統合失調症、デポ剤と抗精神病薬併用による効果はどの程度? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/05/28 統合失調症治療の主な目標は、機能の向上である。しかし、第一世代抗精神病薬と第二世代抗精神病薬、あるいはデポ剤/持効性注射薬(D/LAI)とD/LAI+経口抗精神病薬との有効性の相違については明らかとなっていない。スペイン・Canary Health ServiceのFrancisco J. Acosta氏らは、統合失調症患者に対する抗精神病薬の種類およびレジメンによる有効性の相違を検討した。その結果、第一世代抗精神病薬と第二世代抗精神病薬の間に相違はなく、D/LAIの抗精神病薬は経口抗精神病薬と併用せずに単独で使用するほうが統合失調症患者の機能向上に好ましいことを報告した。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年5月15日号の掲載報告。 本研究の目的は、種類の異なる抗精神病薬またはレジメンの、統合失調症患者の機能に対する有効性の相違を評価することである。対象は、前年の治療アドヒアランスが良好であり、経口抗精神病薬を併用または非併用のもとD/LAIの抗精神病薬による治療を受けている、統合失調症の外来患者85例。患者を、抗精神病薬の種類(第一世代vs. 第二世代)または経口抗精神病薬の併用の有無により群別し、社会人口統計学的特性、臨床的特性、治療関連、全体的重症度および機能について評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・全体的な機能において、第一世代抗精神病薬と第二世代抗精神病薬の間で相違は認められなかった。 ・リスペリドンLAI単独治療の患者は、リスペリドンLAIに第二世代経口抗精神病薬を併用している患者に比べ、全体機能、日常の社会活動における状態、個人と社会との関係が良好であった。 ・より良好な機能には、高学歴、統合失調症のパラノイドタイプ、ニコチンの有害な使用(harmful use)、経口薬のアドヒアランス、併用薬の経口抗コリン薬または精神薬理的学治療の欠如も関連していた。 ・以上から、より良好な機能を得るには、D/LAI抗精神病薬は可能な限り単独で使用すべきことが示唆された。また、これにより治療スケジュールもシンプルになるはずである。 関連医療ニュース 統合失調症へのアリピプラゾール持効性注射剤、経口剤との差は? 統合失調症、双極性障害の急性期治療に期待!アリピプラゾール筋注製剤 どのタイミングで使用するのが効果的?統合失調症患者への持効性注射剤投与 (ケアネット) 原著論文はこちら Acosta FJ et al. Nord J Psychiatry. 2013 May 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25)