人工股関節、24%が臨床的有用性不明/BMJ

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/01/15

 

 整形外科医が現在、臨床で使用可能な人工股関節のうち、24%は臨床的有用性についてエビデンスがないものであることが、英国・クイーン・エリザベス病院のF Kynaston-Pearson氏らによるシステマティックレビューの結果、判明した。一部のmetal-on-metal人工股関節で高頻度の再置換発生率がみられることから、インプラントの十分なエビデンスを求める声が高まっていることを受けて本検討は行われた。整形外科医が使用可能なインプラントは多数あるが、その使用を支持する臨床的有用性エビデンスを有するものが、どれくらいあるのかはこれまで不明であったという。BMJ誌オンライン版2013年12月19日号掲載の報告より。

エビデンスがただちに入手できない人工股関節がどれくらいあるかをレビュー
 本レビューでは、初回の人工股関節全置換術において、使用を支持するエビデンスがただちに入手できない人工関節が、どれくらい使用されているかを明らかにすることを目的とした。

 まず、National Joint Registry of England and Wales(NJR)の第9年次報告を分析して、Orthopaedic Data Evaluation Panel評価で「非分類」「プレエントリー」であった人工関節で、2011年に人工股関節全置換術に用いられていたものを特定した。

 次にそれらの人工股関節について、PubMed、Cochrane、Embase、OVID、Googleデータベースを用いてシステマティックレビューを行い分析した。文献は、人工股関節の名称を含むものだけを適格として組み込み、動物試験、非整形外科、非全置換術、および非デバイス関連試験は除外した。

2011年の全置換術のうち7.8%がエビデンスなし
 システマティックレビューの結果、英国の手術医が入手可能なすべての人工股関節置換インプラントのうち、24%(57/235)は臨床的有用性のエビデンスがないことが判明した。

 また、2011年に行われた人工股関節全置換術13万6,593例のうち、1万617例(7.8%)が、臨床的有用性のエビデンスがないインプラントでの施術であった。内訳は、セメントステム157/3万4,655例(0.5%)、非セメントステム936/3万3,367例(2.8%)、セメントカップ1,732/2万24,349例(7.1%)、非セメントカップ7,577/4万4,222例(17.1%)であった。

 著者は、「今回の検討で、整形外科医が入手可能な人工関節のうち、かなりのものがその使用を支持する臨床的有用性のエビデンスがないものであることが示された」とまとめ、「現状のデバイス供給システムには懸念を示さざるを得ず、新たな人工関節デバイスの導入プロセスの方法について、修正を要することは明らかである」と指摘している。

(武藤まき:医療ライター)