日本における認知症教育による潜在的態度の変化

提供元:ケアネット

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公開日:2024/03/26

 

 東京大学の松本 博成氏らは、成人および高齢者における認知症に対する偏見などの潜在的な態度の測定に関して、その実現可能性と妥当性を評価し、仮想現実(VR)を用いた認知症フレンドリー教育が潜在的な態度に及ぼす影響を評価した。Australasian Journal on Ageing誌オンライン版2024年2月15日号の報告。

 ランダム化比較試験のデータを2次分析した。東京在住の20~90歳が、VRの有無にかかわらず、認知症フレンドリー教育に参加した。認知症フレンドリー教育プログラム終了後、Implicit Relational Assessment Procedure(IRAP)を用いて、認知症に対するimplicitを測定した。

 主な結果は以下のとおり。

・参加者145人中89人(61%)がIRAPを開始し、21人(15%)が完了した。
・IRAPの開始/完了と有意な関連が認められた因子は年齢の低さであり、開始率50%の閾値年齢は72.3歳、完了率50%の閾値年齢は44.8歳と推定された。
・家族以外の認知症患者と接触経験のある人では、経験のない人と比較し、IRAPスコアが有意に低かった。
・VRプログラムに参加したグループは、対照グループと比較し、IRAPスコアが有意に低かった(p=0.09)。

 著者らは「IRAPによる認知症に対する潜在的な態度の測定は、70代以上の人では実現が難しいと考えられるが、接触経験の違いが測定の妥当性を裏付けるものであろう」とし、「VRを用いた認知症フレンドリー教育は、認知症に対する偏見などの潜在的な態度を改善するうえで、有用である可能性が示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)