補聴器の使用が認知機能低下リスクの低減に関連

提供元:HealthDay News

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公開日:2023/06/26

 

 難聴患者では、補聴器の使用が長期的な認知機能低下のリスク低減に関連することが、「JAMA Neurology」に12月5日報告された。

 シンガポール国立大学(シンガポール)のBrian Sheng Yep Yeo氏らは、補聴器・人工内耳と認知機能低下や認知症との関連について、システマティックレビューとメタアナリシスを実施。対象は31件の研究(13万7,484人)で、このうち19件を定量分析の対象とした。

 難聴と認知機能低下との長期的な関連を調べた8件の研究(対象者12万6,903人、追跡期間2~25年)のメタアナリシスにおいて、補聴器を使用している患者では未矯正の患者に比べて、認知機能低下のリスクが有意に低いことが判明(ハザード比0.81)。聴力回復と短期的な認知テストスコアの変化を調べた11件の研究(対象者568人)のメタアナリシスでは、補聴器使用後にスコアの改善が見られた(平均値比1.03)。

 著者らは、「今回の研究は、増えつつあるエビデンスに追加されるだけでなく、臨床医が難聴患者を治療する際、認知症などの認知機能低下リスクを低減するために、補聴器を使うよう説得するきっかけとなる」と述べている。

[2022年12月6日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら