発表した。

主要エンドポイントは腰椎BMDの変化
 McClung氏らは、閉経後の55~85歳女性でBMDの低下が認められる419例を対象に、 12ヵ月間にわたるromosozumabの有効性と安全性を評価する第2相多施設共同国際無作為化プラセボ対照並行群(8群)試験を行った。被験者は、腰椎、全股関節あるいは大腿骨頚部のTスコアが-2.0以下、あるいは3部位いずれも-3.5以上だった。

 研究グループは被験者を無作為に8群に分けて、70mg、140mg、210mgのromosozumab皮下投与を毎月、140mg、210mgを3ヵ月ごと、プラセボ、アレンドロン酸経口投与(70mg/週)、テリパラチド皮下投与(20μg/日)をそれぞれ投与した。

 主要エンドポイントは、12ヵ月後の腰椎BMDのベースライン時からの変化だった。副次エンドポイントは、その他の部位である全股関節、大腿骨頚部のBMDの変化、骨代謝マーカーの値などだった。

romosozumab投与群すべてで腰椎BMDが有意に改善
 結果、romosozumab投与群では、すべての投与量群で腰椎BMDの有意な改善が認められた。210mg毎月投与群のベースライン時からの変化率は11.3%、140mg毎月投与群では9.1%、70mg毎月投与群では5.4%であり、3ヵ月ごとの210mg投与群は5.5%、同140mg投与群では5.4%だった。

 一方、アレンドロン酸群の同BMDの変化は4.1%、テリパラチド群7.1%、プラセボ群-0.1%だった。

 また、romosozumab投与は、全股関節と大腿骨頚部の骨密度を大幅に増加し、骨形成マーカーの一時的増加と、骨吸収マーカーの持続的減少に関与していた。

 romosozumab投与群で軽度の注射部位反応が認められたほかは、各群の有害イベントは同等だった。

 著者は、「romosozumabは骨密度が低下した閉経後女性において、骨密度と骨形成の増大、および骨吸収減少と関連することが認められた」と結論している。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)