進行期悪性黒色腫へのラムブロリズマブ、確定奏効率38%/NEJM

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2013/06/20

 

 進行期悪性黒色腫患者に対する抗PD-1抗体ラムブロリズマブ(MK3475、国内未承認)投与により、持続的な腫瘍縮小効果が高率に認められ、治療薬関連の有害事象は主にグレード1または2であったことを、米国・Angeles Clinic and Research InstituteのOmid Hamid氏らが同薬の有効性と安全性を検討した臨床試験の結果、報告した。本検討は、免疫チェックポイント阻害薬イピリムマブ(国内未承認)による治療歴にかかわらず、疾患進行が認められている患者を被験者として行われた。その結果、イピリムマブ治療既往の有無による奏功率に有意差はなかったことも示されている。NEJM誌オンライン版2013年6月2日号より。

ラムブロリズマブ静注10mg/kg(体重)または2mg/kg(体重)を投与し12週ごとに評価
 研究グループは、進行期悪性黒色腫の患者に対し、2週または3週ごとにラムブロリズマブ静注10mg/kg(体重)を投与、または3週ごとに2mg/kg(体重)を投与し、腫瘍縮小効果について12週ごとに評価した。両投与群の被験者には、それまでにイピリムマブの未治療・既治療の両者が含まれていた。

 2011年12月1日~2012年9月6日の間に、合計135例の進行期黒色腫患者が投与を受けた。そのうち79%が治療薬関連の有害事象を報告した。共通した有害事象は、疲労感、発疹、かゆみ、下痢であり、大部分の有害事象は重篤なものではなかった(グレード3、4は13%)。

最も高い確定奏効率は2週ごと10mg/kg投与で52%
 全投与コホートにおける確定奏効率(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors[RECIST] version 1.1に基づく画像診断による)は38%(95%信頼区間[CI]:25~44)だった。

 最も高い確定奏効率は2週ごとに10mg/kgを投与したコホートでみられた(52%、95%CI:38~66)。

 奏効率は、イピリムマブ治療歴のある患者とないの患者の間で有意差はみられなかった。それぞれの確定奏効率は既治療患者38%(95%CI:23~55)、未治療患者37%(同:26~49)だった。

 腫瘍縮小効果は大半の患者で持続的で(同患者の追跡期間中央値11ヵ月)、奏効が認められた患者の81%(52例中42例)は、2013年3月の分析時点で治療を継続していた。135例の患者全体の無増悪生存期間の中央値は7ヵ月以上に及んだ。