統合失調症、双極性障害の急性期治療に期待!アリピプラゾール筋注製剤

提供元:ケアネット

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公開日:2013/04/02

 

 非定型抗精神病薬であるアリピプラゾール(商品名:エビリファイ)は、統合失調症患者や双極性障害患者に対し広く用いられている。海外では筋注製剤も承認されており、急性期治療における有用な選択肢として期待されている。イタリア・サピエンツァ大学のSergio De Filippis氏らは、統合失調症または双極性障害の急性期治療として、アリピプラゾール筋注の有用性をオープランラベル試験により検証した。Pharmacotherapy誌オンライン版2013年3月15日号の掲載報告。

 研究グループは、統合失調症または双極性障害で急性の興奮状態にある患者について、非定型抗精神病薬アリピプラゾール9.75mgの筋肉注射の有効性と安全性を評価した。試験は、一大学の精神科病棟で行われ、筋注後の治療反応を評価した。評価は、初回筋注後30、60、90、120分および24時間後にPANSS陽性・陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale)の興奮項目(PANSS-EC)と興奮/鎮静評価尺度(Agitation/Calmness Evaluation Scale:ACES)にて、また2、4、6、24時間後に臨床全般印象度(Clinical Global Impressions scale:CGI)にて行われた。また、サブサンプルにおいて血中アリピプラゾール値とデヒドロアリピプラゾール値を測定した。

 主な結果は以下のとおり。

・201例(統合失調症79例、双極性障害122例)を対象とした。
・PANSS-ECのスコアは、40%以上減少した。
・アリピプラゾール筋注は、臨床指標を有意に改善した。
・PANSS-ECの改善は、30分後から始まり進行していった。
・ACESの改善は90分後で、その後は維持された。
・CGIスコアの減少は絶え間なく着実に24時間後まで続いた。
・治療反応率は2時間後時点で83.6%であった。再投与後は、統合失調症群、双極性障害群とも90%超まで上昇した。
・PANSS-ECの個別指標別にみた場合に、治療反応に性差が認められる項目もあったが、全体的には同程度であった。
・臨床モニタリングにおいて、副作用の報告をした患者は皆無であった。ただし、あらゆる副作用が報告されなかったのは、観察期間が短かったことと関連している可能性がある。
・治療領域は特定されなかった。また、治療レベルはいずれの臨床指標とも関連していなかった。
・本研究結果は、二重盲検試験に十分に匹敵するもので、おそらくプラセボを対照と していない試験においてより高値が期待できる。

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(ケアネット)