小児尋常性乾癬、アプレミラストの有用性を第III相試験で検証

提供元:ケアネット

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公開日:2024/03/06

 

 中等症~重症の6~17歳の尋常性乾癬患者において、アプレミラストはプラセボと比較して全般的な疾患活動性および皮膚症状を有意に改善したことが、海外第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「SPROUT試験」の結果で示された。カナダ・アルバータ大学Stollery Children's HospitalのLoretta Fiorillo氏らが報告した。経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬のアプレミラストは、成人の尋常性乾癬患者に対する使用が、わが国を含め国際的に承認されている。しかし、中等症~重症の小児尋常性乾癬患者に対して使用が承認されている全身性治療薬は限られている。アプレミラストについては、第II相試験の探索的解析で小児患者の皮膚症状を改善することが示され、さらなる検討が支持されていた。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2024年1月22日号掲載の報告。

 SPROUT試験は、局所療法でコントロール不十分/不良の6~17歳の中等症~重症尋常性乾癬患者(Psoriasis Area and Severity Index[PASI]スコア12以上、皮疹が体表面積[BSA]10%以上、static Physician Global Assessment[sPGA]スコア3以上)を対象とした。対象患者にアプレミラストを16週間投与し、有効性と安全性を検証した。

 対象患者を年齢(6~11歳、12~17歳)で層別化し、2対1の割合で無作為にアプレミラスト群またはプラセボ群に割り付けた。アプレミラスト群の患者には、体重に基づき20mgを1日2回(体重20kg以上50kg未満)または、30mgを1日2回(体重50kg以上)16週間投与した。その後、52週まで両群の患者にアプレミラストを投与した。

 主要エンドポイントは、16週時のsPGA達成(ベースラインから2点以上低下かつスコア0[消失]または1[ほぼ消失])であった。主要な副次エンドポイントは、16週時のPASI-75達成(PASIスコアがベースラインから75%以上低下)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・2018年12月~2021年12月に、計245例が無作為化された(アプレミラスト群163例[20mg群80例、30mg群83例]、プラセボ群82例)。平均年齢は12歳(6~11歳群41.2%、12~17歳群58.8%)、約50%が女子で、86.9%が白人であった。尋常性乾癬の平均罹病期間は4年、ベースラインの平均PASIスコアは19.8、sPGAスコアは3(中等症)が75.5%、4(重症)が24.5%であった。
・16週時のsPGA達成率は、アプレミラスト群(33.1%)がプラセボ群(11.5%)より有意に高率であった(p<0.0001)。
・同様にPASI-75達成率は、アプレミラスト群(45.4%)がプラセボ群(16.1%)より有意に高率であった(p<0.0001)。
・sPGA達成率は、6~11歳群(49.6%)が12~17歳群(21.5%)よりも高率であり、20kg以上50kg未満群(47.4%)が50kg以上群(19.2%)よりも高率であった。PASI-75の結果についても同様であった。
・安全性に関する新たなシグナルは観察されなかった。

(ケアネット)